仮定法とは?
仮定法とは、現実とは異なる状況や、ありえないことを仮定して話すときに使う文法です。つまり、「もし~だったら…」というような、反事実的な状況を表すために使われます。
なぜ仮定法を使うのか?
- 願望を表す:叶わない願いや、過去の出来事を悔やむときに使います。 例:I wish I were a bird.(私が鳥だったらなあ。)
- 想像を表す:現実には起こりえないことを想像したり、仮定したりするときに使います。 例:If I were you, I would study harder.(もし私があなただったら、もっと一生懸命勉強するだろう。)
仮定法の種類
主な仮定法には、以下の2種類があります。
1. 仮定法過去
- 現在の事実と異なる状況を仮定する
- if節: 動詞を過去形にする(be動詞はwere)
- 主節: would/could/might + 動詞の原形
- 例:If I were a bird, I could fly.(もし私が鳥だったら、飛べるのに。)
2. 仮定法過去完了
- 過去の事実と異なる状況を仮定する
- if節: had + 過去分詞
- 主節: would/could/might + have + 過去分詞
- 例:If I had studied harder, I would have passed the exam.(もしもっと一生懸命勉強していたら、試験に合格できたのに。)
まとめ表
種類 | if節 | 主節 | 意味 |
---|---|---|---|
仮定法過去 | 動詞の過去形 (be動詞はwere) | would/could/might + 動詞の原形 | 現在の事実と異なる状況 |
仮定法過去完了 | had + 過去分詞 | would/could/might have + 過去分詞 | 過去の事実と異なる状況 |
練習問題
以下の文を日本語に訳してみましょう。
- If I had more money, I could buy a new car.
- I wish I could speak English fluently.
- If it rains tomorrow, we will cancel the picnic.
解答
- もしもっとお金があったら、新しい車を買えるのに。
- 流暢に英語を話せたらなあ。
- もし明日雨が降ったら、ピクニックを中止するだろう。
仮定法のそれぞれの種類について、より具体的な例文をたくさん見ていきましょう!
仮定法過去 (現在の事実と異なる状況を仮定)
- 願望:
- If I could fly, I would visit every country in the world. (もし飛べたら、世界中の国を旅行したい。)
- I wish I were taller. (もっと背が高かったらなあ。)
- 想像:
- If I won the lottery, I would buy a big house. (もし宝くじに当たったら、大きな家を建てるだろう。)
- If I were you, I would ask her out. (もし私があなただったら、彼女にデートに誘うだろう。)
- 不確かな未来:
- If it rains tomorrow, we will cancel the picnic. (もし明日雨が降ったら、ピクニックを中止するだろう。)
仮定法過去完了 (過去の事実と異なる状況を仮定)
- 後悔:
- If I had studied harder, I would have passed the exam. (もしもっと一生懸命勉強していたら、試験に合格できたのに。)
- I wish I had told her the truth. (彼女に本当のことを言っていればよかった。)
- 別の結果:
- If we had taken a different route, we wouldn’t have gotten lost. (もし別の道を選んでいたら、迷子にならなかったのに。)
仮定法未来 (未来の不確かなことや、願望を表現)
- 未来の予測:
- If it snows tomorrow, the schools will be closed. (もし明日雪が降ったら、学校は閉まるだろう。)
- 未来の願望:
- If I get a promotion, I will buy a new car. (昇進したら、新しい車を買いたい。)
その他の表現
- as if: まるで~のように
- He acts as if he were a king. (彼はまるで王様のように振る舞う。)
- It’s (high) time + 仮定法過去: もう~する時間だ
- It’s time you went to bed. (もう寝る時間だよ。)
- If it were not for + 名詞: もし~がなければ
- If it were not for my parents, I couldn’t have finished my studies. (両親がいなければ、私は勉強を終えられなかったでしょう。)
練習問題 (日本語を英語に)
- もし私が鳥だったら、空を自由に飛びたい。
- もし昨日雨が降っていなければ、公園に行ったのに。
- もし明日晴れたら、ビーチに行こう。
解答
- If I were a bird, I would fly freely in the sky.
- If it hadn’t rained yesterday, we would have gone to the park.
- If it is sunny tomorrow, let’s go to the beach.
ポイント
- if節: 条件を表す部分
- 主節: 結果を表す部分
- would/could/might: 可能性や能力を表す
- 過去完了: 過去のある時点より前のことを表す
- 未来: 未来の不確かなことを表す
最後に
仮定法は、英語学習において避けて通れない重要な文法項目です。最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ慣れていくことで、より自然な英語表現ができるようになります。