分詞について知ろう
分詞とは
分詞は、動詞の形を変えて形容詞や副詞の働きをさせるものです。主に現在分詞と過去分詞の2種類があります。分詞を使うことで、複数の文を一つの文にまとめたり、名詞に詳しい情報を付け加えたりすることができます。
1. 現在分詞 (V-ing)
現在分詞は「〜している」「〜しているところの」といった能動や進行中の意味を表します。
- 形: 動詞の原形に
-ing
をつけた形 (例:talking
,running
,boring
)
形容詞の働き
名詞を修飾します。
a **sleeping** baby
(眠っている赤ちゃん)the boy **talking to Jane**
(ジェーンと話している少年) ※ 別の語句を伴う場合は、名詞の後ろに置かれます。
副詞の働き (分詞構文)
文全体に意味を付け加えます。
- Walking along the street, I found a wallet. (道を歩いていると、財布を見つけた。)
2. 過去分詞 (V-ed)
過去分詞は「〜された」「〜されたところの」といった受動や完了の意味を表します。
- 形: 動詞の原形に
-ed
をつけた形 (例:broken
,spoken
,written
)。不規則動詞が多いので注意が必要です。
形容詞の働き
名詞を修飾します。
a **broken** chair
(壊れた椅子)the cake **made by my sister**
(姉によって作られたケーキ) ※ 別の語句を伴う場合は、名詞の後ろに置かれます。
副詞の働き (分詞構文)
文全体に意味を付け加えます。
- Written in simple English, the book is easy to understand. (簡単な英語で書かれているので、その本は理解しやすい。)
分詞の使い分けの注意点
特に感情を表す動詞の分詞には注意が必要です。
- 現在分詞 (V-ing): **「〜させるような」**という意味で、原因・性質を表します。
a **boring** story
(退屈な話) → 話が人に退屈な感情を起こさせる。
- 過去分詞 (V-ed): **「〜させられた」**という意味で、結果・状態を表します。
a **bored** boy
(退屈している少年) → 少年が退屈な状態になっている。
分詞の前置修飾を知ろう
前置修飾とは
前置修飾は、単独の分詞が名詞の前に置かれて、その名詞を修飾する用法です。形容詞が名詞を修飾するのと同じように働きます。

- 例:
a **smiling** girl
(微笑んでいる女の子) - 例:
a **broken** window
(壊れた窓)
現在分詞と過去分詞の使い分け
前置修飾では、分詞が表す意味が能動か受動かによって、現在分詞と過去分詞を使い分けます。
1. 現在分詞(-ing形)
能動的な意味や進行中の動作を表し、「〜している」という意味で名詞を修飾します。修飾される名詞が、その動作を自分自身で行っている場合に用います。
a **crying** baby
(泣いている赤ちゃん)- → 赤ちゃんが自分で泣いている(能動)
a **sleeping** boy
(眠っている少年)- → 少年が自分で眠っている(能動)
2. 過去分詞(-ed形)
受動的な意味や完了した動作を表し、「〜された」という意味で名詞を修飾します。修飾される名詞が、その動作を他者から受けた場合に用います。
a **damaged** car
(損傷した車)- → 車は誰かに損傷させられた(受動)
a **written** report
(書かれた報告書)- → 報告書は誰かによって書かれた(受動)
前置修飾と後置修飾の違い
分詞が名詞を修飾する方法には、前置修飾以外に「後置修飾」があります。これは、分詞が他の語句を伴って名詞を修飾する場合に使われます。
- 前置修飾(単独):
a **crying** baby
- 後置修飾(他の語句を伴う):
a baby **crying in the room**
(部屋で泣いている赤ちゃん)
分詞の後置修飾について知ろう
後置修飾とは
後置修飾は、分詞が他の語句を伴い、分詞句として名詞の後ろに置かれてその名詞を修飾する用法です。分詞が単独ではなく、まとまった意味を持つ一つの塊として名詞を説明します。

- 例:
the man sitting on the bench
(ベンチに座っている男性)- この文では、
sitting
という分詞が単独ではなく、on the bench
という前置詞句を伴い、sitting on the bench
という一つの分詞句を形成しています。
- この文では、
後置修飾では、分詞が表す意味が能動か受動かによって使い分けます。
後置修飾における現在分詞と過去分詞
1. 現在分詞(-ing形)
能動や進行中の動作を表し、「〜している」という意味で名詞を修飾します。修飾される名詞が、その動作を自分自身で行っている場合に用います。
the boy **reading a book**
(本を読んでいる少年)- 少年が「読む」という動作を自分で行っている。
the car **running on the highway**
(高速道路を走っている車)- 車が「走る」という動作を自分で行っている。
2. 過去分詞(-ed形)
受動や完了の動作を表し、「〜された」という意味で名詞を修飾します。修飾される名詞が、その動作を他者から受けた場合に用います。
the letter **written in English**
(英語で書かれた手紙)- 手紙が誰かによって「書かれた」。
the cake **made by my mother**
(母によって作られたケーキ)- ケーキが母によって「作られた」。
前置修飾との使い分け
分詞の修飾語句の有無によって、前置修飾と後置修飾を使い分けます。
- 前置修飾: 単独の分詞が名詞を修飾する場合
a **sleeping** baby
(眠っている赤ちゃん)
- 後置修飾: 分詞が他の語句を伴って修飾する場合
a baby **sleeping in the crib**
(ベビーベッドで眠っている赤ちゃん)
分詞に関する練習問題に挑戦しよう!

問題
次の文が正しいか間違っているか、理由を添えて答えなさい。
- Sleeping baby is cute.
- Broken window was repaired yesterday.
- Smiling face made me happy.
- Running car is fast.
- Falling leaf is beautiful.
- Eating apple, I felt full.
- Watched TV, he went to bed.
- Written by him, the book is interesting.
- Knowing the result, she was disappointed.
- Built in 1990, the house is old.
解答と解説
- 〇 正しい。現在分詞「sleeping」が名詞「baby」を修飾している。
- × 不適切。過去分詞「broken」は、主語である窓が壊されたという受動の意味を表す。しかし、文脈から見て、窓が自ら壊れたという解釈になってしまう。正しい表現は「The broken window was repaired yesterday.」
- 〇 正しい。現在分詞「smiling」が名詞「face」を修飾している。
- 〇 正しい。現在分詞「running」が名詞「car」を修飾している。
- 〇 正しい。現在分詞「falling」が名詞「leaf」を修飾している。
- 〇 正しい。分詞構文で、「リンゴを食べながら、私はお腹いっぱいになった」という意味。
- × 不適切。分詞構文の主語と文の主語が一致していない。正しい表現は「Having watched TV, he went to bed.」
- 〇 正しい。過去分詞「written」が名詞「book」を修飾しており、「彼によって書かれた本」という意味。
- 〇 正しい。分詞構文で、「結果を知って、彼女は失望した」という意味。
- 〇 正しい。過去分詞「built」が名詞「house」を修飾しており、「1990年に建てられた家」という意味。
ポイント
- 現在分詞: 動作の途中を表す。
- 過去分詞: 動作の完了、受動、状態を表す。
- 分詞構文: 副詞節の働きをする。分詞の主語と文の主語が一致することが大切。
より高度な問題へ
これらの基礎問題を理解したら、より複雑な文構造や、分詞構文の倒置など、より高度な問題に挑戦してみましょう。
例えば、
- 分詞構文の倒置: Given the opportunity, I would like to study abroad.(機会があれば、留学したい。)
- 分詞構文と副詞節の使い分け: Walking down the street, I met my friend.(通りを歩いていたら、友達に会った。)
これらの問題を通して、分詞の理解を深め、英語力を向上させていきましょう!