不定詞の基本を確認しよう
不定詞(Infinitive)は、動詞の原形にtoをつけた形(to不定詞)や、toをつけない原形だけの形(原形不定詞)のことです。動詞でありながら、文中で名詞、形容詞、副詞のように働くことができます。
1. to不定詞
to不定詞(to + 動詞の原形
)は、主に以下の3つの用法があります。
- 名詞的用法: 「〜すること」という意味で、文の主語、目的語、補語になります。
- To learn English is fun.(英語を学ぶことは楽しい。)
- I want to go home.(私は家に帰りたい。)
- 形容詞的用法: 直前の名詞を修飾し、「〜するための」「〜すべき」という意味を表します。
- I have a lot of homework to do.(私にはすべき宿題がたくさんある。)
- 副詞的用法: 動詞や形容詞を修飾し、目的や原因・理由などを表します。
- He came here to see me.(彼は私に会うためにここに来た。)
- I was happy to hear the news.(その知らせを聞いて嬉しかった。)
2. 原形不定詞
原形不定詞(動詞の原形
のみ)は、特定の動詞や表現の後にのみ使われます。
- 助動詞の後:
can
,will
,must
,should
などの後に続きます。- You can speak English.(あなたは英語を話せる。)
- 知覚動詞や使役動詞の後:
see
,hear
,make
,let
などの後に「目的語 + 原形不定詞」の形で続きます。- I saw him play soccer.(彼がサッカーをするのを見た。)
- My mother made me clean my room.(母は私に部屋を掃除させた。)
3. 不定詞の否定形
不定詞を否定形にするには、to
の直前にnotを置きます。
- I decided not to go.(私は行かないことに決めた。)
不定詞の用法を確認しよう
不定詞は動詞の原形にtoをつけた形(to不定詞)や、toをつけない原形だけの形(原形不定詞)のことです。動詞でありながら、文中で名詞、形容詞、副詞のように働くことができます。

1. 名詞的用法
不定詞が名詞と同じように使われ、「〜すること」という意味になります。文中で主語、目的語、補語の役割を担います。
- 主語として: To learn English is fun.(英語を学ぶことは楽しい。)
- 目的語として: I want to go home.(私は家に帰りたい。)
- 補語として: My dream is to travel the world.(私の夢は世界中を旅することです。)
2. 形容詞的用法
不定詞が形容詞のように名詞を修飾し、「〜するための」「〜すべき」という意味を表します。修飾する名詞の直後に置かれます。
- I have a lot of homework to do.(私にはすべき宿題がたくさんあります。)
- He needs a pen to write with.(彼には書くためのペンが必要です。)
3. 副詞的用法
不定詞が副詞のように、動詞、形容詞、または文全体を修飾します。主に「〜するために」という目的を表すことが多いですが、他にも様々な意味があります。
- 目的: He came here to see me.(彼は私に会うためにここに来た。)
- 感情の原因: I was happy to hear the news.(その知らせを聞いて嬉しかった。)
- 判断の根拠: He must be rich to buy such a car.(そんな車を買うとは、彼はお金持ちに違いない。)
4. 原形不定詞
toをつけない原形不定詞は、特定の動詞や表現の後にのみ使われます。
- 助動詞の後: You can speak English.(あなたは英語を話せる。)
- 知覚動詞や使役動詞の後: I saw him play soccer.(彼がサッカーをするのを見た。)
形容詞用法と副詞用法について比較しよう
不定詞には、形容詞用法と副詞用法という2つの主要な使い方があります。これらはどちらも名詞や動詞などを修飾する役割を持っていますが、修飾する対象と意味が異なります。

形容詞用法 (Adjective Use)
形容詞用法は、直前の名詞を修飾し、その名詞が「〜するための」または「〜すべき」であるかを示します。
- 修飾対象: 名詞
- 配置: 修飾する名詞の直後
- 例: I have a lot of homework to do. (私にはすべき宿題がたくさんある。)
to do
が直前の名詞homework
を修飾しています。
- 例: He needs a pen to write with. (彼には書くためのペンが必要だ。)
to write with
が直前の名詞pen
を修飾しています。
副詞用法 (Adverbial Use)
副詞用法は、動詞や形容詞を修飾し、目的、原因、結果などを表します。
- 修飾対象: 動詞、形容詞、または文全体
- 配置: 文の様々な位置
- 例: He came here to see me. (彼は私に会うためにここに来た。)
to see me
が動詞came
を修飾し、来た目的を説明しています。
- 例: She was happy to hear the news. (彼女はニュースを聞いて嬉しかった。)
to hear the news
が形容詞happy
を修飾し、嬉しかった原因を説明しています。
見分け方のポイント
- 修飾している対象が何かを考える。
- 名詞の直後にある場合、それが名詞を説明しているなら形容詞用法。
- 動詞や形容詞を説明している目的や理由なら副詞用法。
- 前置詞の必要性で判断する。
- 「
a pen to write with
」のように、to不定詞の後に前置詞がつく場合、その不定詞は直前の名詞と結びついており、形容詞用法であることが多いです。
- 「
形容詞修飾や副詞修飾について
to不定詞を形容詞や副詞を用いて表現する場合には、形容詞や副詞を置く位置に注意が必要である。
・I want to buy a car that is convinient to move.
(移動に便利という点で、車を買いたい。)
・The book is hard to read for children.
(その本は、子供たちにとって読むのが難しい。)
・If we have enough to earn money, we can take a trip anywhere.
(私たちが、お金を十分に稼ぐことができたなら、どこにでも旅行に行けるのに。)
・It is too hard for me to work here.
(書き換え)⇒ It is hard for me that I can’t work here.
(私は、ここで働くには、あまりにもきつすぎる。)
・You are so kind as to help me.
(私を助けてくれるなんて、優しすぎる。)
「to不定詞」の副詞用法
名詞用法、形容詞用法と比べるとわかりずらい。「名詞用法」と「形容詞用法」の両方にも当てはまらない場合は、「副詞用法」と判断することも考えられる。
動詞修飾
文中で意味的に述語動詞について説明を加える場合に、動詞を修飾することがある。
例えば、「~するために…をする。」、「~するなら…する。」などがこれに当てはまる。
・I will go shopping to buy a present for my girlfriend.
(わたしは、彼女にプレゼントを買うために買い物に行く。)
・In order to be a baseball player, I will practice more and more. [in order to~]
(野球選手になるために、もっと練習をするつもりである。)
・I paint a picture so as to see your smile. [so as to~]
(あなたの笑顔を見るために絵を描く。)
目的をより明確にする場合は、「in order to ~」か「so as to ~」を用いる。
目的を明確にして文頭に置く場合は「in order to ~」を用いることが多い。文末に用いることもできる。
「so as to ~」は文末に用いることが多い。
・I went shopping to find that your shoes had been expensive.
(買い物に行くとあなたの靴が高いことに気が付いた。)
・He worked hard only to get money.
(彼が一生懸命に働いていたのは、お金のためだけであった。)
・He studied abroad, never to see him.
(彼は、留学をして会うことはなかった。)
「only to ~」は残念な結果を表現する場合に用いることが多い。ほかにも「~して初めて…」と表現をする場合もある。
「never to ~」は、独立して結果を表現するために使う場合が多い。このことから、前に「,(コンマ)」を用いることが多い。
・I’m very happy to meet you.
(書き換え)⇒ I’m very happy that I meet you.
(私は、あなたに会えてとても幸せだった。)
・To go shopping, I could meet you.
(買い物に行っていたなら、あなたに会えたのに。)
・ He must be a rich to be able to buy an expensive car.
(彼は、高い車を買えるなんて、お金持ちに違いない。)
「toの不定詞」形容詞用法
to不定詞を名詞の後に置くことで、その名詞を修飾することができる。その名詞が、不定詞の意味上の主語となる場合と目的語になる場合がある。
主語関係
・We need dogs to save our life.
⇒(書き換え)We need dogs that will save our life.
(私は、私たちの命を救うための犬が必要である。)
目的語関係
・I have a pen to write a red circle.
(私は、赤いまるを書くためのペンがある。)
・I have to sing a song to stand out.
(私は、目立つ歌を歌わなければならない。)
その他の修飾関係
「to不定詞」より後が「関係副詞節」と同様にとして表現される場合がある。
・It’s time to finish the question in this classroom.
(教室内で質問に答える時間は終わりです。)
・It’s not enough to eat breakfast at that time.
(その時の朝食は、十分ではない。)
・Find the best way to solve the problem.
(問題を解決する最適の方法を見つけよう。)
「to不定詞」の用法について
「to不定詞」には、「名詞・形容詞・副詞」などの役割をする。
「toの不定詞」形容詞用法 | てばっち教育研究所 (tebatch.com): 【不定詞:文法】不定詞の基本と用法を確認し、「to不定詞」形容詞修飾と副詞修飾について比較して理解しよう!(練習問題付き)「to不定詞」の名詞用法
主語としての用法
主語としての用法では、「~ということ」という意味で表現されることが多い。
・It is easy to find the answer.
(答えを見つけることは、簡単だ。)
・It is hard to pass the exam.
(試験に合格することは難しい。)
・To speak English is difficult.
(英語を話すことは、難しい。)
・To pass the exam is hard.
(試験に合格することは、難しい。)
①のように「it」を形式主語として扱い表現することが一般的であるが、②の場合は「to不定詞」が対比的に使われたりする場合に扱うことが多い。
目的語としての用法
・I want to see a movie.
(映画を観たい。)
・I hope to go shopping.
(買い物に行きたい。)
他動詞の目的語に「to不定詞」を用いて表現することが多い。
未来に向かって「~したい、~しよう」と表現する場合に「to不定詞」を使って表現する。
・We didn’t have no option except to study abroad.
(私たちは、留学する以外に選択肢がなかった。)
「butやexcept」の後に「to不定詞を用いて表現をする。」
「butやexcept」の前に、「no [chance, option, imagination]」などを用いて表現することが多い。
補語としての用法
・My dream is to be rich with you.
(私の夢は、あなたと共に裕福になることだ。)
・I believe my son to be kindness.
(書き換え)⇒I belive that my son is kindness.
(私は)、息子が優しいと信じている。)
名詞と同格の用法
・My daughter told me desire to be a great singer.
(私の娘は、私に偉大な歌手になりたいという願望があることを話した。)
「to」の前置詞の性質上「to不定詞」は未来を表現する場合が多い。このことから、「desire(願望)、effort(努力)、hope(望み)、decision(決意)」などの未来志向の動詞との相性が良い。
「to不定詞」の用法について | てばっち教育研究所 (tebatch.com): 【不定詞:文法】不定詞の基本と用法を確認し、「to不定詞」形容詞修飾と副詞修飾について比較して理解しよう!(練習問題付き)練習問題

英文和訳 (English to Japanese)
指示: 以下の英文を日本語に訳し、不定詞の用法(形容詞的用法か副詞的用法)を答えなさい。
- I have a lot of books to read.
- She came here to see you.
- I am glad to hear that.
- He needs a chair to sit on.
- They practiced hard to win the game.
- He was the first person to arrive.
- I have nothing to say.
- It is easy to use this machine.
- She must be a nice person to help others.
- We have a lot of work to do.
和文英訳 (Japanese to English)
指示: 以下の日本語を不定詞の形容詞的用法または副詞的用法を使って英文に訳し、不定詞の用法を答えなさい。
- 私は書くためのペンが必要です。
- 彼は車を買うためにお金を貯めた。
- その知らせを聞いて、私は驚いた。
- 何か飲むものはありますか?
- 私はこの問題を解くために集中しなければならない。
- 彼らが到着するには時間がかかりすぎる。
- 私は話す相手がいない。
- 彼はそんなことを言うとは、親切だ。
- 私たちは準備する時間がない。
- 彼女は私に会うためにここに来た。
解答例
英文和訳の解答例
- 私には読むべき本がたくさんある。(形容詞的用法)
- 彼女はあなたに会うためにここに来た。(副詞的用法)
- それを聞いて嬉しく思います。(副詞的用法)
- 彼には座るための椅子が必要だ。(形容詞的用法)
- 彼らは試合に勝つために一生懸命練習した。(副詞的用法)
- 彼は最初に着いた人だった。(形容詞的用法)
- 私には言うべきことが何もない。(形容詞的用法)
- この機械は使うのが簡単だ。(副詞的用法)
- 他人を手伝うとは、彼女は親切な人に違いない。(副詞的用法)
- 私たちにはすべき仕事がたくさんある。(形容詞的用法)
和文英訳の解答例
- I need a pen to write with.(形容詞的用法)
- He saved money to buy a car.(副詞的用法)
- I was surprised to hear the news.(副詞的用法)
- Do you have anything to drink?(形容詞的用法)
- I must concentrate to solve this problem.(副詞的用法)
- It takes too long for them to arrive.(副詞的用法)
- I have no one to talk to.(形容詞的用法)
- He is kind to say such a thing.(副詞的用法)
- We have no time to prepare.(形容詞的用法)
- She came here to see me.(副詞的用法)