【仮定法:文法】”were to ~”を用いた条件文について

仮定法の中でも、特に**「未来のこと」について、「実現の可能性が低い、あるいは全くない」**ことを話すときに使われる If S were to do について、詳しく、かつ分かりやすく解説します。


📘 「If S were to do」完全ガイド

この表現は、学校文法では「万一~ならば」「仮に~だとしたら」と習うことが多いですが、ネイティブスピーカーが持つ感覚はもう少し奥深いです。

1. 基本の形と意味

📝 公式

If + S + were to + 動詞の原形 , S + would (could / might) + 動詞の原形 …

💡 コアとなる意味

「(これからの未来において)仮に~するようなことがあれば」

ポイントは**「未来への仮定」であることです。

「過去のこと」でも「現在の状態」でもなく、「これから先、もし仮にこういう動きがあったら」というスポットライトを未来に当てた妄想**です。


2. 使われる3つの主要なシチュエーション

were to が使われる場面は、大きく分けて3つのニュアンスがあります。

① 完全にあり得ないこと(空想・SF)

物理的に、あるいは現実的に「絶対に起こらないだろう」と思っていることに使います。

  • If the sun were to rise in the west, I would not change my mind.(仮に太陽が西から昇ったとしても、私の決意は変わらない。)
    • ニュアンス: 太陽が西から昇ることは100%ないけれど、そのくらいあり得ない仮定の話として。

② 実現可能性がかなり低いこと(純粋な仮定)

「まずないだろうけど、思考実験として考えてみよう」という場合です。

  • If you were to become the Prime Minister, what would you do?(もしあなたが総理大臣になるとしたら、何をしますか?)
    • ニュアンス: あなたが政治家を目指していないことは知っているし、なる確率もほぼゼロに近いけれど、「もしも」の話として聞いてみたい。

③ 丁寧さ・控えめな表現(ビジネス・接客)

あえて「現実味のない仮定」の形をとることで、相手への直接的な要求や質問を避ける、非常に丁寧な表現になります。「もし仮に~していただけるようでしたら…」という響きです。

  • If you were to sign here, we could proceed with the contract.(こちらにご署名をいただけましたら、契約を進めることができます。)
    • ニュアンス: 「署名しろ」ではなく、「(仮定の話ですが)もし署名という行為をしていただけるなら」とへりくだっています。

3. よくある疑問:「Should」との違いは?

「万が一~なら」を表す If S should do と非常に似ていますが、明確な使い分けがあります。

特徴If S were to doIf S should do
可能性ほぼ0% ~ 純粋な妄想可能性は低いが、あり得る (1~10%くらい)
主節の動詞would, could, might (仮定法)will, can, please(命令文) も使える (直説法)
ニュアンス「もし仮に~だとしたら(想像)」「ひょっとして~ということがあれば(現実的対処)」

具体例での比較:

  • If it were to rain tomorrow, the picnic would be canceled.(仮に明日雨が降るとしたら、ピクニックは中止になるだろう。)
    • 心の中: 天気予報は快晴。雨なんてまず降らないと思うけど、完全な空想の話として「もし降るなら」と話している。
  • If it should rain tomorrow, please stay inside.(万が一明日雨が降ったら、中にいてください。)
    • 心の中: 予報は晴れだけど、山の天気は変わりやすいし、ひょっとしたら降るかもしれない。その時のための現実的な指示。

⚠️ 重要ルール:

If S were to の後ろ(主節)には、命令文(~してください)は使えません。命令文を使いたい場合は should を選びます。

× If he were to come, call me.

⚪ If he should come, call me.


4. 倒置形(If の省略)

If を省略して、疑問文のような語順にする「倒置」もよく使われます。文語的でカッコいい響きになります。

  • If I were to tell you the truth, …↓
  • Were I to tell you the truth, …(仮に私があなたに真実を話すとしたら、…)

5. “was to” は使える?

文法的には「仮定法」なので were を使うのが正統ですが、現代の口語(カジュアルな会話)では、主語が単数(I, he, she, it)の場合に was to が使われることもあります。

  • If he was to find out… (彼がもし見つけちゃったら…)

ただし、試験やフォーマルな場では were to を使うのが無難です。


まとめ

If S were to do を見たら、こう判断してください。

  1. 視線は「未来」に向いている。
  2. 「現実には起こりそうもない」と思っている。
  3. 「あくまで想像上の話(思考実験)」をしている。

この感覚を掴めれば、SFの話からビジネスでの丁寧な依頼まで、幅広く使いこなすことができます。

were to を用いた条件文について

were to を用いた条件文は、非現実的な未来 の状況を仮定する際に使われる表現です。つまり、「もしも〜だったら」という、ありえないことや、これから起こる可能性が低いことを想定して話したい時に用います。

were to の基本的な形

  • If + 主語 + were to + 動詞の原形, 主語 + would/could/might + 動詞の原形

この形は、未来のある時点において、もしも特定のことが起こったとしたら、別のことが起こるだろう、という状況を表現します。

例文

  • If I were to win the lottery, I would travel around the world. (もし宝くじに当たったら、世界中を旅するだろう。)
  • If it were to rain tomorrow, we would have to cancel the picnic. (もし明日雨が降ったら、ピクニックをキャンセルしなければならないだろう。)
  • If she were to become a doctor, she would help many people. (もし彼女が医者になったら、多くの人々を助けるだろう。)

were to を使う理由

  • より丁寧な表現: will や shall を使うよりも、丁寧で控えめな印象を与えます。
  • 非現実的な状況を強調: were to を使うことで、その状況が現実的ではないことをより明確に示すことができます。
  • 可能性の低い状況: 将来的に起こる可能性が低い、またはありえない状況を表現するのに適しています。

were to を使った条件文について、さらに詳しい解説

were to のニュアンス

  • 非現実的な未来: 現実には起こり得ない、または起こる可能性が低い未来の状況を仮定します。
  • 丁寧な表現: will や shall を使うよりも、丁寧で控えめな印象を与えます。
  • 可能性の低さ: 将来的に起こる可能性が低い、またはありえない状況を表現するのに適しています。

were to を使うパターン

  • もしも〜だったら、…だろう:
    • If I were to win the lottery, I would travel around the world. (もし宝くじに当たったら、世界中を旅するだろう。)
  • もしも〜したら、…する必要があるだろう:
    • If it were to rain tomorrow, we would have to cancel the picnic. (もし明日雨が降ったら、ピクニックをキャンセルしなければならないだろう。)
  • もしも〜になったら、…できるだろう:
    • If she were to become a doctor, she could help many people. (もし彼女が医者になったら、多くの人々を助けるだろう。)

were to と他の表現との比較

表現ニュアンス例文
If + 過去形非現実的な現在If I were rich, I would buy a car. (もしお金持ちだったら、車を買うだろう。)
If + 過去完了形非現実的な過去If I had studied harder, I would have passed the exam. (もしもっと勉強していれば、試験に合格できたのに。)
If + were to + 動詞の原形非現実的な未来If it were to rain tomorrow, we would have to cancel the picnic. (もし明日雨が降ったら、ピクニックをキャンセルしなければならないだろう。)

were to を使う際の注意点

  • 主節: 通常、would, could, might などの助動詞を用いて、仮定の結果を表します。
  • 時制の一致: if 節と主節の時制は、条件の種類によって決まります。were to の場合は、主節に would, could, might を用います。
  • 他の表現との混同: if + 過去形や if + 過去完了形と混同しないように注意しましょう。

were to を使った例文をいくつかご紹介します。

日常生活での例

  • もし明日雨が降ったら、ピクニックは中止になるだろう。
    • If it were to rain tomorrow, we would have to cancel the picnic.
  • もし私が宝くじに当たったら、世界旅行に出かけるだろう。
    • If I were to win the lottery, I would go on a world trip.
  • もし彼女がその仕事に採用されたら、とても喜ぶだろう。
    • If she were to get the job, she would be very happy.

よりフォーマルな表現

  • もし大統領が辞任したら、新たな選挙が行われることになるだろう。
    • If the president were to resign, there would have to be a new election.
  • もしこの計画が失敗したら、会社は大きな損失を被るだろう。
    • If this plan were to fail, the company would suffer a great loss.

ちょっと変わった例

  • もし私が鳥だったら、どこへでも飛んでいけるのに。
    • If I were a bird, I could fly anywhere I want.
  • もしタイムマシンがあったら、過去に戻って歴史を変えてみたい。
    • If I had a time machine, I would go back in time and change history.

were to を使った倒置

  • Were the sun to rise in the west, I would believe anything.
    • もし太陽が西から昇ったら、どんなことでも信じるだろう。(ありえないことの例)

まとめ

were to を用いた条件文は、非現実的な未来の状況を表現する際に、より丁寧で確実な表現として用いられます。この表現をマスターすることで、あなたの英語表現の幅が広がるはずです。

承知いたしました。問題編の各設問の間にスペースを入れ、一問ずつ集中して解けるようにレイアウトを調整しました。


📘 仮定法未来 “If S were to…” 集中特訓

以下の2点を意識して解いてみてください。

  1. If節: If S were to 原形 (または倒置 Were S to 原形
  2. 主節: S would / could / might 原形

📝 問題編

🟥 第1部:和文英訳(10問)

次の日本語を、were to を使って英語に直してください。

Q1. もし(仮に)明日世界が終わるとしたら、あなたはどうしますか?

Q2. たとえ太陽が西から昇っても、私はその計画を諦めません。(あり得ない仮定)

Q3. もしあなたが生まれ変わるとしたら、男になりたいですか、女になりたいですか?

Q4. 仮に彼が真実を知ったら、激怒するだろう。(知る可能性は低いが)

Q5. もし宇宙旅行に行けるとしたら、どこへ行きたいですか?

Q6. 仮に100歳まで生きるとしたら、もっとお金を貯める必要がありますね。

Q7. もし(仮に)恐竜が生き返ったら、何が起こるだろうか。

Q8. 万一、誰かがここに来るようなことがあれば、隠れてください。(倒置を使って)

Q9. もし私の助けが必要になるようなことがあれば、知らせてください。(丁寧なニュアンスで)

Q10. 仮に給料が倍になるとしたら、その仕事を辞めますか?


🟦 第2部:英文和訳(10問)

次の英文を日本語に訳してください。「実現可能性が低い」「あくまで仮の話」というニュアンスを汲み取りましょう。

Q11. If the internet were to stop working tomorrow, the world would be in chaos.

Q12. If I were to tell you the secret, would you promise to keep it?

Q13. Were I to accept the offer, I would have to move to New York.

Q14. If we were to lose this game, it wouldn’t be the end of the world.

Q15. If you were to find a wallet on the street, what would you do?

Q16. Even if it were to snow in summer, I would still go camping.

Q17. If the boss were to find out about this mistake, we would be in big trouble.

Q18. Where would you live if you were to move abroad?

Q19. If you were to kindly fill out this form, we could process your request.

Q20. Were a war to break out, the economy would collapse.


⬇️ これより下に「解答と解説」があります ⬇️

✅ 解答・解説編

🟥 第1部:和文英訳の答え

Q1. If the world were to end tomorrow, what would you do?

解説: 「世界が終わる」という典型的なあり得ない仮定です。If S were to end とします。

Q2. Even if the sun were to rise in the west, I would not give up the plan.

解説: 「たとえ~でも」は Even if を使います。太陽が西から昇るという絶対不可能な例えです。

Q3. If you were to be reborn, would you want to be a man or a woman?

解説: 「生まれ変わる」は受動態 be reborn です。実現不可能な空想の話によく使われます。

Q4. If he were to know the truth, he would be furious.

解説: If he knew(もし知っていれば=現在の仮定)とも言えますが、were to know にすると「(今後)もし知るようなことになったら」という未来の事態への仮定になります。

Q5. If you were to go to space, where would you want to go?

解説: 宇宙旅行は一般人にはまだ現実味が薄いので、were to がよく似合います。

Q6. If I were to live to be 100, I would need to save more money.

解説: 100歳まで生きるかどうかは不確定なので、仮の話として were to を使います。

Q7. If dinosaurs were to come back to life, what would happen?

解説: 「生き返る」は come back to life など。SF的な設定です。

Q8. Were anyone to come here, please hide.

解説: 倒置形の問題です。元の文は If anyone were to come here です。Ifを省略し、Wereを主語の前に出します。 ※通常 were to の主節に命令文は不可ですが、倒置形や非常にフォーマルな文脈では稀に使われることがあります。ただし、基本的には should の方が自然です。ここでは「倒置の練習」として解答例を挙げています。

Q9. If you were to need my help, please let me know.

解説: 本来は If you should need が一般的ですが、were to を使うと「(まずないとは思いますが)万が一必要になるような事態になれば」という非常に控えめで丁寧なニュアンスが出せます。

Q10. If your salary were to double, would you quit the job?

解説: 給料が倍になることは現実には起こりにくいので、were to を使って「もしもの話」をしています。


🟦 第2部:英文和訳の答え

Q11. もし明日インターネットが止まったとしたら、世界は大混乱になるだろう。

解説: 完全に止まることは考えにくいですが、「思考実験」としての仮定です。

Q12. もし(仮に)私が秘密を話すとしたら、守ると約束してくれますか?

解説: 「話すつもりはないけれど、仮に話すというアクションを起こすとしたら」というニュアンスです。

Q13. もしその申し出を受けるとしたら、私はニューヨークに引っ越さなければならないだろう。

解説: 倒置形(Were I to accept = If I were to accept)です。まだ受けるかどうか決めていない、あるいは受ける気があまりない状態でのシミュレーションです。

Q14. 仮にこの試合に負けたとしても、世界の終わりというわけではない(絶望することはない)。

解説: 「負けるつもりはないが、万が一負けても」という慰めや冷静な分析です。

Q15. もし道で財布を拾うようなことがあれば、あなたならどうしますか?

解説: 典型的な「もしもボックス」的な質問です。偶然性が高い未来の出来事です。

Q16. たとえ夏に雪が降るようなことがあっても、私はキャンプに行きますよ。

解説: 異常気象のあり得ない仮定を持ち出して、意志の固さを強調しています。

Q17. もし上司がこのミスに気づくようなことがあれば、私たちは大変なことになるぞ。

解説: 「バレないと思っている(あるいはバレないようにしている)が、万が一」という恐怖を表しています。

Q18. もし海外に移住するとしたら、どこに住みたいですか?

解説: 具体的な計画はなく、夢や希望を語り合う時のフレーズです。

Q19. (もしよろしければ)こちらの用紙にご記入いただけましたら、リクエストを処理できます。

解説: 丁寧語としての用法です。「記入しろ」と迫るのではなく、「記入という行為をしていただけるならば(=If you filled out よりもさらに間接的)」とへりくだっています。

Q20. 万一戦争が勃発すれば、経済は崩壊するだろう。

解説: 倒置形(Were a war to break out)です。深刻な事態を想定した仮定の話です。

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