【受動態:文法】受動態について確認し、受動態が好まれる場合について知ろう!(練習問題付き)

受動態について知ろう

受動態は、**「〜される」**という意味を表す文法形式です。動作を行う人(主語)ではなく、動作の対象となるものを主役にして文を作るときに使われます。

1. 受動態の基本的な形

受動態は、be動詞 + 過去分詞 の形で表されます。

  • be動詞:主語と時制に合わせて形が変わります(am, is, are, was, were, beなど)。
  • 過去分詞:動詞の3番目の形です。

基本文型: 目的語be動詞 + 過去分詞 + by + 主語

  • 能動態: My mother made this cake. (母がこのケーキを作った。)
  • 受動態: This cake was made by my mother. (このケーキは母によって作られた。)

この例では、能動態の目的語 this cake が受動態の主語になり、能動態の主語 my motherby の後に置かれます。


2. 受動態を使う理由

受動態を使う主な理由は以下の通りです。

  • 動作を行った人が不明、または重要でないとき
    • The window **was broken** last night. (窓が昨夜割られた。)
    • 誰が割ったかは重要ではない、または不明な場合。
  • 動作の対象を強調したいとき
    • This book **was written** by a famous author. (この本は有名な作家によって書かれた。)
    • 本が主役で、作家が誰であるかを強調したい場合。
  • 一般的な事実やルールを述べるとき
    • English **is spoken** in many countries. (英語は多くの国で話されている。)
    • 誰が話すかではなく、言語そのものに焦点を当てている。

3. 受動態にできない動詞

自動詞は目的語を持たないため、受動態にすることはできません

  • arrived(到着した)や slept(寝た)のような自動詞は、動作が主語だけで完結するため、受動態の形にはなりません。
    • : The train arrived at the station.
    • : The station was arrived at by the train.

受動態の書き換えについて知ろう

受動態の書き換えについて、基本的なルールと例文を交えて説明します。


受動態への書き換えの基本ルール

受動態は「主語が〜される」という文で、**能動態の文の「目的語」**を文の主語にすることで作られます。

  1. 能動態の目的語を受動態の主語にする。
  2. 能動態の動詞を**「be動詞 + 過去分詞」**の形に変える。このbe動詞は、能動態の時制と新しい主語(元の目的語)に合わせて変化させる。
  3. 能動態の主語を**「by + 動作主」**として文の最後に置く。もし動作主が誰か不明だったり、重要でなかったりする場合は省略できる。

基本形:

  • 能動態: 主語 + 動詞 + 目的語
  • 受動態: 目的語 + be動詞 + 過去分詞 + (by + 主語)

例文:

  • 能動態: He wrote this book. (彼はこの本を書いた。)
    1. 能動態の目的語 this book を主語にする。
    2. wrote は過去形なので、be動詞も過去形 was にし、wrote の過去分詞 written を続ける。
    3. 能動態の主語 Heby him として文末に置く。
  • 受動態: This book was written by him. (この本は彼によって書かれた。)

時制ごとの書き換え

受動態のbe動詞は、能動態の時制によって変化します。

1. 現在形

  • 能動: She **makes** delicious cakes. (彼女は美味しいケーキを作る。)
  • 受動: Delicious cakes **are made** by her. (美味しいケーキは彼女によって作られる。)

2. 過去形

  • 能動: They **built** this house. (彼らがこの家を建てた。)
  • 受動: This house **was built** by them. (この家は彼らによって建てられた。)

3. 未来形

  • 能動: We **will solve** the problem. (私たちがその問題を解決するだろう。)
  • 受動: The problem **will be solved** by us. (その問題は私たちによって解決されるだろう。)

4. 進行形

  • 能動: He **is writing** a letter. (彼は手紙を書いているところだ。)
  • 受動: A letter **is being written** by him. (手紙は彼によって書かれているところだ。)

5. 完了形

  • 能動: She **has finished** the report. (彼女はその報告書を終えた。)
  • 受動: The report **has been finished** by her. (その報告書は彼女によって終えられた。)

受動態が好まれるとき

1. 動作を行った人が不明または重要でない場合

誰がその動作をしたか分からないときや、それが重要ではないときに受動態が使われます。動作の対象そのものに焦点を当てたい場合に有効です。

  • The window was broken last night. (窓が昨夜割られた。)
    • 誰が窓を割ったかは重要ではありません。

2. 動作の対象を強調したい場合

能動態の目的語だったものを、文の主語にすることで強調できます。特に、文の冒頭に置くことで、読み手の注意を引くことができます。

  • This book was written by a famous author. (この本は有名な作家によって書かれた。)
    • 作家よりも、本そのものに焦点を当てたい場合に使います。

3. 一般的な事実やルールを述べるとき

不特定多数の人々が関わる行為や、一般的な事実、規則を述べるときによく使われます。

  • English is spoken in many countries. (英語は多くの国で話されている。)
    • 特定の誰かではなく、一般的な事実を述べています。

4. 責任を避ける場合

誰が責任を負うのかをあいまいにするために、あえて受動態が使われることがあります。ビジネスや公式な文書でよく見られます。

  • A mistake was made. (ミスがなされた。)
    • 「誰がミスをしたか」を明確にせずに、ミスという事実だけを伝えています。

受動態の主語に重点を置いて表現したい場合

①過程や結果などに重点を置く場合

・Fermat’s Last Theorem was made out by nobody.

(フェルマーの最終定理は、誰にも理解をされていなかった。

②ニュースなどで受動態の主語に重点を置く場合

・The birth rate was gradually improved by the mayor.

(出生率は、市長によって徐々に改善された。

談話の流れによる場合

①動作の主体が不明である場合

・The window was broken.

(その窓は、壊されていた。)

・The door was opened in the end.

(そのドアは、最終的に開けられていた。)

②主語を変えないで文を続ける場合。

・I went to see the movie and was satisfied with the story.

(私は映画を見に行って、その物語に満足した。)

動作主体よりも結果や状態を強調したい場合

  • 例: この本は多くの人々に読まれています。
    • 受動態を使うことで、「多くの人々に読まれている」という状態に焦点を当て、誰が書いたかよりも、本が読まれているという事実を強調しています。

2. 動作主体が不明、不特定、または不重要である場合

  • 例: この窓は毎日掃除されます。
    • 誰が窓を掃除するかよりも、窓が毎日掃除されるという事実が重要であるため、受動態が使われます。

3. 客観的な事実を述べたい場合

  • 例: この製品は日本で作られています。
    • 客観的な事実を淡々と述べる場合、受動態を用いることで、より客観的な印象を与えることができます。

4. マニュアルや説明書など、手順を説明する場合

  • 例: まず、ボタンを押してください。
    • 手順を説明する場合、受動態を用いることで、より簡潔かつ客観的に説明することができます。

5. 形式的な文章や論文を書く場合

  • 例: この実験は慎重に行われました。
    • 形式的な文章では、受動態を用いることで、より客観的で厳密な印象を与えることができます。

6. 強調したい語句を文頭に置きたい場合

  • 例: By John, this book was written.
    • 「Johnによって」という部分を強調したい場合、文頭に置くために受動態を用いることがあります。

まとめると

受動態は、文の焦点を動作を受ける部分に移し、客観的な事実を述べたり、手順を説明したりする際に有効な手段です。しかし、文が長くなりすぎたり、意味が不明瞭になる場合は、能動態を用いた方が良い場合もあります。

受動態を使うか能動態を使うかは、文脈や何を強調したいかによって適切なものを選ぶことが重要です。

その他

  • by + 行為者: 受動態の文で、動作を行った者を表す場合は、byを用います。
  • get + 過去分詞: 受動態の代わりに、get + 過去分詞の形で表すこともできます。

例: The window was broken. → The window got broken.

受動態が好まれるときに関する問題に挑戦しよう!

問題

英文和訳(以下の英文を和訳しなさい)

  1. This book was written by a famous author.
  2. The city was destroyed by the earthquake.
  3. The window was broken last night.
  4. English is spoken in many countries.
  5. All flights were canceled due to the storm.
  6. The report has been completed.
  7. A new school will be built next year.
  8. My car was stolen last week.
  9. This song is loved by many people.
  10. The project was finished ahead of schedule.

和文英訳(以下の日本語を受動態を使って英訳しなさい)

  1. その間違いは彼によってなされました。
  2. この家は100年前に建てられました。
  3. その規則は来週発表されるでしょう。
  4. このチーズはイタリアで作られています。
  5. 私の財布は誰かに盗まれました。
  6. このニュースは世界中で伝えられました。
  7. そのプロジェクトはすでに完了しています。
  8. 彼の自転車は修理されているところです。
  9. 会議は明日開催される予定です。
  10. 多くの人々がその事故で負傷しました。

解答

英文和訳

  1. この本は有名な作家によって書かれました。
  2. その都市は地震によって破壊されました。
  3. その窓は昨夜割られました。
  4. 英語は多くの国で話されています。
  5. その嵐のため、すべての便が欠航されました。
  6. その報告書は完了しました。
  7. 来年、新しい学校が建てられるでしょう。
  8. 私の車は先週盗まれました。
  9. この歌は多くの人々に愛されています。
  10. そのプロジェクトは予定より早く終わりました。

和文英訳

  1. The mistake was made by him.
  2. This house was built 100 years ago.
  3. The rule will be announced next week.
  4. This cheese is made in Italy.
  5. My wallet was stolen by someone.
  6. The news was reported all over the world.
  7. The project has already been completed.
  8. His bicycle is being repaired.
  9. The meeting will be held tomorrow.
  10. Many people were injured in the accident.

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