感嘆文の基本を知ろう
感嘆文は、話し手の驚き、喜び、悲しみ、怒りといった強い感情を表現する際に使われる文です。通常の平叙文とは異なり、強調された感情を伝える役割があります。
感嘆文の主な形
感嘆文には主に以下の2つの形があります。
1. What を使う形
「What + a/an + 形容詞 + 名詞 + (主語 + 動詞)!」の形で、名詞を強調します。 名詞が可算名詞の単数形の場合は “a/an” をつけ、複数形や不可算名詞の場合はつけません。
- (What + a/an + 形容詞 + 可算名詞単数形 + (主語 + 動詞)!)
- What a beautiful flower! (なんて美しい花なんだ!)
- What a great idea (that is)! (なんて素晴らしいアイデアなんだ!)
- What a difficult question (it is)! (なんて難しい問題なんだ!)
- What + (形容詞) + 不可算名詞/可算名詞複数形 + (主語 + 動詞)!
- What delicious food! (なんて美味しい食べ物なんだ!)
- What interesting books (they are)! (なんて面白い本なんだ!)
- What terrible weather (we are having)! (なんてひどい天気なんだ!)
2. How を使う形
「How + 形容詞/副詞 + 主語 + 動詞!」の形で、形容詞や副詞を強調します。
- How + 形容詞 + 主語 + 動詞!
- How beautiful she is! (彼女はなんて美しいんだ!)
- How tall he is! (彼はなんて背が高いんだ!)
- How kind you are! (あなたはなんて親切なんだ!)
- How + 副詞 + 主語 + 動詞!
- How fast he runs! (彼はなんて速く走るんだ!)
- How quickly time passes! (なんて時間の経つのが速いんだ!)
- How well you sing! (あなたはなんて歌が上手いんだ!)
感嘆文のポイント
- 感嘆符 (!): 文の終わりには感嘆符をつけます。
- 主語と動詞の省略: かっこで示したように、感嘆の対象が明白な場合や、口語では主語と動詞が省略されることがよくあります。
- “What a mess!” (なんてひどい散らかりよう!)
- “How exciting!” (なんてワクワクするんだ!)
- 強調のニュアンス: 感嘆文は、単に事実を述べるだけでなく、話し手の感情を強く込めて表現します。
- 通常の平叙文: “The flower is beautiful.” (その花は美しい。)
- 感嘆文: “What a beautiful flower!” (なんて美しい花なんだ!) → 美しさへの驚きや感動が伝わる。
疑問文との混同に注意
“What” や “How” が使われるため、疑問文と混同しやすいですが、感嘆文は質問ではなく、感情の表現です。語順と文末の記号で区別しましょう。
- 疑問文: What is this? (これは何ですか?) / How are you? (お元気ですか?)
- 感嘆文: What a beautiful day! (なんて素晴らしい日だ!) / How happy I am! (私はなんて幸せなんだ!)
感嘆文の「what」と「how」の違いを知ろう
感嘆文で「How」と「What」を使い分ける際の最も重要な違いは、何を強調したいのかという点です。

「How」を使う感嘆文:形容詞や副詞を強調する
「How」を使った感嘆文は、形容詞や副詞が表す「程度」や「様態」の驚きや感動を強調します。
基本の語順:How + 形容詞 / 副詞 + 主語 + 動詞 !
ポイント:
- 「How」の直後には形容詞か副詞が来ます。
- 「主語 + 動詞」は省略されることがよくあります。
例文:
- How beautiful she is! (彼女はなんて美しいんだろう!)
- beautiful (美しい) という形容詞の程度を強調しています。
- How fast he runs! (彼はなんて速く走るんだろう!)
- fast (速く) という副詞の程度を強調しています。
- How kind you are! (あなたはなんて親切なんだろう!)
- kind (親切な) という形容詞の程度を強調しています。
- How exciting (it is)! (なんてワクワクするんだ!)
- exciting (ワクワクする) という形容詞の程度を強調しています。
「What」を使う感嘆文:名詞を強調する
「What」を使った感嘆文は、名詞(多くの場合、形容詞が名詞を修飾している)が表す「性質」や「種類」の驚きや感動を強調します。
基本の語順:
- 可算名詞単数形の場合:What + a/an + (形容詞) + 名詞 + (主語 + 動詞) !
- 不可算名詞 / 可算名詞複数形の場合:What + (形容詞) + 名詞 + (主語 + 動詞) ! (a/an は不要)
ポイント:
- 「What」の直後には「名詞(または形容詞+名詞のまとまり)」が来ます。
- 可算名詞の単数形には
a
またはan
が必要です。 - 「主語 + 動詞」は省略されることがよくあります。
例文:
- What a beautiful flower (this is)! (なんて美しい花なんだ!)
- flower (花) という名詞に焦点を当て、その「美しさ」を伴って感嘆しています。
- What a great idea (that is)! (なんて素晴らしいアイデアなんだ!)
- idea (アイデア) という名詞に焦点を当て、その「素晴らしさ」を伴って感嘆しています。
- What delicious food! (なんて美味しい食べ物なんだ!)
- food (食べ物) という不可算名詞に焦点を当て、その「美味しさ」を伴って感嘆しています。
- What interesting books (they are)! (なんて面白い本なんだ!)
- books (本) という可算名詞複数形に焦点を当て、その「面白さ」を伴って感嘆しています。
まとめると
特徴 | How | What |
---|---|---|
強調するもの | 形容詞 または 副詞 の程度・様態 | 名詞(しばしば形容詞を伴う)の性質・種類 |
語順 | How + 形容詞/副詞 + S + V ! | What + (a/an) + 形容詞 + 名詞 + S + V ! |
例文の比較:
- How beautiful she is! (彼女の美しさに感嘆)
- What a beautiful woman she is! (彼女がなんて美しい女性なんだと感嘆)
このように、「How」は「どんなに~か!」と形容詞・副詞の度合いに、「What」は「なんて~な名詞だ!」と名詞そのものの性質に焦点を当てていると考えると、違いが明確になります。
感嘆文を使った名言を知ろう
感嘆文を使った名言は、感情や驚きを力強く表現するため、人々の心に残るものが多いですね。いくつか例を挙げさせていただきます。

感嘆文を使った名言
- “How wonderful life is, now you’re in the world.”
- 意味: 「君が世界にいる今、人生はなんて素晴らしいんだろう。」
- 解説: エルトン・ジョンとバーニー・トーピンによる曲「Your Song」の歌詞の一部です。愛する人への深い愛情と、それによって人生がどれほど素晴らしいものになったかという感動が込められています。
How wonderful
(なんて素晴らしい) と、感情の程度を強調しています。
- “What a piece of work is a man! How noble in reason! how infinite in faculty! in form and moving how express and admirable! in action how like an angel! in apprehension how like a god! the beauty of the world! the paragon of animals!”
- 意味: 「人間とは、なんと見事な作品であろう! 理性においてはなんと気高く、能力においてはなんと無限で、姿と動きにおいてはなんと的確で素晴らしいことか! 行動においてはなんと天使のようであり、理解においてはなんと神のようであろう! 世界の美、動物の模範!」
- 解説: ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ハムレット』からの引用です。人間の持つ能力や美しさ、複雑さに対する深い感嘆が、「What a piece of work」や「How noble」「How infinite」といった感嘆文の連続で表現されています。
- “What a glorious feeling! I’m happy again!”
- 意味: 「なんて素晴らしい気分なんだ!また幸せになったぞ!」
- 解説: 映画『雨に唄えば (Singin’ in the Rain)』の有名な曲の歌詞の一部です。雨の中で歌い踊る喜びと高揚感が、「What a glorious feeling」という感嘆文によって、観客に強く伝わってきます。
- “How can I know what I think until I see what I say?”
- 意味: 「私が何を考えているか、何を言っているかを見ない限り、どうして私がそれを知ることができようか?」
- 解説: E.M.フォースター、あるいは様々な作家に帰属される言葉です。厳密には感嘆文ではありませんが、「How can I know…?」という問いかけの形で、発言することで思考が明確になるという、一種の強い驚きや発見のニュアンスを含んでいます。間接的に感嘆を表す表現として含めました。
- “What a difference a day makes.”
- 意味: 「たった一日が、なんと大きな違いを生み出すことか。」
- 解説: 有名なジャズの曲のタイトルであり、歌詞の一部でもあります。人生や状況が短期間で劇的に変わることへの驚きや感慨を表現しています。「What a difference」が、その変化の大きさを強調しています。
感嘆文に関する練習問題を作成します。英文和訳と和文英訳のセクションに分け、解答はそれぞれのセクションの後に記載します。
感嘆文に関する練習問題

セクション1:英文和訳(Translate the following English sentences into Japanese.)
- What a beautiful day!
- How fast time flies!
- What a clever idea he has!
- How wonderfully she sings!
- What a terrible mess (this is)!
- How exciting (the movie was)!
- What interesting books (they are)!
- How deeply he cares about his family!
- What a kind person you are!
- How incredible the view is from here!
セクション2:和文英訳(Translate the following Japanese sentences into English.)
- なんて美しい花なんだ!
- 彼はなんて背が高いんだろう!
- なんて美味しい料理なんだ!
- 彼女はなんて速く走るんだろう!
- なんて素晴らしい経験なんだ!
- 私たちはなんて幸運なんだろう!
- なんて面白い話なんだ!
- 彼はなんて一生懸命働くんだろう!
- なんて可愛い赤ちゃん(だろう)!
- この絵はなんて素晴らしいんだろう!
解答
セクション1:英文和訳の解答
- 和訳: なんて素晴らしい日なんだ!
- 和訳: なんて時間の経つのが速いんだろう!
- 和訳: 彼はなんて clever な(賢い/気の利いた)アイデアを持っているんだろう!
- 和訳: 彼女はなんて見事に歌うんだろう!
- 和訳: なんてひどい散らかりよう(なんだ)!
- 和訳: なんてワクワクするんだ!(その映画はなんてワクワクしたんだ!)
- 和訳: なんて面白い本なんだ!
- 和訳: 彼はなんて深く家族のことを気にかけているんだろう!
- 和訳: あなたはなんて親切な人なんだ!
- 和訳: ここからの眺めはなんて信じられないほど素晴らしいんだろう!
セクション2:和文英訳の解答
- 英訳: What a beautiful flower!
- 英訳: How tall he is!
- 英訳: What delicious food!
- 英訳: How fast she runs!
- 英訳: What a wonderful experience!
- 英訳: How lucky we are!
- 英訳: What an interesting story!
- 英訳: How hard he works!
- 英訳: What a cute baby!
- 英訳: How wonderful this painting is! (または What a wonderful painting this is!)
まとめ
感嘆文の特徴は、自分の喜びや悲しみなどの感情を強く表現し、ピリオド( . )ではなく。感嘆符( ! )で終わるのが特徴である。
※否定形になることがない。
※Howは、やや硬い印象を与える。
「What」を用いた感嘆文
< What ( a ,an ) + 形容詞 + 名詞 + 主語 + 動詞 ~ !>
(なんて、主語は形容詞+名詞を動詞するだろう。)
例文
・What a beautiful girl you are ! (なんて、あなたは美しい少女なんだ。)
・What a wonferful world ( it is ) ! (なんて、すてきな世界なんだ。)
※名詞が不可算名詞や複数形の場合は、a や an がつかない。
「How」を用いた感嘆文
< How 形容詞(副詞)+ 主語 + 動詞 ~ ! >
(主語は、なんて形容詞(副詞)をするのだろう。)
例文
・How happy I am ! (なんて、私は幸せ者なんだ。)
・How beautiful you are!(なんて、あなたは美しいのだ。)
会話での「感嘆文」
先ほどの、例については会話では用いられることが少なく省略した形を用いることが多い。
例文
・How beautiful ! (なんて、美しいのだ。)
・What a person ! (なんて人だ。)
会話では、相手に対して自分の感情を強く表現するため、主語や動詞については既知の事実として認識され、省略されることが多い。
神様へのお願い「祈願文」
< May + 主語 + 動詞 ~ !>
(主語 + 動詞 + になるように。)
例文
・May god bless you ! (神さまの祝福があなたにありますように。)
こちらの例文のように、神様(イエス・キリスト)の恵みなど、結婚式などでお祈りをする際にもいいられることが多い。