受動態について知ろう
受動態は、英語の文法でとっても重要な表現方法です。能動態が「〜が〜する」と動作を行う側を主語にするのに対し、受動態は**「〜が〜される」**と、動作を受ける側を主語にする形です。
受動態の基本形
受動態の形はいつも同じパターンです。
be動詞 + 過去分詞 (Vp.p.)
- be動詞は、文の主語と時制に合わせて形が変わります (例:
am
,is
,are
,was
,were
,be
,been
,being
など)。 - 過去分詞は、動詞の3つ目の形で、規則動詞なら
-ed
をつけ、不規則動詞は個別の形になります (例:play
→played
,eat
→eaten
)。
例:
- 能動態: I eat an apple. (私がリンゴを食べる。)
- 受動態: An apple is eaten by me. (リンゴが私に食べられる。)
なぜ受動態を使うの?
受動態を使うのには、いくつか理由があります。
- 誰がやったか分からない、または重要ではない時 誰がその動作をしたのか不明な場合や、伝える必要がない場合に受動態を使います。
- The window was broken last night. (窓が昨夜割られました。)
- (誰が割ったのかはっきりさせたくない、または重要ではない。)
- The window was broken last night. (窓が昨夜割られました。)
- 動作を受けるものに焦点を当てたい時 文の中で、動作の受け手(対象)を主役にしたい場合に受動態を使います。
- This book was written by a famous author. (この本は有名な作家によって書かれました。)
- (「本」に焦点を当てていて、誰が書いたかは補足情報。)
- This book was written by a famous author. (この本は有名な作家によって書かれました。)
- 客観的でフォーマルな印象を与えたい時 ニュース記事、科学論文、公式な発表など、個人的な感情を避け、客観的な事実を述べたいときに使われます。
- New regulations will be implemented next month. (新しい規制は来月施行されます。)
- (特定の誰かが施行するというよりも、規制が施行されるという事実を強調。)
- New regulations will be implemented next month. (新しい規制は来月施行されます。)
受動態の作り方
能動態の文を受動態にする基本的な手順は次の通りです。
能動態の文: 主語 + 動詞 + 目的語
- 能動態の「目的語」を受動態の「主語」にします。
- 動詞を「be動詞 + 過去分詞」の形に変えます。
- be動詞は、新しい主語と元の動詞の時制に合わせます。
- 能動態の「主語」を「by + 動作主」として文の最後に加えます。(省略されることも多い)
- 動作主が不明、重要ではない、または「人々 (people)」「誰か (someone)」といった一般的な人である場合は、
by + 動作主
は省略されることがほとんどです。
- 動作主が不明、重要ではない、または「人々 (people)」「誰か (someone)」といった一般的な人である場合は、
例:
- 能動態: My mother made this cake. (母がこのケーキを作った。)
- 受動態: This cake was made by my mother. (このケーキは母によって作られた。)
様々な時制と助動詞との組み合わせ
受動態は、他の時制や助動詞と組み合わせて使うこともできます。
- 現在進行形: be動詞 + being + 過去分詞
- The house is being built. (その家は建てられているところだ。)
- 現在完了形: have/has + been + 過去分詞
- The letter has been sent. (その手紙は送られた。)
- 助動詞: 助動詞 + be + 過去分詞
- This problem can be solved. (この問題は解決できる。)
前置詞byについて知ろう
前置詞の「by」は、英語で非常に多岐にわたる意味を持つ単語です。主に近接、手段・方法、動作主、期限などを表すのに使われます。

「by」の主な意味と使い方
1. 近接・場所:「〜のそばに」「〜の近くに」
物理的な距離が近いことを示します。
- He sat by the window. 彼は窓のそばに座った。
- Our house is by the river. 私たちの家は川のそばにある。
2. 手段・方法:「〜によって」「〜で」
何かを行う手段や方法を示します。交通手段や通信手段によく使われます。
- I go to work by train. 私は電車で仕事に行く。
- Please send the document by email. その書類をEメールで送ってください。
- You can learn English by reading books. 本を読むことによって英語を学ぶことができる。
3. 動作主(受動態):「〜によって」
受動態の文で、その動作を行った主体(動作主)を示すときに使われます。
- This book was written by a famous author. この本は有名な作家によって書かれた。
- The window was broken by a ball. 窓はボールによって割られた。
4. 期限・期日:「〜までに」
ある動作や状態が、特定の日時までに完了することを示すときに使われます。この場合、「遅くとも〜までには」というニュアンスを含みます。
- Please finish the report by Friday. 金曜日までにレポートを終えてください。
- I will be back by 5 p.m. 午後5時までに戻ります。
5. 差・程度:「〜だけ」「〜の差で」
数量や程度の差を示すときに使われます。
- He won the race by two seconds. 彼は2秒差でレースに勝った。
- The price increased by 10%. 価格が10%上がった。
6. 単位:「〜ごとに」
何かを数える際の単位や、その頻度を示します。
- They sell eggs by the dozen. 彼らは卵をダース単位で売っている。
- Payments are made by the month. 支払いは月ごとに行われる。
7. 誓い・根拠:「〜にかけて」「〜によって」
誓いや、何かを判断する根拠を示すフォーマルな表現です。
- By God, I will do it! 神に誓って、私はそれをやります!
- He knows the law by heart. 彼は法律を暗記している。
まとめ
「by」は非常に多くの意味を持つため、文脈によってその意味を判断することが重要です。特に、手段・方法、動作主、期限の3つは非常によく使われるので、しっかりと覚えておきましょう。
動作をする主体の前にby以外の前置詞「at,with,inなど」をつけるのは、 be動詞の次の過去分詞が形容詞となって、状態を表す場合である。過去分詞がこのようにつ合われても、動作主の存在が大きく感じられた場合には「by」を用いる。
「by」以外の前置詞を用いる受動態
受動態では「〜によって」という動作主を示すために by
が最も一般的ですが、動詞によっては特定の状況や状態を表すために異なる前置詞が使われることがあります。これらの前置詞は、多くの場合、決まった動詞とセットで使われる慣用表現として覚えるのが効果的です。

主なものをいくつかご紹介しましょう。
1. be filled with / be covered with / be packed with(〜で満たされている/覆われている/詰まっている)
これらの表現は、中に何かがたくさん入っている、または表面が何かで覆われている状態を表します。動作主というよりも、中身や素材を示すニュアンスが強いです。
- The box was filled with old books. (その箱は古い本で満たされていました。)
- The ground was covered with snow. (地面は雪で覆われていました。)
- The train was packed with commuters. (電車は通勤客でぎゅうぎゅう詰めでした。)
2. be interested in(〜に興味がある)
「興味を持たされている」という受動の意味で使われますが、日本語では「〜に興味がある」と訳すのが自然です。
- I am interested in Japanese culture. (私は日本文化に興味があります。)
- She is interested in learning new languages. (彼女は新しい言語を学ぶことに興味があります。)
3. be surprised at / by(〜に驚く)
何か予期せぬ出来事や情報に対して驚いた状態を表します。at
と by
はどちらも使われますが、by
は少しフォーマルな響きがあります。
- He was surprised at the news. (彼はそのニュースに驚きました。)
- We were surprised by his sudden visit. (私たちは彼の突然の訪問に驚かされました。)
4. be pleased with(〜に喜んでいる/満足している)
特定の物事や結果に満足している状態を示します。
- The teacher was pleased with my progress. (先生は私の進歩に満足していました。)
- She is pleased with her new car. (彼女は新しい車に満足しています。)
5. be known to / for / as(〜に知られている/〜で知られている/〜として知られている)
「知られている」対象や理由、種類によって前置詞が変わります。
- to:人に知られている
- He is known to everyone in the town. (彼は町のみんなに知られています。)
- for:〜という理由・特徴で知られている
- Japan is known for its beautiful cherry blossoms. (日本はその美しい桜で知られています。)
- as:〜という役割・身分・名称で知られている
- He is known as a talented artist. (彼は才能ある芸術家として知られています。)
6. be made of / from(〜でできている)
物が何でできているかを示す際に使われます。
- of:素材が目で見てわかる場合、加工が少ない場合
- This table is made of wood. (このテーブルは木でできています。)
- from:素材が加工され、元の形がわからない場合
- Wine is made from grapes. (ワインはブドウから作られます。)
7. be worried about(〜を心配している)
何かについて心配している状態を示します。
- She is worried about her exam results. (彼女は試験の結果を心配しています。)
8. be accustomed to / be used to(〜に慣れている)
何かやることや状況に慣れている状態を示します。
- I am accustomed to waking up early. (私は早起きすることに慣れています。)
- He is used to the cold weather. (彼は寒い気候に慣れています。)
by以外を使う受動態について深く知ろう
感情表現
英語では「興味を持った、驚いた」などの「感情表現」については受動態で表現する。
・I was surprised at that news.
(私は、そのニュースに驚いた。)
・I‘m interested in speaking English.
(私は、英語を話すことに興味があります。)
その他の慣用句的な表現について
・The car is covered with snow.
(その車は、雪で覆われている。)
・A large circle was drawn with a red marker.
(赤いマーカーで、大きな円が描かれている。)
・The Mt. Fuji is known to people all over the world.
(富士山は、世界中の人々に知られている。)
・The man was caught in a sudden shower at that time.
(その男性は、その時にわか雨に見舞われた。)
・He was engaged in driving.
(彼は、運手に従事していた。)
・The woman was dressed in a red dress.
(その女性は、赤いドレスを着ていた。)
・I am satisfied with the score.
(私は、その得点に満足している。)
従位節の主語を文の主語とした受動態について
従位節の主語を主節の主語として受動態にする場合がある。
(能動態)I think that he tells a lie.
(受動態)It is thought that he tells a lie
(受動態)He is thought to be told a lie.
(彼は、嘘をついていると思われている。)
(能動態)Many people said that the boy was smart.
(受動態)It was said that the boy was smart.
(受動態)The boy was said to be smart.
(その男の子は、賢いと言われていた。)
(能動態)It seems that the boy has been told a lie.
(受動態)The boy seems to have been told a lie.
(その男の子は、嘘をつかれているらしい。)
「能動態」よりも「受動態」の方が口語的である。
句動詞の受動態(まとめ)=発展=
句動詞の受動態のポイントは、句動詞としてまとまって他動詞の働きをするので、「1つのまとまった動詞」として扱うことにある。
「他動詞+副詞」を受動態で表現する場合
(能動態)The CEO put off the meeting.
(受動態)The meeting was put off by the CEO.
(この会議は、CEOによって延期された。)
(能動態)The students picked up the flowers.
(受動態)The flowers were picked up by the students.
(その花は、生徒たちによって拾い上げられた。)
「by」以外の前置詞を用いる受動態 練習問題

英文和訳 (English to Japanese)
指示: 以下の英文を日本語に訳しなさい。
- The stadium was filled with cheering fans.
- She is interested in learning foreign languages.
- He was surprised at the sudden news.
- The ground was covered with a thick layer of dust.
- The teacher was pleased with my essay.
- This wine is made from grapes.
- He is known for his kindness.
- I am worried about my exam results.
- The room was decorated with colorful balloons.
- The children were excited about the trip.
和文英訳 (Japanese to English)
指示: 以下の日本語を「by」以外の前置詞を用いる受動態を使って英文に訳しなさい。
- そのコップは水で満たされていた。
- 私はその結果に驚いた。
- 彼女はジャズ音楽に興味がある。
- その山は雪で覆われている。
- 彼はその提案に満足していた。
- このチーズは牛乳から作られる。
- 彼は正直さで知られている。
- 私はその計画について心配している。
- その壁は絵で飾られていた。
- 私は早起きすることに慣れている。
解答例
英文和訳の解答例
- スタジアムは歓声を上げるファンで満たされていた。
- 彼女は外国語を学ぶことに興味がある。
- 彼は突然の知らせに驚いた。
- 地面は厚いほこりの層で覆われていた。
- 先生は私のエッセイに満足していた。
- このワインはブドウから作られる。
- 彼は親切さで知られている。
- 私は試験の結果を心配している。
- 部屋はカラフルな風船で飾られていた。
- 子供たちは旅行に興奮していた。
和文英訳の解答例
- The glass was filled with water.
- I was surprised at the result.
- She is interested in jazz music.
- The mountain is covered with snow.
- He was pleased with the proposal.
- This cheese is made from milk.
- He is known for his honesty.
- I am worried about the plan.
- The wall was decorated with paintings.
- I am used to waking up early. / I am accustomed to waking up early.