【used to:助動詞】「 used to~ 」の基本を知り、類似表現や慣用表現を確認しよう!(練習問題付き)

「used to」について

used to」は、過去の習慣や状態を表す際に使われる非常に便利な表現です。「〜したものだった」「以前は〜だった」という意味で、今はもうそうではないというニュアンスを強く含みます。助動詞のように使われますが、動詞の use とは異なる特別な表現です。

1. 過去の習慣 (Past Habit)

「以前は繰り返し〜したものだった」という意味で、過去の習慣的な行動を表します。今はその習慣がなくなっていることを示唆します。

  • I used to play soccer every day when I was a child. (子供の頃、毎日サッカーをしたものだった。)
    • (今はもう毎日サッカーはしない)
  • We used to go camping every summer. (私たちは毎年夏にキャンプに行ったものだった。)
    • (今はもう毎年夏にキャンプには行かない)
  • He used to smoke, but he quit last year. (彼は以前タバコを吸っていたが、去年やめた。)
    • (今はもう吸わない)

2. 過去の状態 (Past State)

「以前は〜だった」という意味で、過去の持続的な状態や事実を表します。今はその状態が変わっていることを示唆します。

  • There used to be a big tree in front of my house. (私の家の前に以前は大きな木があった。)
    • (今はもうその木はない)
  • She used to be very shy, but now she’s quite outgoing. (彼女は以前はとても内気だったが、今はかなり社交的だ。)
    • (今はもう内気ではない)
  • This building used to be a hospital. (この建物は以前は病院だった。)
    • (今はもう病院ではない)

3. 「used to」の否定形と疑問形

「used to」は通常の動詞のように did を使って否定形や疑問形を作ります。ただし、used to 自体が過去の表現であるため、did を使うと use to になる点に注意が必要です。

  • 否定形: didn't use to または used not to (後者はややフォーマル/古風)
    • I didn’t use to like natto, but now I do. (以前は納豆が好きではなかったが、今は好きだ。)
    • There used not to be so many cars on this road. (以前はこの道にそれほど多くの車はなかった。)
  • 疑問形: Did + 主語 + use to ~?
    • Did you use to live in Osaka? (以前、大阪に住んでいましたか?)
    • What did you use to do in your free time? (以前、暇なときに何をしていましたか?)

4. 「would」との違い(過去の習慣)

過去の習慣を表す際、「used to」と「would」は似ていますが、重要な違いがあります。

  • used to: 過去の習慣的な行動過去の状態の両方に使える。現在はそうではないことを示唆。
  • would: 過去の習慣的な行動にのみ使える(状態には使えない)。繰り返しの行動に焦点を当てる。
    • I used to go to the park every Sunday. (〇 習慣)
    • I would go to the park every Sunday. (〇 習慣)
    • There used to be a library here. (〇 状態)
    • There would be a library here. (✖ 状態には使えない)

5. 「be used to ~ing / 名詞」との混同注意

used to + 動詞の原形」と、「be used to + 動名詞(または名詞)」は、形は似ていますが意味が全く異なります。

  • used to do: 「以前は〜したものだった」(過去の習慣や状態)
  • be used to ~ing / 名詞: 「〜に慣れている」
    • I am used to living in a big city. (私は大都市での生活に慣れている。)
    • He is used to the cold weather. (彼は寒い天候に慣れている。)

この二つの表現の区別は非常に重要です。


「used to」は過去の出来事を語る上で非常に頻繁に使われる表現なので、この意味と使い方をしっかりとマスターすることが、自然な英語表現に繋がります。

used toの類似表現を確認しよう

used to」は「以前は〜したものだった」「以前は〜だった」という過去の習慣や状態を表し、現在はもうそうではないというニュアンスを強く含みます。この「過去の習慣や状態」という特定の意味合いを持つため、類似表現は限られていますが、文脈に応じていくつかの言い換えが可能です。

1. 過去の習慣 (Past Habit) の類似表現

「以前は繰り返し〜した」という習慣を表す際の言い換えです。

  • would + 動詞の原形: 「would」も過去の習慣的な行動を表しますが、「used to」と異なり過去の状態には使えません。また、「would」は繰り返される行動に焦点を当てる傾向があります。
    • I used to go to the beach every summer. (以前は毎年夏にビーチに行ったものだった。)
    • I would go to the beach every summer. (以前は毎年夏にビーチに行ったものだった。)
    • 注意: There used to be a store here. (以前ここに店があった。) は言えますが、There would be a store here. は言えません。
  • in the past / previously / formerly + 過去形: これらの副詞を使って、単に「過去に〜した」という事実を述べる表現です。「used to」のような「今はもうそうではない」という明確な対比のニュアンスは弱いですが、文脈によっては同様の意味で使えます。
    • He used to smoke. (彼は以前タバコを吸っていた。)
    • In the past, he smoked. (過去に彼はタバコを吸っていた。)
    • He formerly worked as a teacher. (彼は以前教師として働いていた。)
  • at one time: 「かつては」「一時は」という意味で、過去の一時期の状態や習慣を表します。現在とは異なることを示唆します。
    • At one time, this building used to be a hospital. (この建物はかつては病院だった。)
    • At one time, I was very shy. (私はかつてはとても内気だった。)

2. 過去の状態 (Past State) の類似表現

「以前は〜だった」という過去の持続的な状態や事実を表す際の言い換えです。

  • 過去形: 最もシンプルに過去の状態を表すことができます。「used to」のような「今はそうではない」という含みは直接的にはありませんが、文脈で現在の状態が異なると示唆できます。
    • This house used to be yellow. (この家は以前は黄色だった。)
    • This house was yellow. (この家は黄色だった。) (現在は違うかもしれないし、そうでないかもしれない)
  • at one time: 上記でも述べたように、過去の特定の時期の状態を表すのに使えます。
    • She used to be a famous actress. (彼女は以前有名な女優だった。)
    • At one time, she was a famous actress. (かつては、彼女は有名な女優だった。)

「used to」の最大のポイントは「過去にはそうだったが、今は違う」という明確な対比を表現できる点です。類似表現もこのニュアンスをある程度持っていますが、完全に置き換えられるわけではないことに注意が必要です。文脈や伝えたいニュアンスの強さに応じて使い分けることが大切です。

used to の慣用表現を確認しよう


used to」は「以前は〜したものだった」「以前は〜だった」という過去の習慣や状態を表す表現で、現在はもうそうではないという対比のニュアンスを強く含みます。この表現自体が特定の意味合いを持つため、「can」や「must」のような多種多様な「慣用表現」はあまり多くありません。しかし、その中核となる意味合いから派生して、特定の文脈でよく使われる形や、他の単語と組み合わさることで慣用的に使われる例はいくつかあります。

1. used to do ~ (基本的な用法)

これは「used to」の最も基本的な使い方で、過去の習慣や状態を指します。それ自体が「慣用的に使われるフレーズ」と言えます。

  • 例文:
    • I used to live in Osaka, but now I live in Tokyo. (以前は大阪に住んでいたが、今は東京に住んでいる。)
    • There used to be a big bookstore here. (以前はここに大きな本屋があった。)

2. not used to ~ing / not used to (something)

これは「used to」の否定形ではなく、全く異なる「be used to ~ing / 名詞」(〜に慣れている)という表現の否定形です。混同されやすいですが、**「慣れていない」**という状態を表すため、慣用的に使われる表現としてここでご紹介します。

  • 意味: 「〜に慣れていない」
  • 例文:
    • I’m not used to waking up so early. (そんなに早く起きるのには慣れていない。)
    • He’s not used to the Japanese climate yet. (彼はまだ日本の気候に慣れていない。)

3. get used to ~ing / get used to (something)

これも上記「be used to」に関連する表現で、「〜に慣れる」という変化の過程を表します。

  • 意味: 「〜に慣れる」
  • 例文:
    • It took me a while to get used to living alone. (一人暮らしに慣れるのに時間がかかった。)
    • You’ll get used to the new system eventually. (その新しいシステムにはいずれ慣れるだろう。)

4. What did you use to do? (過去の習慣を尋ねる際の定型句)

これは「used to」の疑問形を使った一般的な質問で、特定の慣用句というよりは、過去の習慣を尋ねる際の決まった言い回しです。

  • 意味: 「以前、何をしていたのですか?」「昔、どうしていましたか?」
  • 例文:
    • When you were a student, what did you use to do in your free time? (学生の頃、暇なときに何をしていましたか?)
    • Didn’t you use to work at that coffee shop? (あの喫茶店で働いていませんでしたか?)

「used to」の最も重要なポイントは、「過去にはそうだったが、今はそうではない」という対比を伝える点です。ご紹介したように、「used to + 動詞の原形」と「be/get used to + 名詞/動名詞」は意味が全く異なるため、混同しないように注意しましょう。

used toを深く知ろう

否定文と疑問文では「did」使用して表現する。過去の習慣を表現するには「would」も同様にして表現されるが、「現在と対比をする」という特徴を持っている。

「be used to~」(~に慣れている。)の表現と混同してしまうことが多いので注意が必要である。

①過去の習慣 「~したものだった」

・I used to spend here all day when I was young.

(若いころはここで一日中過ごしたものだった。)

・Did you use to memorize all vocablaries?

(すべての単語をかつて暗記していたのですか?)

・The animals in this area didn’t use to eat enough food.

(この地域の動物は、かつて十分な食事をえることができなかった。)

②過去の状況や状態 「以前は~だった。」

・It used to be rainy in July.

(6月になると以前は雨が降っていた。)

<確認>

「ought to」って何⁉

「ought to~」は、「義務」や「推量」について表現をする。

過去形はなく、現在形だけで、現在や過去のことも表現することができる。

①義務 「~すべきである。」

(肯定文)You ought to spend here all day.

(あなたは、終日ここで過ごすべきである。

(否定文)You ought not to spend here all day.

(あなたは、終日ここで過ごすべきではない。

→ I don’t think you ought to spend here all day.

のように表現することが多い。

(疑問文)Do you think that you ought to spend here all day? と表現することが多い。

「ought to」って何⁉ | てばっち教育研究所 (tebatch.com): 【used to:助動詞】「 used to~ 」の基本を知り、類似表現や慣用表現を確認しよう!(練習問題付き)

「used to」に関する練習問題

英文和訳 (Translate the following English sentences into Japanese.)

  1. I used to play video games all night, but not anymore.
  2. There used to be a small cafe on that corner.
  3. She didn’t use to like sushi, but now she loves it.
  4. Did you use to live in London when you were a child?
  5. This old factory used to be a thriving textile mill.
  6. He used to run a marathon every year before his injury.
  7. I’m used to working long hours, so it’s not a problem for me.
  8. My grandmother used to tell me fairy tales every night.
  9. We used not to have smart phones, but now everyone does.
  10. It took me a while to get used to the hot weather here in Hirakata.

和文英訳 (Translate the following Japanese sentences into English.)

  1. 私は以前、毎日自転車で通学していた。
  2. 以前、この公園には大きな池があった。
  3. 彼は以前はあまり話さなかったが、今はとてもおしゃべりだ。
  4. あなたは以前、この街に住んでいましたか?
  5. 私たちの古い家は以前、木造だった。
  6. 彼女は以前、早起きに慣れていなかった。
  7. 彼は以前、プロのサッカー選手だった。
  8. 私は京都での生活に慣れるまで時間がかかった。
  9. 彼らは以前、よく週末に釣りに行ったものだ。
  10. 私は納豆を食べることに慣れている。

解答 (Answers)

英文和訳

  1. 私は以前、夜通しテレビゲームをしたものだったが、もうしない。
  2. あの角には以前、小さなカフェがあった
  3. 彼女は以前は寿司が好きではなかったが、今は大好きだ。
  4. 子供の頃、ロンドンに住んでいましたか
  5. この古い工場は以前、繁栄していた繊維工場だった
  6. 彼は怪我をする前は、毎年マラソンを走っていた
  7. 私は長時間働くことに慣れているので、それは問題ない。
  8. 私の祖母は毎晩、私におとぎ話を聞かせてくれたものだった
  9. 以前はスマートフォンがなかったが、今では誰もが持っている。
  10. 枚方のこの暑い気候に慣れるのにしばらく時間がかかった。

和文英訳

  1. I used to cycle to school every day.
  2. There used to be a large pond in this park.
  3. He didn’t use to talk much, but now he’s very talkative.
  4. Did you use to live in this town?
  5. Our old house used to be made of wood.
  6. She wasn’t used to waking up early.
  7. He used to be a professional soccer player.
  8. It took me a while to get used to living in Kyoto.
  9. They used to go fishing on weekends.
  10. I am used to eating natto.

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