英文法:直接法について
直接法とは?
直接法とは、文の主語が実際に言ったこと、考えたこと、命令したことなどを、その言葉そのままの形で文中に引用する方法です。間接話法と対比される概念です。
直接法の形式
直接法は、話し言葉や書き言葉の引用符の中に、元の言葉がそのままの形で現れます。
- 例: She said, “I love apples.”(彼女は「リンゴが好き」と言った。)
直接法の注意点
- 時制: 直接法では、引用部分の動詞の時制は、元の発言時の時制がそのまま保たれます。
- 人称: 引用部分の人称も、元の発言者の人称がそのまま保たれます。
- 疑問文: 疑問文を直接法で引用する場合は、疑問文の語順をそのまま保ち、最後に「?」をつけます。
- 例: He asked, “Where are you going?”(彼は「どこに行くんだ?」と尋ねた。)
- 命令文: 命令文を直接法で引用する場合は、命令形の語順をそのまま保ちます。
- 例: She said, “Go to bed!”(彼女は「寝なさい!」と言った。)
直接法と間接話法の違い
特徴 | 直接法 | 間接話法 |
---|---|---|
引用符 | ある | ない |
時制 | 元の発言時の時制 | 主文の時制に合わせる |
人称 | 元の発言者の人称 | 主文の人称に合わせる |
語順 | 元の語順 | 平叙文の語順 |
例文
- She said, “I will be home by 6.”(彼女は「6時までには家に帰る」と言った。)
- He asked me, “Can you help me?”(彼は私に「手伝ってくれますか?」と尋ねた。)
- My mother told me, “Don’t be late!”(母は私に「遅れるな!」と言った。)
まとめ
直接法は、会話文や物語の中で、登場人物の言葉をそのまま伝える際に使われます。元の発言を忠実に再現することで、より生々しい表現が可能になります。
練習問題
以下の日本語を、直接法を用いて英語に訳してみましょう。
- 彼は「明日、映画に行きたい」と言った。
- 彼女は私に「ここに座って」と言った。
- 友達は私に「なぜ遅刻したの?」と尋ねた。
直接法の練習問題
問題
次の日本語を、直接法を用いて英語に訳しなさい。
- 彼は「明日、パーティーに行きたい」と言った。
- 彼女は私に「この本を貸してほしい」と頼んだ。
- 先生は生徒たちに「静かにしなさい」と言った。
- 彼は「昨日、映画を見た」と言った。
- 彼女は「私はピアノが弾ける」と私に言った。
解答例
- He said, “I want to go to the party tomorrow.”
- She asked me, “Can you lend me this book?”
- The teacher told the students, “Be quiet.”
- He said, “I saw a movie yesterday.”
- She told me, “I can play the piano.”
ポイント
- 引用符: 直接話の部分は必ず引用符でくくる。
- 時制: 話し手が話したときの時のままの時制を使う。
- 人称: 話し手や聞き手の言葉は、元のままの人称で表す。
- 疑問文: 疑問文の場合は、疑問文の語順をそのままにする。
- 命令文: 命令文の場合は、命令形の語順をそのままにする。
少し難易度を上げてみましょう
- 彼は「もし雨が降ったら、ピクニックは中止だ」と言った。
- 彼女は私に「あなたはとても親切です」と言った。
- 先生は「宿題を忘れずに」と生徒たちに言った。
解答例
- He said, “If it rains, we will cancel the picnic.”
- She told me, “You are very kind.”
- The teacher told the students, “Don’t forget your homework.”
直接法と時制の一致を組み合わせた問題
直接法と時制の一致は、英語の文法の中でも特に重要なポイントです。この両方を組み合わせることで、より複雑な英文の理解と作成能力が求められます。
問題
1. 状況設定: あなたは友達に、昨日見た映画について話している。
- 日本語: 私は友達に「昨日、その映画を見たけど、とても面白かった」と言った。
- 英語: I told my friend, “I _____ that movie yesterday, and it was very interesting.”
2. 状況設定: あなたは先生に、宿題を忘れてしまったことを謝っている。
- 日本語: 私は先生に「宿題をするのを忘れてしまいました」と謝った。
- 英語: I apologized to the teacher, saying, “I _____ to do my homework.”
3. 状況設定: 弟に、部屋を掃除するように頼んだ。
- 日本語: 私は弟に「部屋を掃除しなさい」と言った。
- 英語: I told my brother, “_____ your room.”
4. 状況設定: 友達に、明日一緒に勉強することを提案した。
- 日本語: 私は友達に「明日一緒に勉強しよう」と提案した。
- 英語: I suggested to my friend, “Let’s study together tomorrow.”
5. 状況設定: 母親に、昨日友達と遊んだことを話した。
- 日本語: 私は母親に「昨日、友達と遊んだ」と話した。
- 英語: I told my mother, “I _____ with my friend yesterday.”
解答と解説
- saw (過去形): 昨日の出来事を述べているため、過去形を使います。
- forgot (過去形): 過去に起こったことを後悔しているため、過去形を使います。
- Clean (原形): 命令文なので、動詞の原形を使います。
- study (原形): Let’sで始まる提案なので、動詞の原形を使います。
- played (過去形): 昨日の出来事を述べているため、過去形を使います。
時制の一致のポイント
- 主節が過去形の場合: 従属節の動詞は、通常過去形または過去完了形になります。
- 直接話法: 引用符で囲まれた部分は、話された当時の時制で表します。
- 間接話法: 引用符を使わず、that節などで表す場合は、時制の一致が必要になります。