【関係代名詞:文法】関係代名詞の基本や関係代名詞の人称と数の一致について知ろう(練習問題付き)

関係代名詞の基本について知ろう

関係代名詞は、英語の文法の中でも特に重要で、かつ少し複雑に感じられるかもしれません。しかし、その役割と使い方を理解すれば、より豊かで自然な英語表現ができるようになります。

関係代名詞とは?

関係代名詞(relative pronoun)とは、2つの文をつなぎ、前の名詞(先行詞:antecedent)に情報を追加する役割を持つ言葉です。関係代名詞が導く節(関係代名詞節)は、先行詞を修飾する形容詞節の働きをします。

例:

  • I know a boy. (私は少年を知っている。)
  • He speaks English very well. (彼はとても上手に英語を話す。)
  • → I know a boy who speaks English very well. (私はとても上手に英語を話す少年を知っている。)
    • この文で who が関係代名詞で、a boy を修飾する who speaks English very well という節を導いています。

関係代名詞の種類と使い分け

関係代名詞は、先行詞が「人」か「人以外(物・事)」か、そして関係代名詞節の中でどのような「格」(主語、目的語、所有格)になるかによって使い分けます。

先行詞主格 (主語の代わり)目的格 (目的語の代わり)所有格 (〜の、の代わり)
who / thatwhom / who / that (省略可)whose
人以外which / thatwhich / that (省略可)whose

1. 主格の関係代名詞

関係代名詞節の中で主語の役割を果たします。関係代名詞のすぐ後ろに動詞が続きます。

  • who (人)
    • This is the man who saved my life. (これが私の命を救ってくれた男性です。)
  • which (人以外)
    • I bought a book which was very interesting. (私はとても面白い本を買った。)
  • that (人・人以外両方)
    • This is the girl that lives next door. (これが隣に住んでいる女の子です。)
    • This is the car that broke down yesterday. (これが昨日故障した車です。)

2. 目的格の関係代名詞

関係代名詞節の中で目的語の役割を果たします。関係代名詞の後ろに主語と動詞が続きます。目的格の関係代名詞は省略できることが多いです。

  • whom / who (人)
    • This is the student (whom/who) I met yesterday. (これが私が昨日会った学生です。)
  • which (人以外)
    • The movie (which) I saw last night was great. (私が昨夜見た映画は素晴らしかった。)
  • that (人・人以外両方)
    • She is the girl (that) I like most. (彼女は私が一番好きな女の子です。)
    • This is the computer (that) I bought. (これが私が買ったコンピューターです。)

3. 所有格の関係代名詞

関係代名詞節の中で所有を表します。「〜の」という意味になります。

  • whose (人・人以外両方)
    • I know a girl whose father is a doctor. (私は父親が医者である女の子を知っています。)
    • I live in a house whose roof is blue. (私は屋根が青い家に住んでいます。)
    • whose の後ろには必ず名詞が来ます。

制限用法と非制限用法

関係代名詞節には、大きく分けて2つの用法があります。

  1. 制限用法 (Restrictive Clause):
    • 先行詞の意味を限定したり、特定したりします。
    • カンマ(,)は使いません
    • 関係代名詞節がなければ、先行詞がどれを指すのか不明確になることがあります。
    • that が使えます。目的格は省略できます。
    • 例: I have a brother who lives in Canada. (私にはカナダに住んでいる兄/弟がいます。)
      • (兄弟が複数いる中で、カナダに住んでいる「その一人」を指し示している)
  2. 非制限用法 (Non-restrictive Clause):
    • 先行詞に補足的な情報を追加します。先行詞はすでに特定されていることが多いです。
    • 関係代名詞の前に**カンマ(,)**を置きます。
    • 関係代名詞節を取り除いても、文の本質的な意味は変わりません。
    • that は使えません。目的格も省略できません
    • 例: My brother, who lives in Canada, is coming to visit. (私の兄は、カナダに住んでいるのだが、訪ねてくる予定だ。)
      • (兄が一人しかいない場合や、文脈で特定されている場合。補足情報として「カナダに住んでいる」ことを伝えている)

関係副詞との違い

関係代名詞とよく似たものに関係副詞 (when, where, why, how) があります。

  • 関係代名詞: 関係詞節の中で名詞(主語や目的語)の役割を果たす。関係詞節の中は**不完全な文(主語や目的語が欠けている)**になる。
  • 関係副詞: 関係詞節の中で副詞の役割を果たす(時間、場所、理由、方法などを説明する)。関係詞節の中は完全な文になる。
    • 例: This is the house where I was born. (ここは私が生まれた家です。)
      • (I was born は完全な文)
    • 例: This is the house which I bought. (これは私が買った家です。)
      • (I bought の後に目的語が欠けているので which を使う)

前置詞+関係代名詞

前置詞が動詞と結びついていて、その目的語が関係代名詞になる場合、前置詞を関係代名詞の前に置くことができます。これはよりフォーマルな表現です。

  • This is the house in which I used to live. (これは私が以前住んでいた家です。)
    • (よりカジュアルに: This is the house which I used to live in.)
    • (最もカジュアルに: This is the house I used to live in.)

関係代名詞は奥が深いですが、一つずつ理解を深めていくことで、より複雑な情報も簡潔に表現できるようになります。

複雑な⁉関係代名詞について知ろう

複雑な関係代名詞、という場合、いくつかのポイントが考えられます。

  1. 非制限用法: カンマで区切られ、補足情報を提供するもの。
  2. 前置詞+関係代名詞: よりフォーマルな文体で、前置詞が関係代名詞の前に置かれる形。
  3. 先行詞が節全体: 関係代名詞が前の文全体を指す場合。
  4. 「one of the + 複数名詞 + 関係代名詞」の動詞の数の一致: 先行詞の特定が難しい場合。
  5. 複合関係代名詞 (whoever, whateverなど): 先行詞を内包する特殊な関係代名詞。
  6. 省略された関係代名詞: 目的格の関係代名詞が省略されるケース。

これらの「複雑さ」について、それぞれ詳しく見ていきましょう。


1. 非制限用法 (Non-restrictive Clause)

これが「複雑な関係代名詞」と感じられる最も一般的な理由の一つかもしれません。

  • 特徴:
    • 関係代名詞節の前に**必ずカンマ(,)**を置きます。
    • 先行詞に補足的な情報を付け加えます。先行詞は既に特定されている場合が多いです。
    • この節がなくても、文の主要な意味は損なわれません。
    • that は非制限用法では使えません。
    • 目的格の関係代名詞も省略できません。
    • 口語よりも書き言葉でよく使われます。
  • :
    • My brother, who lives in Canada, is coming to visit.
      • (私には兄が一人しかいないので、My brother はすでに特定されています。「カナダに住んでいる」という情報は補足です。)
    • Mount Fuji, which is the highest mountain in Japan, is a beautiful sight.
      • (富士山はすでに特定されており、「日本で最も高い山である」という情報は補足です。)
  • 制限用法との比較:
    • 制限用法: I have a brother who lives in Canada. (私には兄弟が何人かいて、そのうちカナダに住んでいる弟/兄を特定している)
    • 非制限用法: My brother, who lives in Canada, is coming to visit. (兄は一人だが、補足情報としてカナダに住んでいることを加えている)

2. 前置詞+関係代名詞

よりフォーマルな文体で使われ、前置詞が関係代名詞の前に置かれる形です。

  • 特徴:
    • 動詞や名詞と結びつく前置詞が、関係代名詞の前に置かれます。
    • 非制限用法でも使えますが、その場合もカンマが必要です。
    • that の前には前置詞を置けませんwhomwhich を使います。
    • 日常会話では、前置詞が関係代代名詞節の最後に来るカジュアルな形が一般的です。
  • :
    • This is the house in which I used to live. (フォーマル)
      • (カジュアル: This is the house (which/that) I used to live in.)
    • He is a person with whom I can discuss anything. (フォーマル)
      • (カジュアル: He is a person (who/whom/that) I can discuss anything with.)
    • I found the book about which you told me. (フォーマル)
      • (カジュアル: I found the book (which/that) you told me about.)

3. 先行詞が節全体

関係代名詞 which が、前の文全体や節全体を先行詞として指すことがあります。この場合も非制限用法であり、which の前にカンマが来ます。

  • 特徴:
    • 前の文全体の内容について、補足的な情報やコメントを加えます。
    • 必ず which を使い、that は使えません。
  • :
    • He passed the exam, which surprised everyone.
      • (彼が試験に合格したこと全体が、皆を驚かせた。)
    • She arrived late, which made her miss the beginning of the movie.
      • (彼女が遅れて到着したこと全体が、映画の冒頭を見逃す原因となった。)

4. 「one of the + 複数名詞 + 関係代名詞」の動詞の数の一致

これは、主語と動詞の一致のルールが関係代名詞節内でどう適用されるかが複雑になるケースです。

  • 通常(動詞は複数形):
    • He is one of the students who live in the dormitory.
      • 彼は寮に住んでいる学生たちのうちの一人です。
      • 関係代名詞 whothe students を指すので、動詞は複数形の live
      • (寮に住んでいるのは彼を含めた複数の学生たち)
  • 例外(動詞は単数形): 「the only one of the + 複数名詞 + 関係代名詞」の場合。
    • He is the only one of the students who lives in the dormitory.
      • 彼は寮に住んでいる学生の中で唯一の一人です。
      • 関係代名詞 whothe only one を指すので、動詞は単数形の lives
      • (寮に住んでいるのは彼たった一人だけ)

5. 複合関係代名詞 (Compound Relative Pronouns)

whoever, whatever, whichever などで、先行詞を内包しています。「~する人は誰でも」「~するものは何でも」といった意味になります。

  • 特徴:
    • それ自体が名詞節を形成し、文中で主語、目的語、補語の役割を果たします。
    • 先行詞は必要ありません。
  • :
    • Whoever comes first will get a prize.
      • (最初に来る人なら誰でも賞がもらえる。)
    • You can take whatever you want.
      • あなたが欲しいものは何でも持っていっていいよ。)

6. 省略された関係代名詞

目的格の関係代名詞は、特に口語で頻繁に省略されます。文の構造を理解していないと、関係代名詞が省略されていることに気づきにくい場合があります。

  • 特徴:
    • 関係代名詞が目的語の役割を果たしている場合のみ省略可能。
    • who(m), which, that が省略されます。
  • :
    • This is the book (which/that) I bought yesterday.
      • (これが私が昨日買った本です。)
    • He is the man (whom/who/that) I met at the party.
      • (彼が私がパーティーで会った男性です。)

これらの「複雑な」関係代名詞の用法をマスターすることで、より洗練された英語表現が可能になります。特に非制限用法と前置詞+関係代名詞は、書き言葉で頻繁に登場するため、理解が不可欠です。

関係代名詞の数の一致について知ろう

関係代名詞の数の一致とは、関係代名詞が指し示す先行詞(antecedent)と、その関係代名詞節内の動詞の数(単数形か複数形か)を一致させるということです。これは、関係代名詞節内の動詞が、あたかも先行詞を主語にしているかのように振る舞うため、英語の主語と動詞の一致のルールが適用されるからです。

基本ルール

関係代名詞(who, which, thatなど)が主格として使われる場合、その関係代名詞節内の動詞は、関係代名詞の先行詞の数(単数か複数か)に一致させます

例:

  1. 先行詞が単数の場合
    • I have a friend who lives in Tokyo.
      • 私には東京に住んでいる友達がいます。
      • 先行詞: a friend (単数)
      • 関係代名詞: who
      • 動詞: lives (単数形)
    • This is the book which contains useful information.
      • これは役立つ情報を含んでいる本です。
      • 先行詞: the book (単数)
      • 関係代名詞: which
      • 動詞: contains (単数形)
  2. 先行詞が複数の場合
    • I have some friends who live in Tokyo.
      • 私には東京に住んでいる友達が何人かいます。
      • 先行詞: some friends (複数)
      • 関係代名詞: who
      • 動詞: live (複数形)
    • These are the books which contain useful information.
      • これらは役立つ情報を含んでいる本です。
      • 先行詞: the books (複数)
      • 関係代名詞: which
      • 動詞: contain (複数形)

複合的なケースと注意点

① “one of the + 複数名詞 + who/which/that” の場合

この構文では、関係代名詞の先行詞が「one」なのか「複数名詞」なのかによって、動詞の数が変わります。

  • 動詞が複数形になる場合(最も一般的): 関係代名詞が指すのは「複数名詞」の方で、「〜するもののうちの一つ」という意味合い。
    • He is one of the students who passed the exam.
      • 彼は試験に合格した学生たちのうちの一人です。
      • 先行詞: the students (複数) → 動詞 passed (複数形)
      • (合格したのは「学生たち」全員であり、そのうちの彼も含まれる)
  • 動詞が単数形になる場合(まれだが可能): 強調したいのが「one」の方で、「たった一人だけ〜するうちの、その一人」という限定的な意味合い。
    • He is the only one of the students who has passed the exam.
      • 彼は試験に合格した学生の中で唯一の一人です。
      • 先行詞: the only one (単数) → 動詞 has passed (単数形)
      • (合格したのは「彼だけ」であり、他の学生は合格していない)
    • “the only one” という表現がある場合に、この単数形が使われることが多いです。

② 主語が「all」や「some」などの不定量を示す場合

これらの語句が先行詞となる場合、後に続く名詞(または文脈)によって動詞の数が決まります。

  • All that glitters is not gold.
    • 光るものすべてが金とは限らない。
    • 先行詞: All (ここでは不可算名詞扱い) → 動詞 is (単数形)
  • All the students who were absent got the information.
    • 欠席していたすべての学生がその情報を得た。
    • 先行詞: All the students (複数) → 動詞 were (複数形)

③ 非制限用法の場合

先行詞が節全体を指す場合など、特別なケースがあります。

  • He got fired, which was a surprise to everyone.
    • 彼は解雇されたが、それは皆にとって驚きだった。
    • 先行詞: He got fired (節全体) → 動詞 was (単数形)

まとめ

関係代名詞が主格の場合

例文

・This is a boy who has a dog.

(こちらは、犬を飼っている男の子です。)

先行詞の 「a boy」が単数のため「who」の次の動詞も「have→has」になっている。

<one of the + 名詞> や < a kind (type) of + 名詞(複数形)>の場合

<one of the + 名詞> や < a kind of + 名詞>などの場合、続く関係代名詞の数は先行詞(名詞)の数に一致して複数として扱、「1つの~」や「1種類の~」とする場合は、単数で表すことがある。

例文

・This man is one of the great actors who is always kindness.

(こちらの男性は常に優しい、偉大な俳優のうちの1人です。)

・This building is a kind (type) of stores that was dominated by the nation.

(この建物は、国家が統治したお店の一種である。)

他にも「the only one + 名詞」の場合でも、単数で表すことがある。

関係代名詞の数の一致は、基本的には先行詞の数に合わせるというシンプルなルールです。しかし、「one of the」構文や不定量を示す先行詞など、文脈によって先行詞が何を指しているのかを正確に判断する必要がある場合があります。


関係代名詞に関する練習問題


セクション1:英文和訳(Translate the following English sentences into Japanese.)

  1. This is the book which I read last week.
  2. I know a girl who can speak five languages.
  3. Mount Fuji, which is the highest mountain in Japan, is a beautiful sight.
  4. He is the man whose car was stolen yesterday.
  5. This is the restaurant where we had our first date.
  6. She is one of the students who passed the difficult exam.
  7. The problem that we discussed yesterday has been solved.
  8. My neighbor, Mr. Tanaka, whom I often see in the park, is very friendly.
  9. He finally apologized, which was a surprise to everyone.
  10. The company released a product for which there was high demand.

セクション2:和文英訳(Translate the following Japanese sentences into English.)

  1. これが私が探している本です。
  2. この男性は、私が昨日会った人です。
  3. 彼は、犬がとても大きい少年です。
  4. 私の故郷は、私が生まれた場所だ。
  5. 京都は、多くの歴史的な寺院がある都市だ。
  6. 彼女は、いつも人を助けてくれる人だ。
  7. 私は、屋根が赤い家を探している。
  8. その知らせは私を悲しませたが、それは彼らにとっては良いことだった。
  9. 彼女は試験に合格した唯一の生徒だった。
  10. 私が話した相手は、以前会ったことがある人でした。

解答


セクション1:英文和訳の解答

  1. 和訳: これが私が先週読んだ本です。
  2. 和訳: 私は5カ国語を話せる女の子を知っています。
  3. 和訳: 富士山は、日本で最も高い山だが、美しい光景だ。
  4. 和訳: 彼が昨日車を盗まれた男性です。
  5. 和訳: ここが私たちが初めてデートしたレストランです。
  6. 和訳: 彼女は、その難しい試験に合格した学生たちのうちの一人です。
  7. 和訳: 私たちが昨日議論した問題は解決されました。
  8. 和訳: 私の隣人の田中さん(公園でよく会うのだが)は、とても友好的です。
  9. 和訳: 彼はついに謝罪したが、それは皆にとって驚きだった。
  10. 和訳: その会社は、需要が高かった製品を発売した。

セクション2:和文英訳の解答

  1. 英訳: This is the book (which/that) I’m looking for.
    • (目的格の関係代名詞は省略可能)
  2. 英訳: This is the man (whom/who/that) I met yesterday.
    • (目的格の関係代名詞は省略可能)
  3. 英訳: He is the boy whose dog is very big.
  4. 英訳: My hometown is the place where I was born.
  5. 英訳: Kyoto is a city which has many historic temples. (または Kyoto is a city that has many historic temples.)
  6. 英訳: She is a person who always helps others. (または She is a person that always helps others.)
  7. 英訳: I’m looking for a house whose roof is red.
  8. 英訳: The news made me sad, which was good for them.
  9. 英訳: She was the only student who passed the exam. (または She was the only student that passed the exam.)
  10. 英訳: The person (whom/who/that) I spoke to was someone I had met before. (または The person to whom I spoke was someone I had met before. – よりフォーマル)

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