動詞について確認しよう
動詞は、文の中で主語の動作や状態を表す品詞です。文の骨格をなす最も重要な要素の一つで、「〜する」「〜である」といった意味を持ちます。
動詞の主な種類
動詞は、文の構造や意味によっていくつかの種類に分けられます。
1. 自動詞と他動詞
- 自動詞(intransitive verb): 動作が主語だけで完結し、目的語を必要としない動詞です。
- 例:
He **walks** fast.(彼は速く歩く。)
- 例:
- 他動詞(transitive verb): 動作が目的語に直接及ぶ動詞です。
- 例:
She **reads** a book.(彼女は本を読む。)
- 例:
2. be動詞と一般動詞
- be動詞: 主語の状態や存在を表す動詞です。
am, is, are, was, wereなどがあります。- 例:
I **am** a student.(私は学生です。)
- 例:
- 一般動詞: be動詞以外のすべての動詞を指します。動作や感情を表します。
- 例:
They **play** soccer.(彼らはサッカーをする。)
- 例:
3. 助動詞と本動詞
- 助動詞(auxiliary verb): 本動詞と組み合わせて、時制、可能性、義務などの意味を付け加える動詞です。
can, will, may, mustなどがあります。- 例:
He **can** swim.(彼は泳ぐことができる。)
- 例:
- 本動詞: 助動詞によって意味が補われる、中心となる動詞です。
- 例:
He can **swim**.(彼は泳ぐことができる。)
- 例:
分詞について確認しよう!
分詞は、動詞の形を変えて形容詞や副詞として働く品詞です。主に現在分詞と過去分詞の2種類があり、これらを使いこなすことで、文の表現力が豊かになります。

現在分詞(-ing)
現在分詞は、動詞の原形に-ingをつけた形です。「〜している」という能動や進行中の意味を表します。
- 形容詞として: 名詞を修飾します。
a **sleeping** baby(眠っている赤ちゃん)the boy **running in the park**(公園で走っている少年)- 他の語句を伴う場合は、名詞の後ろに置かれます。
- 分詞構文として: 文の冒頭や末尾に置かれ、原因や理由、時間などを表します。
**Walking** along the street, I found a wallet.(通りを歩いていると、財布を見つけた。)
過去分詞(-ed)
過去分詞は、動詞の原形に-edをつけた形(不規則変化も含む)で、「〜された」という受動や完了の意味を表します。
- 形容詞として: 名詞を修飾します。
a **broken** chair(壊れた椅子)the cake **made by my sister**(姉によって作られたケーキ)- 他の語句を伴う場合は、名詞の後ろに置かれます。
- 分詞構文として: 文全体に意味を付け加えます。
**Written** in simple English, the book is easy to understand.(簡単な英語で書かれているので、その本は理解しやすい。)
感情を表す分詞の注意点
感情を表す動詞(surprise, excite, boreなど)の分詞は、意味が大きく異なるため注意が必要です。
- 現在分詞(-ing): 「〜させるような」という感情の原因を表します。
a **boring** movie(退屈な映画)- 映画が退屈な気持ちを引き起こす。
- 過去分詞(-ed): 「〜させられた」という感情の状態を表します。
a **bored** student(退屈している生徒)- 生徒が退屈な気持ちになっている。
知覚動詞を確認しよう!
知覚動詞とは?
知覚動詞とは、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を使って何かを感じたり、知覚したりする動作を表す動詞です。代表的な知覚動詞には、see(見る)、hear(聞く)、feel(感じる)、watch(見る)、notice(気付く)などがあります。

知覚動詞と分詞の組み合わせ
知覚動詞の後に来る目的語を説明するために、現在分詞や過去分詞が使われます。
1. 現在分詞: 目的語がその動作を「している」様子を表します。
- I saw him reading a book.(彼が本を読んでいるのを見た。)
- him(彼)がreading a book(本を読んでいる)という動作をしている。
- I heard her singing in the shower.(彼女がシャワーを浴びながら歌っているのを聞いた。)
- her(彼女)がsinging in the shower(シャワーを浴びながら歌っている)という動作をしている。
2. 過去分詞: 目的語がその状態に「されている」様子を表します。
- I found the door locked.(ドアが鍵がかかっているのを見つけた。)
- the door(ドア)がlocked(鍵がかかっている)という状態になっている。
- She felt her heart beating fast.(彼女は心臓が速く鼓動していると感じた。)
- her heart(彼女の心臓)がbeating fast(速く鼓動している)という状態になっている。
具体的な例文
- I watched the children playing in the park.(子供たちが公園で遊んでいるのを眺めた。)
- He heard the phone ringing and answered it.(彼は電話のベルが鳴っているのを聞き、電話に出た。)
- She felt something crawling on her arm.(彼女は何かが腕で這っているのを感じた。)
- I noticed the car speeding down the street.(私は車が通りを猛スピードで駆け抜けているのに気づいた。)
ポイント
- 現在分詞: 目的語が能動的に動作をしている様子を表す
- 過去分詞: 目的語が受動的に状態になっている様子を表す
- 知覚動詞の種類: see, hear, feel, watch, notice 以外にも、find, keep, leave なども知覚動詞として使われることがあります。
注意点
- 五感: 知覚動詞は五感に関連する動詞なので、目的語と分詞の組み合わせが自然なものであるか確認しましょう。
- 文脈: 文脈によって、現在分詞と過去分詞の使い分けが異なります。
- その他の動詞: make, have, let などの動詞も、目的語の後に分詞を置くことができますが、意味が少し異なります。
まとめ
知覚動詞と分詞の組み合わせは、英語の表現をより豊かにする上で非常に役立ちます。この組み合わせをマスターすることで、より自然な英語を話すことができるようになるでしょう。
分詞の知覚動詞を用いた複雑な例文
1. 分詞構文と組み合わせた例
- Walking down the quiet street, I heard a baby crying softly in the distance.(静かな通りを歩いていると、遠くに赤ちゃんの泣き声がかすかに聞こえた。)
- 分詞構文「Walking down the quiet street」で背景を説明し、知覚動詞「heard」と現在分詞「crying」で具体的な状況を描いています。
- Lost in thought, she didn’t notice the car approaching until she felt a cold wind on her face.(考え事に夢中になっていて、冷たい風が顔にあたるまで近づいてくる車に気づかなかった。)
- 分詞構文「Lost in thought」で彼女の状態を説明し、知覚動詞「didn’t notice」と現在分詞「approaching」で状況の変化を表しています。
2. 複数の分詞を用いた例
- I saw her sitting by the window, reading a book, a thoughtful expression on her face.(私は彼女が窓際に座って本を読んでいるのを見て、考え深い表情をしていることに気づいた。)
- 2つの現在分詞「sitting」と「reading」で彼女の動作を、過去分詞「thoughtful」で彼女の表情を説明しています。
- Hearing the thunder and seeing the lightning, he felt a sense of fear creep into his heart.(雷鳴が聞こえ、稲妻が見えると、彼は心に恐怖感がよぎるのを感じた。)
- 2つの知覚動詞「hearing」と「seeing」に続いて、現在分詞「creeping」を用いて感情の変化を表しています。
3. 仮定法と組み合わせた例
- If I had heard the alarm clock, I would have caught the train.(もし目覚まし時計の音が聞こえていたら、電車に乗れたのに。)
- 仮定法過去完了と知覚動詞「heard」を組み合わせ、過去の状況と結果を表しています。
- Had she seen the danger, she would have run away.(もし危険に気づいていたら、彼女は逃げ出しただろう。)
- 倒置法と知覚動詞「seen」を組み合わせ、過去の状況と結果を強調しています。
4. 抽象的な概念を表す例
- Feeling a sense of accomplishment, he looked back on his achievements with pride.(達成感を感じ、彼は自分の実績を誇らしく振り返った。)
- 抽象的な概念「sense of accomplishment」を主語とし、知覚動詞「felt」と過去分詞「achieved」を用いて表現しています。
5. 比較級・最上級と組み合わせた例
- I’ve never heard her sing so beautifully.(彼女がこんなに美しく歌っているのを聞いたことがない。)
- 最上級「so beautifully」を用いて、歌声の美しさを強調しています。
- She felt more relaxed after taking a long bath.(彼女は長いお風呂に入って、もっとリラックスした気分になった。)
- 比較級「more relaxed」を用いて、状態の変化を表しています。
これらの例文は、分詞の知覚動詞を用いた表現がいかに多様で、複雑な状況や感情を表現できるかを示しています。
演習問題

練習問題
以下の日本語を、分詞の知覚動詞を用いて英語に言い換えてみましょう。
- 私は彼がピアノを弾いているのを聞いた。
- 彼女は彼が怒っているのを感じた。
- 子供たちは鳥が歌っているのを眺めていた。
- 私は彼女が泣いているのを発見した。
- もし彼が危険に気づいていたら、助けを求めただろう。
解答例
- I heard him playing the piano.
- She felt him angry.
- The children watched the birds singing.
- I found her crying.
- If he had noticed the danger, he would have called for help.




