関係代名詞とは⁉
関係代名詞の役割
関係代名詞は、二つの文を一つに繋ぎ、直前の名詞(先行詞)に情報を付け加える形容詞の役割をする代名詞です。この関係代名詞が導く節(関係代名詞節)全体が、先行詞を修飾します。関係代名詞自身が節の中で主語、目的語、または所有格の役割を果たすため、関係代名詞節は必ず不完全な文になります。
先行詞 (名詞)+関係代名詞+不完全な文(関係代名詞節)
関係代名詞の種類と格(役割)
関係代名詞は、先行詞が「人」か「物・事」か、そして節内でどんな「格」(役割)を持つかによって使い分けられます。
| 関係代名詞 | 先行詞 | 節内での役割(格) | 例文の節内での位置 |
| who / that | 人 | 主格 | ⋯ who lives here. (動詞の主語) |
| whom / who / that | 人 | 目的格 | ⋯ whom I met yesterday. (動詞の目的語) |
| which / that | 物・事 | 主格 | ⋯ which is expensive. (動詞の主語) |
| which / that | 物・事 | 目的格 | ⋯ which I bought yesterday. (動詞の目的語) |
| whose | 人・物・事 | 所有格 | ⋯ whose name is Ken. (名詞を修飾) |
1. 主格
節内で主語の役割を果たすため、関係代名詞の後に動詞が続きます。
- The woman who works at the bank is my aunt. (銀行で働いている女性は私の叔母だ。)
- 省略はできませんが、「主格の関係代名詞 + be動詞」はまとめて省略可能です。
2. 目的格
節内で動詞や前置詞の目的語の役割を果たすため、関係代名詞の後に「主語 + 動詞」が続きます。
- The phone which I bought is broken. (私が買った電話は壊れている。)
- 目的格の関係代名詞は、省略することができます。
3. 所有格 (whose)
先行詞と節内の名詞の関係が「〜の」であることを示します。人・物・事の全てに使え、whose の後には必ず名詞が続きます。
- I saw a building whose roof was green. (私は屋根が緑色の建物を見た。)
関係代名詞の特別な用法
1. that の使用
that は、非制限用法(後述)以外では、who や which の代わりに広く使われます。特に以下の場合は that が好まれます。
- 先行詞に最上級や all, only, the first などの限定語が付く場合。
- 先行詞が「人」と「物」の両方を含む場合。
2. 関係代名詞 what
what は、先行詞を含んで「〜すること」または「〜するもの」という意味を表します。
- I don’t know what he is saying. (彼が何を言っているのか分からない。)
- what=the thing(s) which と考えることができます。
3. 制限用法と非制限用法
関係代名詞節は、コンマ(,)の有無で意味が異なります。
| 用法 | 形式 | 意味 | that の使用 |
| 制限用法 (限定) | コンマなし | 先行詞を限定し、文の重要な情報となる。 | 使用可能 |
| 非制限用法 (補足) | コンマあり | 先行詞についての補足情報を付け加える。 | 使用不可 |
- 非制限用法の例: I gave the book to John, who gave it back to me. (私はその本をジョンにあげたが、彼はそれを私に返した。)
- 非制限用法では、情報を順に補足していくため、「そして、彼は〜」のように訳すのが自然です。
関係代名詞の所有格とは⁉
1. 所有格の関係代名詞 whose の基本
whose は、「〜の」という意味で、先行詞と、関係代名詞節内の名詞を繋ぎます。この用法が、whose の最も一般的な使い方です。

先行詞 (人・物・事)+whose+名詞+動詞+⋯
- whose の直後には、必ず所有される側の名詞(whose が修飾する名詞)が続きます。
- whose は、人にも物・事にも使えます。
- whose は省略できません。
| 先行詞 | 例文 | 和訳 |
| 人 | I saw a man whose dog was running. | 私は犬が走っている男性を見た。 |
| 物 | This is the castle whose roof is red. | これが屋根が赤い城です。 |
2. whose が導く節の構造の特性
主格や目的格の関係代名詞が導く節は、主語や目的語が欠けた「不完全な文」になるのに対し、whose が導く節は完全な文になる傾向があります。
これは、whose が節内で形容詞的に働き、直後の名詞と一体となって(whose + 名詞)節の主語や目的語の役割を果たすためです。
- 主語になる場合: The student whose namewas called went to the stage.
- →whose name が節の主語 (S)、was called が動詞 (V)。文として完結しています。
3. whose の別表現:of which (物の場合)
先行詞が物の場合に限って、whose の代わりに of which を使って所有格を表すことも可能です。ただし、この表現は非常にフォーマルで、日常会話ではほとんど使われません。
この場合、of which の後には、定冠詞 the が必要です。
| 所有格の形 | 例文 |
| whose の形 | The book whose cover is red is mine. |
| of which の形 | The book of which the cover is red is mine. |
whose は、人・物共通で使えて文構造もシンプルになるため、現代英語では最も推奨される所有格です。
4. 非制限用法での whose
whose は、コンマ(,)を伴う非制限用法でも使われます。この場合も、whose は省略できません。
- I introduced my friend to her, whose father is a famous artist.
- (私は彼女に友達を紹介したのですが、その友達の父親は有名な芸術家なのです。)
関係代名詞の所有格「whose」が効果的に使われているドラマのシーン
関係代名詞の所有格「whose」 は、ドラマの中で、登場人物の関係性や特徴をより鮮やかに描き出すために頻繁に使われます。ここでは、いくつかのドラマのシーンを例に、whose の具体的な使い方と、その効果について解説します。

ドラマのシーン例
1. 「フレンズ」
- シーン: モニカが、ロスの新しい恋人のことをチャンドラーに話すシーン。
- セリフ: “You’ll never guess who Ross is dating now. It’s a girl whose brother went to high school with us.” (ロスが今デートしている子が誰かわかる?高校で私たちと一緒にいた男の子の妹なんだ。)
- 効果: ロスの新しい恋人が、登場人物たちと間接的につながっていることを示し、今後のストーリー展開への期待感を高めます。
2. 「スーツ」
- シーン: ハーヴィーが、新しいクライアントを紹介するシーン。
- セリフ: “This is Mr. Tanaka, whose company is a major player in the tech industry.” (こちらは田中さんです。彼の会社はテック業界の大手企業です。)
- 効果: クライアントの重要性を強調し、ビジネスシーンらしいフォーマルな表現として使われています。
3. 「グレイズ・アナトミー」
- シーン: メレディスが、デリックについて他の医師に話すシーン。
- セリフ: “Derek is the doctor whose wife died in the plane crash.” (デレクは、あの飛行機事故で妻を亡くした医者です。)
- 効果: デレクの過去と現在の状況を結びつけ、キャラクターの深みを出しています。
4. 「ゲーム・オブ・スローンズ」
- 特徴: ファンタジー世界を舞台にした壮大なドラマ。登場人物間の複雑な関係性が特徴。
- 例: 「The dragon whose mother was Daenerys Targaryen soared over the city.」 (デナーリス・ターガリエンを母に持つドラゴンが都市の上空を舞い上がった。)
- 解説: ドラゴンと母親の関係性を明確にし、物語に神秘的な要素を加えています。
5. 「ハウス・オブ・カード」
- 特徴: 政治サスペンスドラマ。登場人物たちの野心と陰謀が渦巻く。
- 例: “The senator whose campaign was funded by the oil industry voted against the environmental bill.” (石油業界から資金提供を受けていた上院議員は、環境保護法案に反対票を投じた。)
- 解説: 政治家と資金提供者の関係性を示し、政治における金銭の影響力を暗示しています。
6. 「シャーロック」
- 特徴: 現代版シャーロック・ホームズの推理ドラマ。
- 例: “The victim was a famous scientist whose research was groundbreaking.” (被害者は、画期的な研究を行っていた有名な科学者だった。)
- 解説: 被害者の職業と業績を結びつけ、事件の背景を説明しています。
その他のドラマで「whose」が使われるシーン
- 医療ドラマ: 医師の患者、患者の家族など、人物間の関係性を説明する際に頻繁に使われます。
- 警察ドラマ: 容疑者、被害者、目撃者など、事件に関わる人物の関係性を説明する際に使われます。
- 恋愛ドラマ: 恋人、友人、家族など、登場人物の個人的な関係性を説明する際に使われます。
ドラマを観る際のポイント
- 会話に集中する: 登場人物の会話に注意を払い、whose がどのように使われているかを観察しましょう。
- 文脈を把握する: whose が使われている文脈を理解することで、その意味をより深く理解できます。
- 他の表現と比較する: whose の代わりに、どのような表現が使えそうか考えてみましょう。
ドラマで「whose」を使う効果
- 登場人物の背景説明: 人物の家族関係、職業、過去の出来事などを簡潔に説明できます。
- 登場人物間の関係性: 人物同士の繋がりや、共通の知り合いなどを示すことで、物語に奥行きを与えます。
- 物事の特定: 特定の物や場所の特徴を明確にすることで、状況を具体的に描写できます。
- ドラマティックな効果: 不意に whose を使うことで、視聴者に驚きや感動を与えることができます。
ドラマを観る際のポイント
ドラマを観るときは、以下の点に注目して、whose がどのように使われているかを観察してみてください。
- whose の前にくる先行詞: 人、動物、物など、どのようなものが先行詞になっているか。
- whose の後の名詞: 先行詞のどのような特徴や関係性を表しているか。
- 文脈: その場面で、whose を使うことでどのような効果が生まれているか。
練習問題
次の日本語を、関係代名詞の所有格「whose」を使って英語に直してみましょう。
- 私は昨日、本を買った。その本の作者は有名です。
- 彼女は犬を飼っています。その犬の名前はラッキーです。
- 彼は車を買いました。その車の色は赤色です。
解答例
- I bought a book whose author is famous.
- She has a dog whose name is Lucky.
- He bought a car whose color is red.
まとめ
関係代名詞の所有格「whose」は、ドラマの中で、登場人物や状況をより豊かに表現するために欠かせない要素です。ドラマを観る際には、whose に注目することで、英語学習にも役立ちます。ぜひ、様々なドラマで whose を探して、その使い方をマスターしてみてください。
さらに練習したい場合は、
- 字幕付きのドラマ を観ながら、whose が使われている場面を書き出してみましょう。
- 英語学習用のドラマ を利用して、whose の使い方を学んでみましょう。
関係代名詞の所有格に関する練習問題に挑戦しよう

問題
英文和訳(以下の英文を和訳しなさい)
- I met a man whose wife is a famous novelist.
- The company whose logo is a blue star is very successful.
- The young woman whose painting won the prize is my sister.
- This is the city whose history dates back to the Roman Empire.
- He is the writer whose novels I enjoy reading the most.
- We stayed in a hotel whose view of the ocean was magnificent.
- I bought a table whose legs were slightly damaged.
- The professor whose research was published yesterday gave a lecture.
- She is looking for a dog whose color is entirely white.
- Do you know the family whose house was sold last month?
解答
英文和訳
- 私は妻が有名な小説家である男性に会いました。
- ロゴが青い星であるその会社は、非常に成功しています。
- 絵画が賞を取った若い女性は、私の妹です。
- これは歴史がローマ帝国時代に遡る都市です。
- 彼は小説を私が最も楽しく読む作家です。
- 私たちは海の眺めが素晴らしいホテルに泊まりました。
- 私は脚が少し損傷しているテーブルを買いました。
- 研究が昨日発表された教授が講演を行いました。
- 彼女は色が完全に白である犬を探しています。
- あなたは家が先月売られた家族を知っていますか。
和文英訳(以下の日本語を関係代名詞の所有格を使って英訳しなさい)
- 彼は目が青い男の子だ。
- 私は屋根が赤い家を買った。
- 彼女は父親が医者である友達を持っている。
- 私たちは、終わり方が驚くべき本を読んだ。
- 彼は、仕事が非常に難しい人物だ。
- 私は声が美しい歌手に会った。
- これは、ページが破れているノートだ。
- 生徒たちがとても熱心な先生が私たちを指導した。
- 私は値段が高すぎる車は欲しくない。
- 彼らは、名前が知られていない会社を設立した。
解答
和文英訳
- He is a boy whose eyes are blue.
- I bought a house whose roof is red.
- She has a friend whose father is a doctor.
- We read a book whose ending was surprising.
- He is a person whose job is very difficult.
- I met a singer whose voice is beautiful.
- This is a notebook whose pages are torn.
- The teacher whose students are very keen guided us.
- I don’t want a car whose price is too high.
- They established a company whose name is unknown.




