【不定詞:文法】不定詞の基礎・基本である「to不定詞と原形不定詞」の違いを確認しよう!(練習問題付き)

不定詞の基本を確認しよう


不定詞 (Infinitive) は、英語の動詞の形の一つで、動詞の原形に to がついた形(to不定詞)、または**to がつかない原形のみの形(原形不定詞)のことです。動詞でありながら、文中で名詞、形容詞、副詞**のような働きをすることができます。

1. to不定詞 (To-Infinitive)

最も一般的な不定詞の形です。to + 動詞の原形 で構成されます。

a. 名詞的用法 (To act as a Noun)

文中で主語、目的語、補語の役割を果たします。

  • 主語として:
    • To learn English is fun. (英語を学ぶことは楽しい。)
  • 動詞の目的語として:
    • I want to go home. (私は家に帰りたい。)
    • She decided to study abroad. (彼女は留学することを決めた。)
  • 補語として:
    • My dream is to travel around the world. (私の夢は世界中を旅することだ。)

b. 形容詞的用法 (To act as an Adjective)

直前の名詞を修飾し、その名詞がどのようなものか、または何をするためのものかを示します。

  • I have a lot of homework to do. (私にはすべき宿題がたくさんある。)
  • He needs a pen to write with. (彼には書くためのペンが必要だ。)
  • This is a good book to read. (これは読むのに良い本だ。)

c. 副詞的用法 (To act as an Adverb)

動詞、形容詞、または副詞を修飾し、目的、原因・理由、結果、判断の根拠などを表します。

  • 目的: (〜するために)
    • He came here to see me. (彼は私に会うためにここに来た。)
    • She studies hard to pass the exam. (彼女は試験に合格するために一生懸命勉強する。)
  • 原因・理由: (〜して)
    • I was happy to hear the news. (その知らせを聞いて嬉しかった。)
    • She was surprised to see him. (彼を見て驚いた。)
  • 結果: (〜した結果)
    • He grew up to be a famous musician. (彼は成長して有名な音楽家になった。)
    • She worked hard, only to fail the exam. (彼女は一生懸命働いたが、結局試験に落ちただけだった。)
  • 判断の根拠: (〜するとは)
    • He must be rich to buy such a car. (そんな車を買うとは、彼はお金持ちに違いない。)
  • 形容詞の修飾: (〜するには)
    • This problem is difficult to solve. (この問題は解決するのが難しい。)

2. 原形不定詞 (Bare Infinitive)

to を伴わず、動詞の原形のみで使われる形です。

a. 助動詞の後ろに続く場合

can, will, must, should, may などの助動詞の後に続きます。

  • I can swim. (私は泳ぐことができる。)
  • You must study. (あなたは勉強しなければならない。)

b. 知覚動詞 (see, hear, feel, watch, notice) の目的語の後に続く場合

目的語が動作を最初から最後まで行ったことを示す場合に用います。

  • I saw him play soccer. (彼がサッカーをするのを見た。)
  • She heard me sing a song. (彼女は私が歌を歌うのを聞いた。)

c. 使役動詞 (make, have, let) の目的語の後に続く場合

目的語に何かをさせる、許可する、といった使役の意味を表します。

  • My mother made me clean my room. (母は私に部屋を掃除させた。)
  • I’ll let you use my computer. (私のコンピューターを使わせてあげるよ。)
  • He had me fix his car. (彼は私に車を修理させた。)

d. had better, would rather の後ろに続く場合

  • You had better go now. (今すぐ行ったほうがいい。)
  • I would rather stay home. (私は家にいたい。)

不定詞の否定形

不定詞の否定形は、to の直前に not を置きます。

  • I decided not to go. (私は行かないことに決めた。)
  • He told me not to be late. (彼は私に遅れないように言った。)

原形不定詞について知ろう


原形不定詞 (Bare Infinitive) は、不定詞の一種で、to を伴わず、動詞の原形のみで使われる形です。to不定詞(to + 動詞の原形)と対比されます。

原形不定詞が使われる主なケース

原形不定詞は、特定の動詞や表現の後に続きます。

1. 助動詞 (Modal Verbs) の後

can, will, must, should, may, might, could, would, shall などの助動詞の直後には、必ず原形不定詞が来ます。

  • You can speak English very well. (あなたはとても上手に英語を話せる。)
  • I will meet him tomorrow. (私は明日彼に会うだろう。)
  • We must finish this work by noon. (私たちは正午までにこの仕事を終えなければならない。)
  • She should study harder. (彼女はもっと一生懸命勉強すべきだ。)

2. 知覚動詞 (Verbs of Perception) の目的語の補語として

see, hear, feel, watch, notice, observe などの知覚動詞の後に「目的語 + 原形不定詞」の形で続きます。この場合、目的語がその動作を最初から最後まで行ったことを示します。

  • I saw him play soccer. (彼がサッカーをするのを[最初から最後まで]見た。)
  • She heard me sing a song. (彼女は私が歌を歌うのを[最初から最後まで]聞いた。)
  • We watched the children build a sandcastle. (私たちは子供たちが砂の城を建てるのを[最初から最後まで]見た。)
    • 補足: 知覚動詞の後には現在分詞(-ing形)も来ることがありますが、その場合は「動作の途中」や「動作の一部」を見た・聞いたことを表します。
      • I saw him playing soccer. (彼がサッカーをしている[途中]を見た。)

3. 使役動詞 (Causative Verbs) の目的語の補語として

make, have, let などの使役動詞の後に「目的語 + 原形不定詞」の形で続きます。目的語に何かを「させる」「してもらう」「させてやる」といった意味を表します。

  • My mother made me clean my room. (母は私に部屋を掃除させた。)
  • I’ll let you use my computer. (私のコンピューターを使わせてあげるよ。)
  • He had me fix his car. (彼は私に車を修理させた。)
    • 注意: get も使役の意味を持ちますが、get + 目的語 + to不定詞 の形を取ります。(例: I got him to fix my car.)

4. had betterwould rather の後

「〜した方がよい」「むしろ〜したい」という意味を表す表現の後に続きます。

  • You had better go now. (今すぐ行った方がいい。)
  • I would rather stay home tonight. (今夜はむしろ家にいたい。)

5. Why を使った提案

「〜したらどう?」という提案の疑問文で使われます。

  • Why wait until tomorrow? (なぜ明日まで待つの? / 明日まで待たないでどう?)
  • Why not try again? (もう一度やってみたらどう?)

まとめ

原形不定詞は、特定の文法構造や動詞の後にのみ現れる、動詞の原形の形です。特に助動詞、知覚動詞、使役動詞の後での使い分けが重要になります。to がないことで、より直接的で簡潔な表現となるのが特徴です。

to不定詞と原形不定詞の違いを知ろう

不定詞には大きく分けてto不定詞原形不定詞の2種類があり、それぞれの形と使われる場面が異なります。どちらも動詞の原形を使いますが、「to」があるかないかが重要な違いです。


to不定詞 (To-Infinitive)

形: to + 動詞の原形

主な働きと意味: to不定詞は、文中で名詞、形容詞、副詞のような働きをします。多くの場合、「これから〜すること」や「〜するために」といった未来志向や目的のニュアンスを含みます。

  1. 名詞的用法: 「〜すること」
    • 主語として: To learn English is fun. (英語を学ぶことは楽しい。)
    • 目的語として: I want to go home. (私は家に帰りたい。)
    • 補語として: My dream is to travel around the world. (私の夢は世界中を旅することだ。)
  2. 形容詞的用法: 「〜するための」「〜すべき」
    • I have a lot of homework to do. (私にはすべき宿題がたくさんある。)
    • He needs a pen to write with. (彼には書くためのペンが必要だ。)
  3. 副詞的用法: 「〜するために」「〜して(結果・理由)」「〜するには」
    • 目的: He came here to see me. (彼は私に会うためにここに来た。)
    • 理由: I was happy to hear the news. (その知らせを聞いて嬉しかった。)
    • 結果: He grew up to be a famous musician. (彼は成長して有名な音楽家になった。)

原形不定詞 (Bare Infinitive)

形: 動詞の原形のみ (to を伴わない)

主な働きと意味: 原形不定詞は、特定の動詞や表現の後にのみ使われます。to不定詞のような多様な用法はなく、主に動詞の補語として機能します。「すでに起きていること」や「特定の動作が行われること」を直接的に表現するニュアンスがあります。

  1. 助動詞 (Modal Verbs) の後: can, will, must, should, may など。
    • You can speak English very well. (あなたはとても上手に英語を話せる。)
    • I will meet him tomorrow. (私は明日彼に会うだろう。)
  2. 知覚動詞 (Verbs of Perception) の目的語の補語として: see, hear, feel, watch, notice など。
    • I saw him play soccer. (彼がサッカーをするのを見た。)
      • to不定詞 (to play) だと「これからするのを」というニュアンスになるのに対し、原形不定詞 (play) は「その動作全体を目撃した」という直接的なニュアンスです。
  3. 使役動詞 (Causative Verbs) の目的語の補語として: make, have, let など。
    • My mother made me clean my room. (母は私に部屋を掃除させた。)
    • I’ll let you use my computer. (私のコンピューターを使わせてあげるよ。)
      • get も使役動詞ですが、get + 目的語 + to不定詞 の形です。(例: I got him to fix my car.)
  4. had betterwould rather の後:
    • You had better go now. (今すぐ行った方がよい。)
    • I would rather stay home tonight. (今夜はむしろ家にいたい。)

まとめ:主な違い

特徴to不定詞 (To-Infinitive)原形不定詞 (Bare Infinitive)
to + 動詞の原形動詞の原形のみ
働き名詞、形容詞、副詞の働きをする主に特定の動詞や表現の補語となる
意味のニュアンス「これからすること」「〜するために」など、未来や目的の指向性が強い「すでに起きていること」「直接的な行為」など、より直接的なニュアンス
使われる主な場面非常に多様(動詞の目的語、形容詞修飾、副詞句など)助動詞、知覚動詞、使役動詞の目的語の補語など、限定された場面

不定詞について深く知ろう

動詞の他に名詞や形容詞などの働きもし、主語の人称や数によって変化する動詞のことを「準動詞」といい、「不定詞、分詞、動名詞」の3種類がある。

不定詞には「to不定詞」「原形不定詞」の2種類がある。

「to不定詞」について

「to不定詞」とは、「to+動詞の原形」の形をとるものであり、文中で「名詞」・「形容詞」・「副詞」の役割を果たす。

それぞれの用法を「名詞的用法」・「形容詞的用法」・「副詞的用法」と表現することが多い。

名詞的用法「~すること」

・I want to drink something.

(何か飲み物が欲しい。)「飲むことがしたい」

To speak English is difficult.

(英語を話すことは難しい。)

・It is important to tell the truth.

(真実を話すことは大切である。)

形容詞的用法「~するための」「~するべき」

・I want something hot to eat.

(私は、何か暖かい食べ物が欲しい。)「食べるための何か暖かいもの」

・I have a big game to be a champion.

(私は、優勝するための大きな試合がある。)

副詞的用法「~するために」「~して」

・I bought the book to write a letter.

(私は、手紙を書くためにその本を買いました。)

To speak Einglish, I have to practice more and more.

(英語を話すために、私はより多くの練習をしなければならない。)

それぞれの用法は正式には、「名詞」・「形容詞」・「副詞」の内どの役割をするかによって分類をするのだが、<to+動詞の原形>が「~すること」・「~するための」・「~するために」のうちどの訳をすると当てはまるかによって分離することで、大方の分類ができる。

原形不定詞

動詞の原形をそのまま用いて表現するものを「原形不定詞」という。助動詞の後ろの動詞も原形不定詞であるが、主に「使役動詞」や「知覚動詞」の後で補語的に使うことが多い。

例文

・I can jump high.

(私は、高く飛べます。)

・My mother made me play the piano.

(私の母は、私にピアノを弾かせた。)

・I saw you enter the gym.

(私は、あなたがジムに入るのを見ました。)

「to不定詞」と「原形不定詞」のどちらも表現できる構文

①be動詞の補語になるとき

・More people have to do is ( do ) watch TV.

(より多くの人々が、テレビを見さえすればよいのだ。)

②「help ( know ) + 目的語 + ( to ) 動詞の原形」

・I would like to help you ( to ) carry the heavy lageges.

(私は、重たい荷物を運ぶお手伝いをさせていただきたいと思います。)

能動態と受動態 (基礎・基本編)

受動態の基本的な形と時制について

受動態の一般的な形は「be動詞+過去分詞」で表現される。

中学校の文法においてが能動態との書き換えで表現されることが多く。その際に「by+主語(目的格)」で表現される。

単なる書き換えの場合は、以下の表を押さえておきたい。

能動態受動態
現在形They break the window.The window is broken.
過去形They broke the window.The window was broken.
未来を表す表現They will break the window.The window will be broken.
現在完了They have broken the window.The window has been broken.
過去完了They had broken the window.The window had been broken.
未来完了They will have broken the window.The window will have been broken.
現在進行形They are breaking the window.The window is being broken.
過去進行形They were breaking the window.The window was being broken.
未来進行形They will be breaking the window.The window will be being broken.
過去完了進行形They had been breaking the window.The window had been being broken.
未来完了進行形They will have been breaking the window.The window will have been being broken.

不定詞・分詞・動名詞の受動態について

能動態の場合、不定詞を表現する際は、「to+動詞の原形」として表現する。

受動態の場合、不定詞を表現する際は、「to+be+過去分詞」として表現する。

分詞や動名詞の場合、「~ing」「being+過去分詞」として表現する。

例文

<不定詞>

・The animal remained to be examined.

(その動物は、まだ調べられている。)

<分詞>

・The bench is being painted.

(そのベンチは、塗られている(ペンキ)途中である。)

<動名詞>

・Can I finish being passed.

(渡されるのを終えてもいいでしょうか。)

能動態と受動態 | てばっち教育研究所 (tebatch.com): 【不定詞:文法】不定詞の基礎・基本である「to不定詞と原形不定詞」の違いを確認しよう!(練習問題付き)

to不定詞と原形不定詞 練習問題

英文和訳 (English to Japanese)

指示: 以下の英文を日本語に訳しなさい。

  1. I want to learn French.
  2. She made me wait for an hour.
  3. We saw him cross the street.
  4. It’s important to eat healthy food.
  5. He will be here by noon.
  6. My dream is to travel the world.
  7. Let me explain the situation.
  8. This problem is easy to solve.
  9. You had better go home now.
  10. She heard him sing a beautiful song.

和文英訳 (Japanese to English)

指示: 以下の日本語をto不定詞または原形不定詞を使って英文に訳しなさい。

  1. 私は彼の話を聞きたい。
  2. 彼女は私に宿題をさせた。
  3. 彼は私に真実を教えてくれた。
  4. そのニュースを聞いて私は幸せだった。
  5. 彼らは今日ここに来るだろう。
  6. 泳ぐことは楽しい。
  7. 私に手伝わせて。
  8. その箱は持ち上げるのが重い。
  9. あなたはもっと一生懸命勉強すべきだ。
  10. 私は彼がサッカーをするのを見た。

解答例

英文和訳の解答例

  1. 私はフランス語を学びたい
  2. 彼女は私を1時間待たせた
  3. 私たちは彼が通りを渡るのを見た
  4. 健康的な食べ物を食べることは重要だ。
  5. 彼は正午までにここに来るだろう。
  6. 私の夢は世界を旅することだ。
  7. 私に状況を説明させて
  8. この問題は解決するのに簡単だ。
  9. 今すぐ家に帰った方がよい
  10. 彼女は彼が美しい歌を歌うのを聞いた

和文英訳の解答例

  1. I want to listen to his story.
  2. She made me do my homework.
  3. He told me to tell the truth.
  4. I was happy to hear the news.
  5. They will come here today.
  6. To swim is fun. / Swimming is fun.
  7. Let me help you.
  8. The box is heavy to lift.
  9. You should study harder. / You had better study harder.
  10. I saw him play soccer.

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