関係代名詞とは?
関係代名詞は、二つの文を一つに繋ぎ、先行詞(直前の名詞)に情報を付け加える形容詞の役割をする代名詞です。文の構造を複雑にすることなく、名詞を修飾する長い句(関係代名詞節)を作ることができます。
1. 関係代名詞の基本
関係代名詞には、**先行詞(人か物か)と関係代名詞節内での役割(主格か目的格か所有格か)**によって使い分けがあります。
| 関係代名詞 | 先行詞 | 役割(節内) | 例文の節内での位置 |
| who / that | 人 | 主格 | ⋯ who lives here. (動詞の主語) |
| whom / who / that | 人 | 目的格 | ⋯ whom I met yesterday. (動詞の目的語) |
| which / that | 物・事 | 主格 | ⋯ which is expensive. (動詞の主語) |
| which / that | 物・事 | 目的格 | ⋯ which I bought yesterday. (動詞の目的語) |
| whose | 人・物・事 | 所有格 | ⋯ whose name is Ken. (名詞を修飾) |
関係代名詞節の構造
関係代名詞が導く節(⋯)は、必ず不完全な文になります。これは、関係代名詞自身がその節の中で主語、目的語、あるいは所有格の役割を果たしているためです。
- 主格: 関係代名詞の後に動詞が続きます。主語が欠けている。
- The man who lives next door is kind.
- 目的格: 関係代名詞の後に「主語 + 動詞」が続きます。目的語が欠けている。
- This is the book which I bought yesterday.
2. 主な関係代名詞の詳細
(1) 主格の関係代名詞 (who / which / that)
先行詞の直後に置き、関係詞節内で主語として働きます。この場合、関係代名詞は省略できません。
- 人: I know the girl who works at the cafe. (カフェで働いている女の子を知っている。)
- 物: I lost the key that opened the door. (そのドアを開ける鍵をなくした。)
(2) 目的格の関係代名詞 (whom / which / that / 省略)
先行詞の直後に置き、関係詞節内で目的語として働きます。目的格の関係代名詞は、省略することができます。
- 人: She is the friend whom I met in Tokyo.
- → She is the friend ( ) I met in Tokyo. (省略可能)
- 物: The phone which I bought last month is broken.
- → The phone ( ) I bought last month is broken. (省略可能)
(3) 所有格の関係代名詞 (whose)
人にも物・事にも使われ、「〜の」という意味で先行詞と節内の名詞を繋ぎます。whose の後には必ず名詞が続きます。
- I saw a man whose dog was very big. (私は犬がとても大きい男性を見た。)
- I read a book whose ending was surprising. (私は終わり方が驚きである本を読んだ。)
3. 関係代名詞の重要なポイント
(1) that の特徴
that は、who や which の代わりに使うことができますが、以下の点に注意が必要です。
- 制限用法でのみ使用可能: 後述の非制限用法(コンマを使う場合)では使えません。
- 使われやすいケース: 先行詞が「人 + 物」の場合や、先行詞が最上級、
all,only,the firstなどの語句を伴う場合に好んで使われます。
(2) 関係代名詞 what
what は、先行詞を含んで「〜すること」または「〜するもの」という意味を表します。
- what=the thing(s) which
- 例文: I don’t know what he said. (彼が言ったことが分からない。)
- この場合、
what自身が「彼が言ったもの」という名詞の塊を作ります。
- この場合、
(3) 制限用法と非制限用法
関係代名詞節には、コンマ(,)を使うか使わないかで意味が異なります。
| 用法 | 形式 | 意味 |
| 制限用法 (限定) | コンマなし | 先行詞を限定し、文の重要な情報となる。 |
| 非制限用法 (補足) | コンマあり | 先行詞についての補足情報を付け加える。 |
- 制限用法:
I have a brother who lives in Tokyo.(私には東京に住んでいる一人の弟がいる。→ 他の弟もいるかもしれない。) - 非制限用法:
I have a brother, who lives in Tokyo.(私には弟が一人いて、彼は東京に住んでいる。→ 弟が一人しかいないことが暗に示される。)- 非制限用法では、
thatは使えません。 - 非制限用法は、文頭から情報を順に補足していくため、**「そして彼は〜」「しかしそれは〜」**のように訳すのが自然です。
- 非制限用法では、
関係代名詞の主格について
関係代名詞の主格とは?
関係代名詞の主格とは、**先行詞(関係代名詞が説明する名詞)**について、その名詞が何かをしているということを示すときに使います。

例:
- The man who is standing there is my father. (あそこに立っている男性は私の父です。)
この文で、「who is standing there」の部分が関係代名詞節で、関係代名詞の「who」は「man」という先行詞の主語になっています。つまり、「man」が「立っている」という動作をしていることを示しています。
主格の関係代名詞の種類
主格の関係代名詞には、主に以下の3つがあります。
- who: 人を指す
- which: 動物や物事を指す
- that: 人、動物、物事を指す(who, whichの代わりに使える)
主格の関係代名詞を使う際の注意点
- 先行詞との一致: 関係代名詞は、必ず先行詞と数と性の一致を取ります。
- 関係代名詞節内の動詞: 関係代名詞が主語の時は、関係代名詞節内の動詞は先行詞の人称と数に合わせて変化します。
例題
次の文の空欄に適切な関係代名詞を入れなさい。
- The girl _____ is singing is my sister.
- The book _____ I bought yesterday is very interesting.
- The dog _____ is barking is very loud.
解答
- who
- which / that
- that / which
まとめ
関係代名詞の主格は、先行詞についてより詳細な情報を加えるために使われます。文の意味を正確に理解するためには、関係代名詞の役割をしっかりと把握することが重要です。
関係代名詞の主格を使った例文集
基本的な例文
- The man who is standing there is my father.(あそこに立っている男性は私の父です。)
- The girl who is singing is my sister.(歌っている女の子は私の妹です。)
- The book which I bought yesterday is very interesting.(昨日買った本はとても面白いです。)
少し複雑な例文
- I know a boy who can play the piano very well.(ピアノがとても上手な男の子を知っています。)
- This is the house where I was born.(これが私が生まれた家です。)
- The woman whose husband is a doctor is my neighbor.(ご主人が医者の女性は私の隣人です。)
非制限用法の例文
- Tokyo, which is the capital of Japan, is a big city.(東京は日本の首都ですが、大きな都市です。)
その他の例文
- The students who passed the exam were very happy.(試験に合格した生徒たちはとても喜んでいました。)
- The car that I want to buy is very expensive.(私が買いたい車は非常に高価です。)
- The dog which is barking is very loud.(吠えている犬はとてもうるさいです。)
関係代名詞の主格のポイント
- 先行詞: 関係代名詞が説明する名詞(例:man, girl, book)
- 関係代名詞節: 関係代名詞から始まる節で、先行詞について詳しく説明する(例:who is standing there)
- 主語: 関係代名詞が関係代名詞節の主語になる
- 動詞: 関係代名詞節内の動詞は、先行詞の人称と数に一致する
関係代名詞の主格は、先行詞に詳しい情報を付け加えるために使われます。
関係代名詞のthatが好まれるときとは?
関係代名詞の that は、先行詞が人 (who) の場合にも、物 (which) の場合にも使える便利な代名詞です。特に、他の関係代名詞よりも that を好んで使う、または that しか使えない、いくつかの特定の状況があります。

1. that が好まれる状況 (強調)
先行詞に以下の語句が含まれる場合、that を使うことで強調され、より自然な表現となります。
a. 先行詞に最上級が含まれる時
先行詞が「最も〜なもの/人」を意味する場合です。
- This is the best movie that I have ever seen. (これは私が今まで観た中で最高の映画だ。)
b. 先行詞に「すべて」「唯一」「最初の」などの限定語が含まれる時
all, every, any, only, the very, the first, the last などが先行詞に含まれる場合です。
- She is the only student that knew the answer. (彼女は答えを知っていた唯一の学生だ。)
- All that glitters is not gold. (光るものすべてが金ではない。)
c. 先行詞が「人」と「物」の両方を含む時
先行詞が人(who)と物(which)のどちらにも該当する場合、that が両方を包含する役割を果たします。
- He talked about the people and the places that he visited. (彼は訪れた人々や場所について話した。)
d. 先行詞が疑問代名詞 (who/what) の時
文頭の疑問詞と区別し、文の構造を明確にするためthatが使われます。
- Who that knows him believes such a story? (彼を知っている人で、誰がそんな話を信じるだろうか。)
2. that が使えない状況 (非制限用法)
that は非常に便利ですが、一つだけ絶対に使うことができない状況があります。
a. 非制限用法(コンマ「,」がある場合)
先行詞の直後にコンマ「,」を置き、補足的な情報(非制限用法)を加える場合、that は使えません。この場合は who または which を使います。
- × My father, that is 80, still drives.
- ✓ My father, who is 80, still drives. (私の父は80歳だが、まだ運転する。)
3. that が使われる場合 (目的格)
目的格の関係代名詞は省略できますが、あえて残す場合、that は whom や which の代わりによく使われます。
- This is the camera that I bought. (これは私が買ったカメラだ。)
- that は省略可能ですが、使う場合は好まれる傾向があります。
関係代名詞の主格に関する練習問題に挑戦しよう

問題
英文和訳(以下の英文を和訳しなさい)
- I have a friend who lives in Canada.
- The tablet which costs 50,000 yen is on sale.
- She told me a story that made me cry.
- Do you know the woman who is talking to Ken?
- We saw a bird that was singing on the roof.
- The students who passed the test were very happy.
- I need a car which is reliable and safe.
- The singer who won the contest released a new album.
- She is wearing a dress that looks expensive.
- He is looking for a job which allows him to travel.
解答
英文和訳
- 私にはカナダに住んでいる友達がいます。
- 5万円するタブレットがセール中です。
- 彼女は私を泣かせた話をしてくれました。
- ケンと話している女性を知っていますか。
- 私たちは屋根の上で歌っている鳥を見ました。
- テストに合格した生徒たちはとても喜んでいました。
- 私は信頼できて安全な車が必要です。
- コンテストに勝った歌手が新しいアルバムをリリースしました。
- 彼女は高そうに見えるドレスを着ています。
- 彼は彼に旅行を許すような仕事を探しています。
和文英訳(以下の日本語を関係代名詞の主格を使って英訳しなさい)
- 私たちの隣に住んでいる男性は親切だ。
- その事故を引き起こした車は古かった。
- 彼女は、私を助けてくれた人だ。
- 昨日始まった映画は面白かった。
- 彼女はいつも私のことを笑わせる冗談を言う。
- 彼は誰もが知っている有名な作家だ。
- 私はあなたを幸せにする何かを買いたい。
- その本を書いた作家は若かった。
- 彼には泳ぐことができる犬がいる。
- それは非常に重要な情報を含んでいる手紙だ。
解答
和文英訳
- The man who lives next to us is kind.
- The car which caused the accident was old.
- She is the person who helped me.
- The movie that started yesterday was interesting.
- She tells jokes that always make me laugh.
- He is a famous writer that everyone knows.
- I want to buy something that will make you happy.
- The author who wrote the book was young.
- He has a dog that/which can swim.
- That is a letter which/that contains very important information.




