【分詞:文法】分詞の完了形と現在完了形との違いや否定の表現を比較しよう!(練習問題付き)

分詞について知ろう

分詞は、動詞の形を変えて形容詞副詞として働く品詞です。主に現在分詞過去分詞の2種類があり、これらを使いこなすことで、文の表現力が豊かになります。

現在分詞(-ing)

現在分詞は、動詞の原形に-ingをつけた形です。「〜している」という能動進行中の意味を表します。

  • 形容詞として: 名詞を修飾します。
    • a **sleeping** baby(眠っている赤ちゃん)
    • the boy **running in the park**(公園で走っている少年)
      • 他の語句を伴う場合は、名詞の後ろに置かれます。
  • 分詞構文として: 文の冒頭や末尾に置かれ、原因や理由、時間などを表します。
    • **Walking** along the street, I found a wallet.(通りを歩いていると、財布を見つけた。)

過去分詞(-ed)

過去分詞は、動詞の原形に-edをつけた形(不規則変化も含む)で、「〜された」という受動完了の意味を表します。

  • 形容詞として: 名詞を修飾します。
    • a **broken** chair(壊れた椅子)
    • the cake **made by my sister**(姉によって作られたケーキ)
      • 他の語句を伴う場合は、名詞の後ろに置かれます。
  • 分詞構文として: 文全体に意味を付け加えます。
    • **Written** in simple English, the book is easy to understand.(簡単な英語で書かれているので、その本は理解しやすい。)

感情を表す分詞の注意点

感情を表す動詞(surprise, excite, boreなど)の分詞は、意味が大きく異なるため注意が必要です。

  • 現在分詞(-ing): 「〜させるような」という感情の原因を表します。
    • a **boring** movie(退屈映画)
      • 映画が退屈な気持ちを引き起こす。
  • 過去分詞(-ed): 「〜させられた」という感情の状態を表します。
    • a **bored** student(退屈している生徒)
      • 生徒が退屈な気持ちになっている。

分詞構文の完了形と現在完了形の違い

分詞構文の完了形と現在完了形は、どちらも過去の出来事に関わる表現ですが、ニュアンスや使い方に違いがあります。

分詞構文の完了形 (having + 過去分詞)

  • 過去の出来事が、後の出来事に与えた影響や結果 を表します。
  • 主節の動作よりも前に起こった出来事を、背景として説明する際に用いられます。
  • 例文:
    • Having finished her work, she went home. (仕事を終えたので、彼女は家に帰った。)
    • Having lost her keys, she couldn’t get into the house. (鍵をなくしたので、家に入れなかった。)

現在完了形 (have/has + 過去分詞)

  • 過去から現在まで続く状態、経験、完了した結果 を表します。
  • 話し手にとって、その出来事が現在にも関連していることを示します。
  • 例文:
    • I have lived in Tokyo for ten years. (私は東京に10年間住んでいます。)
    • She has never been to Paris. (彼女はパリに行ったことがありません。)

違いをまとめた表

区分分詞構文の完了形現在完了形
表すもの過去の出来事の結果、影響過去から現在までの状態、経験、完了した結果
主節との関係主節の動作よりも前に起こった出来事を背景として説明現在も関連のある出来事を表す
焦点過去の出来事そのものよりも、その結果に焦点が当たる過去と現在のつながりに焦点が当たる

より深く理解するためのポイント

  • 分詞構文の完了形 は、まるで一つの出来事が原因となって、別の出来事が起こったかのように、因果関係を強調する際に使われます。
  • 現在完了形 は、過去の出来事が現在にも影響を与えている、あるいは、その経験が話し手のアイデンティティの一部になっていることを示す際に使われます。
  • 完了のニュアンス: 分詞構文の完了形は、完了した過去の出来事に焦点を当てますが、現在完了形は、完了したという事実だけでなく、その結果が現在も続いている可能性も示唆します。

まとめ

分詞構文の完了形と現在完了形は、どちらも過去の出来事に関わる表現ですが、ニュアンスや使い方が異なります。文脈に合わせて適切な形を選ぶことで、より正確で豊かな表現が可能になります。

どちらを使うべきか迷った場合は、以下の点を考慮してみましょう。

  • 過去の出来事が、現在の状況にどのような影響を与えているか?
  • 話し手にとって、その出来事がどれほど重要か?
  • 過去の出来事と現在の出来事の間に、因果関係があるか?

現在分詞の否定について知ろう

現在分詞の否定形は、現在分詞の直前に not を置くことで作ります。このルールは非常にシンプルで、分詞構文や分詞が名詞を修飾する際にも同様に適用されます。


分詞構文の否定形

「〜しないので」「〜せずに」といった理由や付帯状況を表す分詞構文を否定する際に使われます。

  • 肯定文: Knowing his name, I called him. (彼の名前を知っていたので、彼に電話をかけた。)
  • 否定文: Not knowing his name, I couldn’t call him. (彼の名前を知らなかったので、電話をかけられなかった。)

この場合、notknowing という動作全体を否定しています。


名詞を修飾する分詞の否定形

文語的または限定的な表現で、名詞を修飾する現在分詞を否定する際に使われることがあります。

  • 例:a **not knowing** person
    • (何も知らない人)

ただし、このような使い方は一般的ではありません。通常は、否定の意味を含む別の表現に言い換えられます。

  • 例: a person who does not know...

進行形の否定形との違い

現在分詞を使った進行形の否定文は、be 動詞の後に not を置きます。これは分詞自体の否定とは異なるので注意が必要です。

  • 進行形の否定: He is not studying now. (彼は今、勉強していません。)
  • 分詞の否定: Not studying, he went out to play. (勉強せずに、彼は遊びに出かけた。)

完了形の分詞の否定について知ろう

完了分詞の否定形は、Not having + 過去分詞 の形で表します。この形は、ある動作が完了しなかったために、主節の動作が引き起こされた、あるいはその動作が起こったという原因理由を説明する際によく使われます。


完了分詞の否定形の基本的な使い方

完了分詞の否定形は、主に分詞構文として使われます。これは、主節の動作が起こる前に、従属節の動作が完了しなかったことを明確に示します。

  • 肯定文:Having finished my work, I went home. (仕事を終えてから、家に帰った。)
    • 仕事が先に完了したことを示しています。
  • 否定文: Not having finished my work, I stayed at the office. (仕事を終えなかったので、オフィスに残った。)
    • 「仕事を終えなかった」という事実が、「オフィスに残った」という理由になっています。

現在分詞の否定との違い

Not doing (現在分詞の否定)と Not having done (完了分詞の否定)は、時間の前後関係において意味合いが異なります。

  • 現在分詞の否定: Not knowing his name, I couldn't greet him. (彼の名前を知らなかったので、彼に挨拶できなかった。)
    • 「知らない」という状態が、挨拶できなかった原因であることを示します。
  • 完了分詞の否定: Not having known his name, I couldn't write it on the form. (彼の名前を知っていなかったので、それを書類に書くことができなかった。)
    • 「名前を知っている」という過去のある時点までの経験や事実がなかったことを強調し、それが結果につながったことを示します。

このように、完了分詞の否定形は、単なる否定ではなく、ある時点での完了した行為や経験の欠如が、後の事柄に影響を与えたことを明確に表現する際に役立ちます。

現在分詞と完了形の分詞に関する練習問題に挑戦しよう!

問題

英文和訳(以下の英文を和訳しなさい)

  1. Not knowing what to do, she just stood there.
  2. Not having finished his report, he stayed late at the office.
  3. Not having read the book, he couldn’t answer the question.
  4. The girl, not understanding the rule, was confused.
  5. Not having been invited to the party, I felt left out.
  6. Not finding his keys, he searched his bag again.
  7. Not having seen the movie before, I was surprised by the ending.
  8. Not wanting to bother him, she didn’t call.
  9. Not having had breakfast, he was very hungry.
  10. The plan, not having been approved, was delayed.

和文英訳(以下の日本語を現在分詞または完了分詞の否定を使って英訳しなさい)

  1. 宿題を終えなかったので、彼はテレビを見ることができなかった。
  2. 彼女が嘘をついていると知らなかったので、私は彼女を信じた。
  3. 十分な練習をしなかったので、彼は試合に負けた。
  4. 彼女に会ったことがなかったので、私は彼女のことが分からなかった。
  5. 何を言うべきか分からなかったので、彼は何も言わなかった。
  6. その本を読んでいなかったので、彼はそのことについて話せなかった。
  7. お金がなかったので、私は新しいパソコンを買えなかった。
  8. 彼に助けられなかったので、私は一人でそれをしなければならなかった。
  9. 何が起こっているか理解していなかったので、私は質問できなかった。
  10. 彼女は何も言わなかったので、私は彼女が怒っていると思った。

解答

英文和訳

  1. 何をすべきか分からなかったので、彼女はただそこに立っていた。
  2. レポートを終えていなかったので、彼は遅くまでオフィスに残った。
  3. その本を読んでいなかったので、彼はその質問に答えられなかった。
  4. その女の子はルールを理解していなかったので、混乱していた。
  5. パーティーに招待されていなかったので、私は仲間外れにされたように感じた。
  6. 鍵が見つからなかったので、彼はもう一度カバンの中を探した。
  7. その映画を以前に見たことがなかったので、私は結末に驚いた。
  8. 彼を煩わせたくなかったので、彼女は電話しなかった。
  9. 朝食を食べていなかったので、彼はとてもお腹が空いていた。
  10. 承認されていなかったので、その計画は延期された。

和文英訳

  1. Not having finished his homework, he couldn’t watch TV.
  2. Not knowing that she was lying, I believed her.
  3. Not having practiced enough, he lost the game.
  4. Not having met her before, I didn’t know her.
  5. Not knowing what to say, he said nothing.
  6. Not having read the book, he couldn’t talk about it.
  7. Not having any money, I couldn’t buy a new computer.
  8. Not having been helped by him, I had to do it alone.
  9. Not understanding what was happening, I couldn’t ask any questions.
  10. Not saying anything, I thought she was angry.

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