【第一文型:文法】”第一文型”とは?不定詞・関係代名詞を用いることができない⁉(練習問題付き)

第一文型の基本について知ろう

英語の文は、動詞の種類によっていくつかの基本的なパターンに分類できます。その中でも最もシンプルなのが**第1文型(S + V)**です。

第1文型の基本構造

第1文型は、**主語(Subject:S)自動詞(Intransitive Verb:V)**だけで構成される文の形です。

  • S (主語): 文の動作や状態の主体となる人や物事です。「誰が」「何が」にあたります。
  • V (自動詞): 目的語を必要としない動詞です。その動作だけで意味が完結します。「~する」「~である」にあたりますが、ここでは主に「~する」という動作を表します。

第1文型の特徴

  • 目的語がない: 自動詞の後には、「何を」にあたる目的語が続きません。
  • 意味が完結する: 主語と動詞だけで、文として意味が通じます。
  • 付加語句を伴うことが多い: 場所、時、方法、理由などを表す副詞や前置詞句などが、文に情報を付け加えるために使われることが多いです。しかし、これらは文の主要な要素ではありません。

第1文型の例文

  • Birds fly. (鳥は飛ぶ。)
    • S: Birds(鳥は)
    • V: fly(飛ぶ)
  • The sun rises in the east. (太陽は東から昇る。)
    • S: The sun(太陽は)
    • V: rises(昇る)
    • (in the east は場所を表す前置詞句で、文の主要な要素ではありません)
  • She smiled. (彼女は微笑んだ。)
    • S: She(彼女は)
    • V: smiled(微笑んだ)
  • He arrived yesterday. (彼は昨日到着した。)
    • S: He(彼は)
    • V: arrived(到着した)
    • (yesterday は時を表す副詞で、文の主要な要素ではありません)
  • The baby is sleeping soundly. (赤ちゃんはぐっすり眠っている。)
    • S: The baby(赤ちゃんは)
    • V: is sleeping(眠っている)
    • (soundly は様子を表す副詞で、文の主要な要素ではありません)

よく使われる自動詞の例(第1文型でよく使われる動詞)

  • arrive (到着する)
  • come (来る)
  • go (行く)
  • sleep (眠る)
  • walk (歩く)
  • run (走る)
  • smile (微笑む)
  • laugh (笑う)
  • cry (泣く)
  • die (死ぬ)
  • exist (存在する)
  • happen (起こる)
  • occur (起こる)
  • rise (昇る)
  • shine (輝く)

第1文型を見分けるポイント

文を見たときに、「誰が」「何が」「どうする」という要素だけで意味が通じるかどうかを確認します。もし、「何を」にあたる言葉がなければ、それは第1文型の可能性があります。

注意点

同じ動詞でも、文脈によっては自動詞になったり他動詞になったりすることがあります。例えば、「run」は「走る」という自動詞としても、「run a business」(事業を経営する)という他動詞としても使われます。そのため、文全体の構造を見て判断することが重要です。

第一文型と不定詞の関係を知ろう

第一文型(S + V)と不定詞(to + 動詞の原形)の関係についてご説明します。結論から言うと、不定詞が文の主要な要素(主語や動詞、目的語、補語)になる場合、その文が第一文型になることは通常ありません。

不定詞の主な役割

不定詞は、文中で名詞、形容詞、副詞のような働きをします。

  1. 名詞的用法: 「~すること」という意味で、主語、補語、目的語になります。
    • 主語: To study abroad is my dream. (海外留学することは私の夢です。)
    • 補語: My hobby is to collect stamps. (私の趣味は切手を集めることです。)
    • 目的語: I want to learn English. (私は英語を学びたいです。)
  2. 形容詞的用法: 名詞を修飾して、「~するための」「~するべき」といった意味を表します。
    • I have no time to relax. (私はリラックスするための時間がありません。)
    • This is the book to read. (これは読むべき本です。)
  3. 副詞的用法: 動詞、形容詞、副詞を修飾して、目的、原因、結果、程度などを表します。
    • I went to the library to study. (私は勉強するために図書館へ行きました。)(目的)
    • She was happy to see him. (彼女は彼に会えて嬉しかった。)(原因)
    • He studied hard, only to fail the exam. (彼は一生懸命勉強したが、結局試験に落ちた。)(結果)
    • This soup is too hot to eat. (このスープは熱すぎて食べられない。)(程度)

第一文型との関係

第一文型は「主語(S)+自動詞(V)」で構成され、目的語を必要としません。

  • 不定詞が主語になる場合:
    • To study is important. (勉強することは重要です。)
    • この文の構造は「不定詞句(To study)」がS(主語)、「is」がV(動詞)、「important」がC(補語)となり、SVC(第二文型)です。
  • 不定詞が補語になる場合:
    • My goal is to travel the world. (私の目標は世界を旅することです。)
    • この文の構造は「My goal」がS、「is」がV、「不定詞句(to travel the world)」がC(補語)となり、SVC(第二文型)です。
  • 不定詞が目的語になる場合:
    • I decided to quit my job. (私は仕事を辞めることに決めました。)
    • この文の構造は「I」がS、「decided」がV、「不定詞句(to quit my job)」がO(目的語)となり、SVO(第三文型)です。
  • 不定詞が形容詞的用法で名詞を修飾する場合:
    • I need a book to read. (私は読むための本が必要です。)
    • この文の主要な構造は「I(S)+need(V)+a book(O)」のSVO(第三文型)です。不定詞句は「a book」を修飾する形容詞句です。
  • 不定詞が副詞的用法で動詞を修飾する場合:
    • He went home to rest. (彼は休むために家に帰った。)
    • この文の主要な構造は「He(S)+went(V)+home(副詞)」のSV(第一文型)です。不定詞句は動詞「went」の目的(~するために)を示す副詞句です。この場合、文の主要な構造は第一文型になり得ます。

第一文型で不定詞が副詞的用法で使われる例

  • He woke up early to catch the first train. (彼は始発電車に乗るために早く起きた。)
    • S: He
    • V: woke up
    • 副詞句: early (早く)
    • 副詞句(不定詞): to catch the first train (始発電車に乗るために)
    • 文の主要な構造は SV(第一文型)です。
  • She went to the park to walk her dog. (彼女は犬の散歩をするために公園へ行った。)
    • S: She
    • V: went
    • 副詞句: to the park (公園へ)
    • 副詞句(不定詞): to walk her dog (犬の散歩をするために)
    • 文の主要な構造は SV(第一文型)です。

まとめ

不定詞が文の主要な要素(主語、補語、目的語)として使われる場合、その文は第一文型にはなりません。不定詞が副詞的用法で動詞の目的などを表す場合に、文の主要な構造が第一文型になることがあります。

第一文型と関係代名詞の関係について知ろう

第一文型(S + V)と関係代名詞の関係についてご説明します。結論から言うと、関係代名詞が直接的に第一文型の主要な要素(主語や動詞)になることはありません。 関係代名詞は、主に名詞(先行詞)を修飾する形容詞節を導く役割を果たします。

関係代名詞の役割

関係代名詞は、二つの文を一つにまとめ、先行詞と呼ばれる名詞を修飾する形容詞節を作ります。代表的な関係代名詞には、who, whom, whose, which, that などがあります。

  • 例:
    • The man is kind. (その男の人は親切です。)
    • The man helped me. (その男の人は私を助けてくれました。)
    • ↓ (関係代名詞 who を使って一つに)
    • The man who helped me is kind. (私を助けてくれたその男の人は親切です。)

この例では、関係代名詞 who が導く節 (who helped me) が、先行詞 The man を修飾しています。

第一文型との関わり方

関係代名詞が導く形容詞節の中で、第一文型(S + V)の構造が現れることはあります。しかし、その形容詞節全体は、文の主要な要素ではなく、名詞を修飾する役割を果たします。

  • 関係代名詞節の中の第一文型:
    • I know the woman who lives next door. (私は隣に住んでいる女性を知っています。)
      • 主要な文の構造: I (S) + know (V) + the woman (O) (第三文型)
      • 関係代名詞節: who (S) + lives (V) + next door (副詞句) (節の中で第一文型)
      • 関係代名詞 who は、関係代名詞節の主語の役割を果たしています。動詞 lives は自動詞なので、目的語を取りません。
    • This is the book that sells well. (これはよく売れる本です。)
      • 主要な文の構造: This (S) + is (V) + the book (C) (第二文型)
      • 関係代名詞節: that (S) + sells (V) + well (副詞) (節の中で第一文型)
      • 関係代名詞 that は、関係代名詞節の主語の役割を果たしています。動詞 sells は自動詞として使われています。
    • The dog that barked loudly belongs to my neighbor. (大声で吠えていた犬は私の隣人のものです。)
      • 主要な文の構造: The dog (S) + belongs (V) + to my neighbor (前置詞句) (第一文型 + 付加語句)
      • 関係代名詞節: that (S) + barked (V) + loudly (副詞) (節の中で第一文型)
      • 関係代名詞 that は、関係代名詞節の主語の役割を果たしています。動詞 barked は自動詞です。

関係代名詞節全体としての役割

関係代名詞が導く節全体は、文の主要な要素(主語、動詞、目的語、補語)ではなく、先行詞である名詞を修飾する形容詞の働きをします。そのため、関係代名詞が使われている文の主要な構造は、第一文型であることも、第二文型、第三文型など他の文型であることもあります。

  • 例:
    • The man who helped me (S) is (V) kind (C). (第二文型)
    • I (S) know (V) the woman who lives next door (O). (第三文型)
    • The dog that barked loudly (S) belongs (V) to my neighbor (付加語句). (第一文型)

まとめ

関係代名詞自身が第一文型の主語や動詞になることはありません。しかし、関係代名詞が導く形容詞節の中で、主語(関係代名詞自身が務めることが多い)と自動詞からなる第一文型の構造が現れることがあります。重要なのは、その関係代名詞節全体は、文の主要な要素ではなく、名詞を修飾する形容詞の役割を果たすということです。したがって、関係代名詞を含む文の主要な文型は、文全体の構造によって決まります。

第一文型に関連する練習問題に挑戦しよう!

第一文型(S + V)に関する英文和訳と和文英訳の練習問題を作成しました。ぜひ挑戦してみてください。

【英文和訳】以下の英文を日本語に訳してください。(10問)

  1. Birds sing beautifully.
  2. The rain stopped suddenly.
  3. He waited patiently.
  4. The baby slept soundly all night.
  5. Flowers bloom in the spring.
  6. My grandfather lived to be ninety.
  7. The accident happened quickly.
  8. She smiled sadly.
  9. The train arrived late.
  10. Time passes quickly when you’re having fun.

【和文英訳】以下の日本語を英文に訳してください。(10問)

  1. 太陽は毎日昇る。
  2. 彼女は静かに座っていた。
  3. その犬は激しく吠えた。
  4. 彼はすぐに戻ってきた。
  5. 私たちはそこでしばらくの間待った。
  6. その古い建物は崩れ落ちた。
  7. 彼女は幸せそうに笑った。
  8. 電車は時間通りに到着した。
  9. 彼らは昨夜遅くまで起きていた。
  10. 夢はしばしば現実になる。

解答

【英文和訳】

  1. 鳥は美しく歌う。
  2. 雨は突然止んだ。
  3. 彼は辛抱強く待った。
  4. 赤ちゃんは一晩中ぐっすり眠った。
  5. 花は春に咲く。
  6. 私の祖父は90歳まで生きた。
  7. その事故は素早く起こった。
  8. 彼女は悲しそうに微笑んだ。
  9. 電車は遅れて到着した。
  10. 楽しい時は時間が早く過ぎる。

【和文英訳】

  1. The sun rises every day.
  2. She sat quietly.
  3. The dog barked loudly.
  4. He came back soon.
  5. We waited there for a while.
  6. The old building collapsed.
  7. She laughed happily.
  8. The train arrived on time.
  9. They stayed up late last night.
  10. Dreams often come true.

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