分詞について確認しよう
分詞は、動詞の形を変えて形容詞や副詞として働く品詞です。主に現在分詞と過去分詞の2種類があり、これらを使いこなすことで、文の表現力が豊かになります。
現在分詞(-ing)
現在分詞は、動詞の原形に-ing
をつけた形です。「〜している」という能動や進行中の意味を表します。
- 形容詞として: 名詞を修飾します。
a **sleeping** baby
(眠っている赤ちゃん)the boy **running in the park**
(公園で走っている少年)- 他の語句を伴う場合は、名詞の後ろに置かれます。
- 分詞構文として: 文の冒頭や末尾に置かれ、原因や理由、時間などを表します。
**Walking** along the street, I found a wallet.
(通りを歩いていると、財布を見つけた。)
過去分詞(-ed)
過去分詞は、動詞の原形に-ed
をつけた形(不規則変化も含む)で、「〜された」という受動や完了の意味を表します。
- 形容詞として: 名詞を修飾します。
a **broken** chair
(壊れた椅子)the cake **made by my sister**
(姉によって作られたケーキ)- 他の語句を伴う場合は、名詞の後ろに置かれます。
- 分詞構文として: 文全体に意味を付け加えます。
**Written** in simple English, the book is easy to understand.
(簡単な英語で書かれているので、その本は理解しやすい。)
感情を表す分詞の注意点
感情を表す動詞(surprise
, excite
, bore
など)の分詞は、意味が大きく異なるため注意が必要です。
- 現在分詞(-ing): 「〜させるような」という感情の原因を表します。
a **boring** movie
(退屈な映画)- 映画が退屈な気持ちを引き起こす。
- 過去分詞(-ed): 「〜させられた」という感情の状態を表します。
a **bored** student
(退屈している生徒)- 生徒が退屈な気持ちになっている。
受動態を確認しよう
受動態は、**「〜される」**という意味を表す文法形式です。動作を行う人(主語)ではなく、動作の対象となるものを主役にしたいときに使います。

受動態の基本的な形
受動態は、be動詞 + 過去分詞 の形で表されます。
- be動詞: 主語と時制に合わせて形が変わります(am, is, are, was, wereなど)。
- 過去分詞: 動詞の3番目の形です。
基本文型:
- 能動態:
主語 + 動詞 + 目的語
- 受動態:
目的語 + be動詞 + 過去分詞 + by + 主語
例文:
- 能動態:
My mother
made
this cake.
(母がこのケーキを作った。) - 受動態:
This cake
was made
by my mother.
(このケーキは母によって作られた。)
この例では、能動態の目的語 this cake
が受動態の主語になり、能動態の主語 my mother
は by
の後に置かれます。
受動態を使う理由
受動態を使う主な理由は以下の通りです。
- 動作を行った人が不明、または重要でないとき:
The window **was broken** last night.
(窓が昨夜割られた。)- 誰が割ったかは重要ではありません。
- 動作の対象を強調したいとき:
This book **was written** by a famous author.
(この本は有名な作家によって書かれた。)- 本そのものに焦点を当てたい場合に使います。
- 一般的な事実やルールを述べるとき:
English **is spoken** in many countries.
(英語は多くの国で話されている。)- 特定の誰かではなく、一般的な事実を述べています。
受動態にできない動詞
自動詞は目的語を持たないため、受動態にすることはできません。
arrived
(到着した)やslept
(寝た)のような自動詞は、動作が主語だけで完結するため、受動態の形にはなりません。- 正:
The train arrived at the station.
- 誤:
The station was arrived at by the train.
分詞構文を確認しよう
分詞構文は、分詞(現在分詞 -ing
または過去分詞 -ed
)を使って副詞節を簡潔にまとめたものです。主節の動詞の動作に、時間、理由、条件、譲歩、付帯状況などの意味を付け加える役割があります。

使い方
分詞構文は、主に以下のルールで作られます。
- 接続詞を消す:
when
,because
,if
,though
などの接続詞を消します。 - 主語が同じなら消す: 主節と従属節の主語が同じ場合、従属節の主語を消します。
- 動詞を分詞にする: 従属節の動詞を分詞(
-ing
または-ed
)に変えます。
例文:
- 元の文:
Because he was tired, he went to bed early.
- 分詞構文:
Being tired, he went to bed early.
(疲れていたので、彼は早く寝た。)
- 分詞構文:
「Being tired
」は「疲れていたので」という理由を表す副詞句として機能しています。また、Being
は省略されることも多く、Tired, he went to bed early.
となることも一般的です。
分詞構文が表す意味
分詞構文は、文脈によって様々な意味を表します。
- 時(〜する時、〜した後):
**Walking** down the street, I found a wallet.
(通りを歩いている時、財布を見つけた。)
- 理由(〜なので):
**Having finished** my homework, I went out.
(宿題を終えたので、私は出かけた。)
- 付帯状況(〜しながら):
She sat on the bench, **reading** a book.
(彼女はベンチに座り、本を読んでいた。)
- 条件(もし〜なら):
**Turning** to the right, you will see the station.
(右に曲がると、駅が見えます。)
- 譲歩(〜だが):
**Feeling** sick, he went to work.
(気分が悪かったが、彼は仕事に行った。)
分詞構文は、文をより簡潔かつ流暢にするために非常に役立つ文法です。
完了分詞と受動態
時間的な前後関係をより明確にしたい場合や、受動態の意味を含ませたい場合は、完了分詞や受動態分詞を使います。
- 完了分詞(
having + 過去分詞
): 主節の動作より前の動作を表します。**Having written** the letter, she mailed it.
(手紙を書いた後、彼女はそれを投函した。)
- 受動態分詞(
be動詞 + 過去分詞
を分詞構文化):**Written** in simple English, the book is easy to understand.
(簡単な英語で書かれているので、その本は理解しやすい。)**Having been invited** to the party, I went there.
(パーティーに招待されたので、そこに行った。)
迷惑の受け身を表す分詞について
「迷惑の受け身」という状況を表す際に、英語では主に過去分詞を用います。
過去分詞は、動作の「受け身」や「完了」を表すため、何か迷惑なことを「された」という状況を自然に表現できます。
例文
- A disturbed sleep: 妨げられた睡眠(睡眠を妨げられた)
- An annoyed customer: いらつかされた顧客(顧客が怒らされた)
- A damaged car: 損傷した車(車が損傷させられた)
- A polluted river: 汚染された川(川が汚染された)
分詞構文での使用例
- Disturbed by the noise, I couldn’t sleep. (騒音に邪魔されて、眠ることができなかった。)
- Surprised by the sudden noise, she jumped. (突然の物音に驚いて、彼女は跳ね上がった。)
さらにニュアンスを出す表現
- Being + 過去分詞: より強調された受動の意味を表します。
- Having been + 過去分詞: 過去に完了した受動的な状態を表します。
- Being disturbed by the noise, I had to wear earplugs. (騒音に邪魔されて、耳栓をしなければならなかった。)
- Having been damaged in the accident, the car was beyond repair. (事故で損傷していたため、その車は修理不能だった。)
その他の表現
- get + 過去分詞: 「~される」「~してしまう」などの意味を表し、特に不快な出来事を強調する場合に使われます。
- I got caught in the rain. (雨に降られてしまった。)
注意点
- 過去分詞の選択: 状況に合わせて適切な過去分詞を選びましょう。例えば、「邪魔される」はdisturbed、「驚かされる」はsurprisedなど、動詞の意味によって過去分詞も変わります。
- 文脈: 分詞構文を使う際は、文脈に合うように適切な位置に置きましょう。
まとめ
迷惑な受け身を表すには、過去分詞が非常に有効です。分詞構文と組み合わせることで、より自然な英語表現になります。
例文で練習してみましょう
以下の日本語を、過去分詞を用いて英語に言い換えてみましょう。
- 彼は迷惑な電話を受けた。
- 彼女は不当な扱いを受けた。
- 盗まれた財布
- 汚された服
解答例
- He received an annoying call. または He received a disturbing call.
- She was treated unfairly.
- A stolen wallet.
- A soiled clothes.
分詞構文に関する練習問題に挑戦しよう

問題
英文和訳(以下の英文を和訳しなさい)
- Walking down the street, I found a ten-dollar bill.
- Having finished my homework, I went out to play.
- Written in simple English, the book is easy to understand.
- Not knowing what to say, she remained silent.
- Looking at the map, we found our way to the station.
- The door was locked, forcing me to wait outside.
- Having been invited to the party, I felt very happy.
- Being a student, I don’t have much money.
- He sat at his desk, working on his report.
- Seen from a distance, the building looks like a castle.
和文英訳(以下の日本語を分詞構文を使って英訳しなさい)
- 疲れていたので、私は早く寝た。
- 宿題を終えた後、私はゲームをした。
- パスポートを持っていなかったので、彼女は海外旅行に行けなかった。
- 右に曲がると、銀行が見えます。
- 大声で叫びながら、彼は走っていった。
- その知らせを聞いて、彼は泣いた。
- 車を修理してもらったので、彼は安心した。
- 簡単な英語で書かれているので、その手紙は理解しやすい。
- 後ろを振り返ると、彼が立っているのが見えた。
- 庭で遊んでいる間、子どもたちは楽しそうだった。
解答
英文和訳
- 通りを歩いていると、10ドル札を見つけた。
- 宿題を終えたので、遊びに出かけた。
- 簡単な英語で書かれているので、その本は理解しやすい。
- 何を言ったらいいか分からなかったので、彼女は黙ったままだった。
- 地図を見ながら、私たちは駅への道を見つけた。
- ドアは鍵がかかっていたので、私は外で待たざるを得なかった。
- パーティーに招待されたので、私はとても嬉しく感じた。
- 学生なので、私はあまりお金を持っていない。
- 彼は机に座って、レポートを作成していた。
- 遠くから見ると、その建物は城のように見える。
和文英訳
- Being tired, I went to bed early.
- Having finished my homework, I played a game.
- Not having a passport, she couldn’t travel abroad.
- Turning to the right, you will see the bank.
- Shouting loudly, he ran away.
- Hearing the news, he cried.
- Having had his car repaired, he felt relieved.
- Written in simple English, the letter is easy to understand.
- Looking back, I saw him standing there.
- Playing in the garden, the children looked happy.