仮定法(Subjunctive Mood)について知ろう
ここは英語学習者が**「最もつまずきやすく、でも一番ロマンチックで面白い」**分野です。
なぜなら、仮定法は事実を伝えるのではなく、「妄想」「願い」「後悔」という「頭の中の世界」 を描く魔法の文法だからです 💭✨
be動詞や一般動詞のルールが分かっていれば、あとは**「時(とき)をずらす感覚」**さえ掴めば攻略できます!
1. 仮定法の正体: 「現実逃避」の文法 🏃💨
まず、この2つの違いを見てください。
- 直説法(いつもの文):
- If it rains tomorrow, I will stay home.
- (もし明日雨なら、家にいます。)
- ➡ ありえる話(現実)。天気予報を見て言っています。
- 仮定法(妄想の文):
- If I were a bird, I could fly to you.
- (もし私が鳥なら、あなたの所へ飛んで行けるのに。)
- ➡ ありえない話(妄想)。人間は鳥になれません。
💡 核心ルール:
「現実離れ」していることを示すために、動詞を過去形にして「時間的な距離」を置きます。
- 今の妄想 $\rightarrow$ 形だけ過去にする。
- 昔の妄想 $\rightarrow$ 形だけ**もっと過去(大過去)**にする。
2. パターン①:仮定法過去 (今の妄想) 💭
「今、〜だったらなぁ(でも実際は違う)」 という時に使います。
形は過去形ですが、意味は**「現在」**です。ここがポイント!
📜 公式
$$\text{If } S + \textbf{過去形}, \ S + \textbf{助動詞の過去形} (would/could) + \text{原形}$$
例文
- If I had money, I would buy a car.
- (もし(今)お金があれば、車を買うのになぁ。)
- 現実:今、お金がないから買えない。
- If I were you, I would not do that.
- (もし私があなたなら、そんなことはしないよ。)
- 現実:私はあなたではない。
⚠️ 注意点:
be動詞の過去形は、主語が何であっても were を使うのが正式なルールです。
(I was… と言うネイティブもいますが、テストでは I were / He were が正解!)
3. パターン②:仮定法過去完了 (昔の後悔) 😢
「あの時、〜だったらよかったのになぁ(でも実際は違った)」 という過去の失敗や後悔を話す時に使います。
過去よりもさらに前の形(完了形)を使います。
📜 公式
$$\text{If } S + \textbf{had p.p.}, \ S + \textbf{助動詞の過去形} + \textbf{have p.p.}$$
例文
- If I had studied harder, I would have passed the test.
- (もし(あの時)もっと勉強していたら、試験に受かったのになぁ。)
- 事実:あの時サボったから、落ちた。
- If I had known the truth, I could have helped her.
- (もし(あの時)真実を知っていたら、彼女を助けられたのに。)
- 事実:知らなかったから、助けられなかった。
4. 図解:時制の「バックシフト(後退)」 🔙
この図を見てイメージを掴んでください。
「現実とは違う話だよ!」というサインを送るために、わざと時制を一つ昔にずらします。
| 言いたいこと(意味) | 使う動詞の形 | 文法の名前 |
| 現在 の妄想 (今〜ならなあ) | 過去形 (If I played…) | 仮定法過去 |
| 過去 の妄想 (あの時〜だったらなあ) | 過去完了形 (If I had played…) | 仮定法過去完了 |
5. もう一つの主役: I wish… (〜ならいいのに) 🙏
If を使わない仮定法もあります。「〜ならいいのになあ」という願望です。
- I wish I were a cat. 🐈
- (私が猫だったらいいのになあ。)
- 実際は人間。今の無い物ねだりなので「過去形」。
- I wish I had eaten breakfast. 🥐
- (朝ごはんを食べておけばよかったなあ。)
- 実際は食べなかった。昔の後悔なので「過去完了形」。
まとめ:仮定法は「現実との距離感」 📏
- 現実にありえること $\rightarrow$ 普通の現在形 (If it rains…)
- 今のありえない妄想 $\rightarrow$ 過去形 (If I were…)
- 昔の変えられない後悔 $\rightarrow$ had + p.p. (If I had been…)
この「形のズレ」さえ理解できれば、仮定法は怖くありません!
仮定法のwereについて知ろう
実はこの 「were」 こそが、英語ネイティブが「あ、これは現実の話じゃないな(妄想だな)」と瞬時に判断する最大の目印(サイン) なのです。
なぜ「I was」じゃなくて「I were」なのか? その謎と使い方を詳しく解説しますね 🧐✨
1. 鉄の掟: 「主語が誰でも were になる!」 👥
普通の過去形(be動詞)と、仮定法の世界を比べてみましょう。ここが一番の衝撃ポイントです。
| 主語 | 普通の過去形 (現実) | 仮定法過去 (妄想) |
| I | I was | If I were … |
| He / She / It | He was | If he were … |
| You / We / They | You were | If you were … |
💡 ルール:
仮定法(現在の妄想)の世界では、主語が単数だろうが複数だろうが、すべて「were」に統一されます。
- ❌ If I was a bird…
- ⭕ If I were a bird… (もし私が鳥なら…)
2. なぜ was じゃなくて were なの? 🤔
これには 「現実との距離感」 が関係しています。
- was は、日常で使う「普通の過去」です。リアリティがあります。
- were は、普段「I」や「He」とはくっつかない言葉ですよね?
あえて相性の悪い 「I were」 や 「He were」 という**「不自然な形」**を作ることで、
「これは現実じゃないよ! 異次元の話だよ!」
という強烈な違和感(サイン)を出しているのです。
3. そのまま覚える! 定番フレーズ 📚
理屈よりも、セットで覚えてしまったほうが使える表現がいくつかあります。
① 究極のアドバイス: If I were you…
「もし私があなただったら(…するのに)」
相手の立場になってアドバイスする時の決まり文句です。
- If I were you, I would buy it.
- (私だったら、それ買うけどなぁ。)
- If I were you, I wouldn’t go there.
- (私だったら、そこには行かないよ。)
② ないものねだり: I wish I were…
「(実際は違うけど)〜だったらいいのになあ」
- I wish I were taller.
- (もっと背が高ければいいのに。)
- I wish it were sunny.
- (晴れていればいいのになあ。)※天気も it were
4. 「was」を使っちゃダメなの? (重要) ⚠️
実は、最近の英語(特に日常会話やポップソング)では、「If I was…」 もよく使われます。
- 会話・カジュアル: If I was a bird… (全然通じますし、よく聞きます)
- 書き言葉・テスト・公式: If I were a bird… (こちらが正解!)
学習者の戦略:
- 自分で書く時・テストの時 $\rightarrow$ were を使う(減点されないために)。
- 会話で相手が was と言った時 $\rightarrow$ 「ああ、カジュアルに言ってるんだな」と理解する。
これでOKです!👌
5. 上級テクニック: 「If」を消す魔法 (倒置) 🎩
文語(硬い文章)では、かっこつけて If を省略し、その代わりに Were を前に出すことがあります。これを見たら「仮定法だ!」と気づいてください。
- If I were a bird, I would fly to you.
- ⬇ (If を消して Were を前に!)
- Were I a bird, I would fly to you.
- (意味は全く同じです)
まとめ
- 仮定法の世界では、I も He もみんな were!
- あえて変な形にすることで**「妄想中」の看板**を出している。
- “If I were you”(私だったらなあ)は口癖になるくらい練習しよう!
仮定法とは?
仮定法とは、現実とは異なる状況や、ありえないことを仮定して話すときに使う文法です。つまり、「もし~だったら…」というような、反事実的な状況を表すために使われます。
wereの使い方
仮定法の文で最もよく使われるのが「were」です。通常、be動詞の過去形は「was/were」ですが、仮定法の文では、主語が単数・複数にかかわらず、常に「were」を使います。
主なパターン
- If I were you, I would study harder.(もし私があなただったら、もっと一生懸命勉強するだろう。)
- If she were here, she would help us.(もし彼女がここにいたら、彼女は私たちを助けてくれるだろう。)
wereを使う理由
- 非現実的な状況を表す: 「were」を使うことで、現在の状況が現実と異なっている、つまり非現実的な状況であることを明確に示します。
- 願望や仮定を表す: 「もし~だったら、…」という願望や仮定を表すときに、「were」を用いることで、より強くその気持ちを表現することができます。
wereを使った仮定法のその他の表現
- I wish I were a bird.(私が鳥だったらなあ。)
- If only I were taller.(もっと背が高かったらなあ。)
これらの文は、現在の状況への不満や、叶わない願望を表しています。
日常生活で使える例文
- もし私が鳥だったら、空を自由に飛び回りたい。
- If I were a bird, I would fly freely in the sky.
- もし私が君だったら、もっと自信を持つだろう。
- If I were you, I would be more confident.
- もし私がお金持ちだったら、世界一周旅行をするだろう。
- If I were rich, I would travel around the world.
- もし私がもっと早く起きたら、朝食をゆっくり食べることができるのに。
- If I got up earlier, I could have a leisurely breakfast.
過去のことについての仮定
- もし昨日雨が降っていなければ、ピクニックに行けたのに。
- If it hadn’t rained yesterday, we could have gone on a picnic.
- もし私がそのパーティーに行っていたら、彼に会えたかもしれない。
- If I had gone to the party, I might have met him.
未来のことについての仮定
- もし明後日雨が降ったら、試合は中止になるだろう。
- If it rains the day after tomorrow, the game will be canceled.
- もし私が試験に合格したら、パーティーを開くつもりだ。
- If I pass the exam, I’ll have a party.
願望を表す表現
- 私がもっと背が高かったらなあ。
- I wish I were taller.
- 彼女がここにいたらいいのに。
- I wish she were here.
少し変わった表現
- もし私がスーパーヒーローだったら、世界を救いたい。
- If I were a superhero, I would save the world.
- もし私が動物と話せたら、どんなことを話すだろう。
- If I could talk to animals, I wonder what they would say.
ポイント
- 「if」の後に「were」を使う: 仮定法過去では、if節の動詞は「were」を使います。
- 主節の動詞は「would」「could」「might」などを使う: 主節では、would, could, mightなどの助動詞を使って、仮定の結果を表します。
- 過去のことについて仮定する場合: 「had + 過去分詞」の形を使います。
- 未来のことについて仮定する場合: 通常の未来形を使いますが、不確かな未来を表現する場合には「would」を使うことがあります。
練習問題
以下の文を日本語に訳してみましょう。
- If I were a bird, I could fly.
- I wish I were taller.
- If it were not raining, we would go for a walk.
解答
- もし私が鳥だったら、飛べるのに。
- もっと背が高かったらなあ。
- もし雨が降っていなければ、散歩に行くのに。
仮定法wereに関する問題に挑戦しよう
仮定法過去の「were」に特化した特訓ドリルですね!
「主語が何であっても were を使う」というルールと、「現実ではない(妄想)」というニュアンスをしっかり意識して解いてみてください。
特に、「〜ならいいのに (I wish)」 や 「まるで〜かのように (as if)」 も頻出パターンなので混ぜています。
第1部:和文英訳(日本語 $\rightarrow$ 英語) 🇯🇵➡🇺🇸
次の日本語を英語に直してください。(※be動詞はすべて were を使ってください)
- もし私があなたなら、そのオファー(offer)を受けけるでしょう。
- もし彼がここにいれば、私たちを手伝ってくれるのに。
- 私がもっと賢ければいいのになあ。(I wishを使って)
- もし私が鳥なら、あなたのところへ飛んでいけるのに。
- もし明日が晴れなら、私たちは釣りに行けるのに。(itを使って)
- 彼女はまるで病気であるかのように見えます。(as ifを使って)
- もし私がもっとお金持ちなら、世界中を旅行するのに。
- もしあなたの助けがなければ、私は失敗するでしょう。(If it … for … を使って)
- 今日は日曜日だったらいいのになあ。(I wishを使って)
- もし彼女が私の先生なら、もっと一生懸命勉強するのに。
第2部:英文和訳(英語 $\rightarrow$ 日本語) 🇺🇸➡🇯🇵
次の英語を日本語に直してください。
- If I were you, I would not say such a thing.
- I wish I were a little taller.
- If he were free today, he could go with us.
- She talks as if she were a queen.
- If it were not for water, we could not live.
- Were I a millionaire, I would buy a castle. (※倒置)
- If my house were closer to the station, it would be convenient.
- I wish it were Christmas today.
- If she were not busy, she would join the party.
- What would you do if you were me?
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⬇️ スクロールして答え合わせ ⬇️
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✅ 解答と解説
第1部:和文英訳 答え
- If I were you, I would accept the offer.
- 定番の「If I were you(私なら)」です。
- If he were here, he would help us.
- 主語が He でも were を使います。
- I wish I were smarter. (または wiser / more intelligent)
- ないものねだりの I wish I were 〜。
- If I were a bird, I could fly to you.
- 「飛んでいける(能力)」なので would ではなく could が自然です。
- If it were sunny tomorrow, we could go fishing.
- 天気の主語は It。未来の話でも「ありえない妄想」なら仮定法過去を使えます。
- She looks as if she were sick. (または ill)
as if S were ...で「まるで〜であるかのように」。
- If I were rich, I would travel around the world.
- (実際はお金持ちではない、というニュアンス)
- If it were not for your help, I would fail.
If it were not for 〜=「もし〜がなければ」。丸暗記推奨の重要構文です!
- I wish it were Sunday today.
- 日付・曜日の主語も It です。
- If she were my teacher, I would study harder.
- study harder = もっと一生懸命勉強する。
第2部:英文和訳 答え
- もし私があなたなら、そんなことは言わないでしょう。
- would not = 〜しないだろう。
- もう少し背が高ければいいのになあ。
- 実際はそうではない、というコンプレックスや願望を表します。
- もし彼が今日暇なら、私たちと一緒に行けるのに。
- could go = 行くことができる。
- 彼女はまるで女王様であるかのように話します。
- 実際は女王ではありません。
- もし水がなければ、私たちは生きられないでしょう。
- If it were not for 〜(〜がなければ)。
- もし私が億万長者なら、お城を買うのに。
- Were I … は
If I were ...の If を省略してひっくり返した形(倒置)です。かっこいい言い方です。
- Were I … は
- もし家がもっと駅に近ければ、便利なのになあ。
- My house が主語でも、動詞は were。
- 今日がクリスマスならいいのになあ。
- 楽しいことを待ち望む気持ちです。
- もし彼女が忙しくなければ、パーティーに参加するだろうに。
- 否定文
were notのパターン。
- 否定文
- もしあなたが私なら、どうしますか(何をしますか)?
- 相手にアドバイスを求める時の決まり文句です。




