toの基本について知ろう
前置詞 “to” は英語で最も多用される前置詞の一つであり、非常に多くの意味と用法を持ちます。その核となるイメージは「何かへ向かう動き」や「到達点」です。この基本イメージから様々な派生的な意味が生まれます。
1. 基本的な意味と使い方(核となるイメージ:方向、到達点)
- 方向・目的地: ある場所や人に向かって移動する。
- 例: I’m going to Tokyo. (東京へ行く。)
- 例: She walked to the door. (彼女はドアの方へ歩いた。)
- 例: Send this letter to him. (この手紙を彼に送って。)
- 到達点・目標: 何かが達する終点や目的。
- 例: He drove to the station. (彼は駅まで運転した。)
- 例: From Monday to Friday. (月曜日から金曜日まで。)
- 例: The temperature rose to 30 degrees. (気温は30度まで上がった。)
- 関係性・関連性: 何かが何かに属する、関係する。
- 例: This is important to me. (これは私にとって重要だ。)
- 例: Married to a doctor. (医者と結婚している。)
- 例: He is kind to animals. (彼は動物に優しい。)
- 付着・接触: 何かが何かにくっつく、接触する。
- 例: Stick this to the wall. (これを壁に貼り付けて。)
- 例: The key is attached to the chain. (鍵はチェーンにくっついている。)
2. その他の重要な意味と使い方
- 動詞の不定詞 (to + 動詞の原形): 目的、結果、感情の原因などを表す。これは前置詞ではなく、不定詞の一部です。
- 例: I want to learn English. (英語を学びたい。)
- 例: She went out to buy some milk. (牛乳を買いに外出した。)
- 例: I’m happy to hear that. (それを聞いて嬉しい。)
- 注意: 前置詞の “to” の後に動名詞(-ing形)が来る場合と、不定詞の “to” の後に動詞の原形が来る場合があるので、混同しないように注意が必要です。(例: look forward to -ing、object to -ing)
- 比較: あるものと別のものを比較する際の基準。
- 例: Prefer coffee to tea. (紅茶よりコーヒーの方が好きだ。)
- 例: Senior to me. (私より年上だ。)
- 所属・所有: あるものがどこに属しているか。
- 例: The key to the door. (ドアの鍵。)
- 例: The answer to the question. (その質問の答え。)
- 原因・理由: 何かの原因やきっかけ。
- 例: To my surprise,… (驚いたことに、…)
- 例: To our delight,… (私たちは喜んだことに、…)
- 割合・比率: 特定の比率を示す。
- 例: The ratio of 2 to 1. (2対1の比率。)
- 変化・変身: 何かが何かに変わる。
- 例: Change water to ice. (水を氷に変える。)
- 例: Cut it to pieces. (それをバラバラに切る。)
- 意見・態度: 特定の人や物事に対する意見や態度。
- 例: His attitude to work. (彼の仕事に対する態度。)
- 例: What’s your opinion to this? (これに対するあなたの意見は何ですか?)
3. よく使われるコロケーション・フレーズ
“to” は非常に多くの動詞、形容詞、名詞と組み合わさって使われます。
- 動詞 + to
- listen to (〜を聞く)
- talk to (〜に話しかける)
- belong to (〜に属する)
- agree to (〜に同意する)
- reply to (〜に返事をする)
- respond to (〜に応答する)
- lead to (〜につながる、〜を引き起こす)
- send to (〜に送る)
- give to (〜に与える)
- return to (〜に戻る)
- go to (〜へ行く)
- come to (〜へ来る)
- 形容詞 + to
- important to (〜にとって重要)
- kind to (〜に親切)
- grateful to (〜に感謝している)
- rude to (〜に失礼)
- similar to (〜に似ている)
- close to (〜に近い)
- addicted to (〜に中毒になっている)
- 名詞 + to
- answer to (〜への答え)
- key to (〜への鍵、解決策)
- road to (〜への道)
- entrance to (〜への入り口)
- access to (〜へのアクセス)
- solution to (〜への解決策)
- その他フレーズ
- look forward to + V-ing (〜を楽しみにする)
- object to + V-ing (〜に反対する)
- due to (〜が原因で)
- according to (〜によると)
前置詞 “to” は、その根源的な「方向性」や「到達点」のイメージを理解することで、様々な文脈での使い方を把握しやすくなります。多くの用例に触れて、感覚を掴むことが重要です。
toを使ったイディオムを知ろう
前置詞「to」を使ったイディオムは非常にたくさんあります。前置詞は、他の単語(動詞、名詞、形容詞など)と結びついて独特の意味を持つ「句動詞(phrasal verbs)」や「イディオム(idioms)」を形成することが多いためです。

ここでは、特に「to」がそのイディオムの意味形成に重要な役割を果たしているものをいくつか紹介します。
「to」が関わる主要なイディオム
- to the letter:
- 意味: 指示や規則などを「文字通りに、正確に、完全に」守る/実行する。
- 例: She followed the instructions to the letter, but it still didn’t work. (彼女は指示を一字一句正確に守ったが、それでもうまくいかなかった。)
- ニュアンス: 細部まで忠実に、完璧に、という意味合い。
- to no avail:
- 意味: 「無駄に終わる、甲斐なく」何かを試みたが効果がなかった、役に立たなかった。
- 例: We tried to convince him, but to no avail. (私たちは彼を説得しようとしたが、無駄に終わった。)
- ニュアンス: 努力や試みが報われなかったことを示す。しばしば多大な努力が伴うが結果が出ない状況で使われる。
- to a fault:
- 意味: (良い特性について)「度を越して、欠点になるほどに」〜である。
- 例: He’s generous to a fault, always lending money he can’t afford. (彼は度を越して気前が良すぎるので、いつも余裕がないのにお金を貸してしまう。)
- ニュアンス: 良い性質が行き過ぎて、かえって問題や弱点になることを表す。通常、形容詞の後に続きます。
- to one’s (surprise/delight/dismay/relief/etc.):
- 意味: 「(誰々が)〜したことに」という、感情の理由や結果を表す。
- 例: To my surprise, he passed the exam. (私が驚いたことに、彼は試験に合格した。)
- 例: To our delight, the lost dog returned home. (私たちが喜んだことに、迷子になった犬が家に帰ってきた。)
- ニュアンス: 予想外の出来事や、ある状況に対する感情的な反応を表現する。
- to some extent / to a certain extent:
- 意味: 「ある程度まで、いくらかは」
- 例: I agree with you to some extent. (ある程度はあなたに同意します。)
- ニュアンス: 部分的な同意や限定的な範囲を示す。
- to the point:
- 意味: 「的を得た、要領を得た、簡潔な」
- 例: His explanation was clear and to the point. (彼の説明は明瞭で的を得ていた。)
- 対義語: beside the point(的を外れている)
- to the full:
- 意味: 「最大限に、十分に」
- 例: Live your life to the full. (人生を最大限に生きなさい。)
- 類義語: to the max(口語的)
「to + 動名詞 (-ing)」のイディオム的な表現
これらは厳密には「to」が不定詞の「to」ではなく、前置詞の「to」として機能し、その後に動名詞が続く形です。非常に重要で、イディオム的に使われます。
- look forward to -ing: 〜するのを楽しみにする
- 例: I’m looking forward to seeing you. (あなたに会えるのを楽しみにしています。)
- object to -ing: 〜することに反対する
- 例: I object to working on Sundays. (私は日曜日に働くことに反対します。)
- be used to -ing: 〜するのに慣れている
- 例: She is used to getting up early. (彼女は早起きするのに慣れています。)
- when it comes to -ing: 〜することになると、〜のこととなると
- 例: When it comes to cooking, he’s a professional. (料理のこととなると、彼はプロだ。)
- devote oneself to -ing: 〜することに専念する
- 例: He devoted himself to studying English. (彼は英語を学ぶことに専念した。)
「to」を含むイディオムは非常に多く、その意味は文脈や組み合わせる単語によって大きく変わります。多くの場合、それぞれのフレーズとして覚えるのが最も効率的です。
toに関するコラム
英語を習うときになかなか迷ってしまう前置詞。日本人にとってなかなか把握がしずらい品詞である。
前置詞といえば
in,on,to,at,for,up,downなど
単語として読んだり書いたり、聞いたり話したりすることは容易であるが
果たして正しく理解しているのであろうか。
容易に理解することが可能なのだろうか。

目的(相手)に向かって真っすぐ進む
さっそく「to」の意味は
意味・対訳
…(のほう)へ、…まで、…へ、…に、…のほうに(当たって)、…に至るまで、…するほどに、…したことには、…にも、(時刻が)…の(何分)前で
①大きなイメージは一方方向に向かって
②さらなるイメージとして相手に向かって

現在進行形のbe going to ~
以前の
現在進行形のbe going to ~ (~するつもりである)で説明したように。
(例) I am going to study English. (私は英語を勉強するつもりである。)
のように to 以降の study English の目標(ゴール)に向かって私は進んでいる状態である。
ここでも、前置詞のtoのイメージと合致しますね。
be going to は現在進行形⁉ | てばっち教育研究所 (tebatch.com): 【to:前置詞】toの基本やイディオムを知りイメージをつかもう!(コラム・練習問題付き)to と for の違い(to 不定詞はあるのにfor不定詞がない⁉)
to と forの共通点は向かうこと
to と forの異なる点は、はっきりとしたゴール(目的や目標)があるかどうかである。
前置詞のto と for はよく似ているイメージであるとされている。
そこで一つの例として考えていただきたいのはto不定詞はあるのにfor不定詞がないという点である。
しかもto不定詞の場合は動詞が原型になるのに対し、forを使う場合は次に来る動詞はingになる。
①(例)To study English is interesting.(英語を勉強することは面白い。)
②(例)Thank you for studying English together.(一緒に英語を勉強することに感謝します。)
まず①の例文を確認すると
英語を勉強する方向に向かうこと = 面白いという 状態である。
次に②の例文を確認すると
まず、study に ing がついているので躍動感を感じてほしい。
Thank you だ! studying に向かっていることが
forの場合は、実際に一緒に勉強たかはわからない。
創造かもしれない。
まだ一度勉強したことがあるかもわからない。

to には、はっきりとした目標やゴールがある
先ほどの例のように、「to」と「for」の大きな違いは
はっきりとした目標やゴールがありそこに向かっているかで判断するとよい。
to = ゴールに向かって着実に進んでいるかをイメージすることが大切である。
前置詞のtoに親近感を持ってみませんか?

toに関連する練習問題に挑戦しよう
「to」に関する練習問題
セクション1:英文和訳(Translate the following English sentences into Japanese.)
- He walked to the station to catch the first train.
- Please send this email to your manager as soon as possible.
- I prefer tea to coffee in the morning.
- To my surprise, the store was closed even though it was a weekday.
- She is very kind to all the animals.
- He followed the recipe to the letter, but the cake didn’t turn out well.
- Access to the building is restricted to authorized personnel only.
- I’m looking forward to hearing from you soon.
- His speech was short and to the point.
- We tried to persuade her, but to no avail.
セクション2:和文英訳(Translate the following Japanese sentences into English.)
- 私は東京へ行きたい。
- この問題への答えは簡単ではない。
- 彼女は早起きすることに慣れている。
- 私たちが喜んだことに、彼は試験に合格した。
- 彼らの努力は無駄に終わった。
- 私は料理のこととなると、あまり得意ではない。
- 彼はいつも友達に親切だ。
- その音は私には大きすぎた。
- 彼らは計画を正確に実行した。
- この道は駅につながっている。
解答
セクション1:英文和訳の解答
- 和訳: 彼は始発列車に乗るために駅へ歩いた。
- 和訳: このメールをできるだけ早くあなたのマネージャーに送ってください。
- 和訳: 私は朝はコーヒーより紅茶の方が好きです。
- 和訳: 驚いたことに、平日にもかかわらず店は閉まっていた。
- 和訳: 彼女は全ての動物にとても親切です。
- 和訳: 彼はレシピを**文字通りに(正確に)**守ったが、ケーキはうまくいかなかった。
- 和訳: 建物への立ち入りは、許可された職員のみに制限されています。
- 和訳: 近いうちにお返事をいただけるのを楽しみにしております。
- 和訳: 彼のスピーチは短く、的を得ていた。
- 和訳: 私たちは彼女を説得しようとしたが、無駄に終わった。
セクション2:和文英訳の解答
- 英訳: I want to go to Tokyo.
- 英訳: The answer to this question is not easy.
- 英訳: She is used to getting up early.
- 英訳: To our delight, he passed the exam.
- 英訳: Their efforts came to no avail.
- 英訳: When it comes to cooking, I’m not very good.
- 英訳: He is always kind to his friends.
- 英訳: The sound was too loud to me.
- 英訳: They followed the plan to the letter.
- 英訳: This road leads to the station.