不定詞の基本について知ろう
不定詞(Infinitive)は、動詞の原形に to
をつけた形、または to
をつけない原形のみの形で、文中で名詞、形容詞、副詞のように働きます。
to不定詞(To-Infinitive)
to不定詞は「to + 動詞の原形」の形をとり、3つの主要な用法があります。
- 名詞的用法:「〜すること」という意味で、文の主語、目的語、補語になります。
- To learn English is fun.(英語を学ぶことは楽しい。)
- I want to go home.(私は家に帰りたい。)
- My dream is to travel the world.(私の夢は世界中を旅することだ。)
- 形容詞的用法:直前の名詞を修飾し、「〜するための」「〜すべき」という意味を表します。
- I have a lot of homework to do.(私にはすべき宿題がたくさんある。)
- He needs a pen to write with.(彼には書くためのペンが必要だ。)
- 副詞的用法:動詞や形容詞を修飾し、「〜するために(目的)」や「〜して(理由)」などの意味を表します。
- He came here to see me.(彼は私に会うためにここに来た。)
- I was happy to hear the news.(その知らせを聞いて嬉しかった。)
原形不定詞(Bare Infinitive)
原形不定詞は「動詞の原形のみ」の形で、特定の動詞や表現の後にのみ使われます。
- 助動詞の後:
can
,will
,must
,should
などの後に続きます。- You can speak English.(あなたは英語を話せる。)
- I will meet him.(私は彼に会うだろう。)
- 知覚動詞の後:
see
,hear
,watch
などの後に「目的語 + 原形不定詞」の形で続きます。- I saw him play soccer.(彼がサッカーをするのを見た。)
- 使役動詞の後:
make
,have
,let
などの後に「目的語 + 原形不定詞」の形で続きます。- My mother made me clean my room.(母は私に部屋を掃除させた。)
不定詞の否定形
不定詞を否定形にする場合は、to
の直前に not
を置きます。
- I decided not to go.(私は行かないことに決めた。)
- He told me not to be late.(彼は私に遅れないように言った。)
英語の時を表す表現について知ろう
時間表現は、動詞の時制と組み合わせて、いつ出来事が起こるのかを明確にするための重要な要素です。大きく分けて、時点を表すものと期間を表すものがあります。

時点(いつ?)を表す表現
特定の瞬間や時を指し示すときに使います。
- at:特定の時点や時刻
at 7 a.m.
(午前7時に)at noon
(正午に)at night
(夜に)
- on:特定の日付や曜日
on Monday
(月曜日に)on May 5th
(5月5日に)
- in:年、月、季節など比較的長い期間
in 2025
(2025年に)in July
(7月に)in the morning
(朝に)
- by:期限や完了の目安
by tomorrow
(明日までに)by the end of the month
(月末までに)
期間(どのくらい?)を表す表現
出来事がどれくらいの時間続いたかを示します。
- for:具体的な時間の長さ
for three hours
(3時間)for a long time
(長い間)
- since:過去の特定の時点から現在まで
since 2020
(2020年からずっと)since yesterday
(昨日からずっと)
- during:特定の出来事や期間の間
during the meeting
(会議の間)during the summer vacation
(夏休みの間)
時制と組み合わせて使う表現
時制に合わせて使われることが多い表現です。
- 現在形・現在完了形
every day
(毎日)usually
(たいてい)already
(すでに)so far
(これまでのところ)
- 過去形
yesterday
(昨日)last week
(先週)a week ago
(1週間前に)
- 未来形
tomorrow
(明日)next month
(来月)soon
(もうすぐ)
- 完了形
for ten years
(10年間)since 2015
(2015年からずっと)just
(ちょうど〜したところ)
不定詞の表す「時」についての表現について知ろう
不定詞が表す「時」は、主に「主節の動詞と同じ時」か、「主節の動詞よりも前の時」かの2つに分けられます。この違いは、不定詞の形によって表現されます。

1. 不定詞の基本形: 「主節と同じ時」を表す
最も一般的な「to + 動詞の原形
」の形は、主節の動詞と同時、またはそれ以降の未来の時を表します。
- He seems to be happy.
- 彼は幸せなようだ。 (
seems
もto be
も現在の状況を表している)
- 彼は幸せなようだ。 (
- I want to go home.
- 私は家に帰りたい。 (
want
もto go
も現在から未来の意図を表している)
- 私は家に帰りたい。 (
- She decided to study abroad.
- 彼女は留学することを決めた。 (
decided
は過去、to study
は未来を表している)
- 彼女は留学することを決めた。 (
このように、基本の不定詞は主節の動詞を基準として、同じか未来の時を表します。
2. 完了不定詞: 「主節よりも前の時」を表す
「to have + 過去分詞
」の形は、主節の動詞よりも過去の時を表します。この完了不定詞は、特に「推量(〜だったようだ)」や「後悔(〜すべきだった)」の表現でよく使われます。
- He seems to have been rich.
- 彼は金持ちだったようだ。 (
seems
は現在、to have been
は過去を表している)
- 彼は金持ちだったようだ。 (
- She is believed to have written the book.
- 彼女がその本を書いたと信じられている。 (
is believed
は現在、to have written
は過去を表している)
- 彼女がその本を書いたと信じられている。 (
また、should
, might
, would
などの助動詞と組み合わせて、過去の出来事に対する後悔や推量を表現する際にも完了不定詞が使われます。
- You should have studied harder.
- あなたはもっと一生懸命勉強すべきだったのに。 (実際は勉強しなかったことへの後悔)
- He might have missed the train.
- 彼は電車に乗り遅れたのかもしれない。 (過去の出来事に対する推量)
まとめ
不定詞が表す時は、以下の2つの形を区別することで理解できます。
不定詞の形 | 表す時 | 例 |
to + 動詞の原形 | 主節の動詞と同時または未来 | He seems to be busy. (彼は忙しそうだ。) |
to have + 過去分詞 | 主節の動詞よりも前の過去の時 | He seems to have been busy. (彼は忙しかったようだ。) |
不定詞の表す「時」についての表現について深く知ろう
不定詞は本来、時制を持っていないが、文脈でその「時」を表現することが多い。
完了形の不定詞には、文の述語動詞よりも「前」のことを表現する役割もある。
述語動詞の示す「時」と「同じ」か「それよりも後」に起こることを表現する場合
・Japan is said to be a place of safe.
(書き換え)⇒It is said that Japan is a place of safe.
(日本は、安全な場所と言われている。)
・I hope to enjoy singing a song.
(書き換え)⇒I hope that I will enjoy singing a song.
(私は、楽しく歌を歌えることを期待している。)
・I expect to sell my car more expensive.
(書き換え)⇒I expect that my car will sell more expensive.
(私の車は、もっと高く売れると思います。)
述語動詞がの示す「時」よりも「前」に起きたことを表現する場合
「完了不定詞」を使うことで「前」に起きたことを表現することができる。
・He wants to have been a great doctor for ten years.
(彼は、10年間もの間、偉大な医者になりたがっていた。)
・Mike is said to have won the big game.
(書き換え)⇒ It is said that Mike won the big game.
(マイクが、大きな試合に勝ったと言われる。)
不定詞の完了形「完了不定詞」について
不定詞は、述語動詞ではないことから、文法上直後その主語となるものがない。しかしながら、動詞を含んでいる関係により、意味上の主語がある。
不定詞の意味上の主語を示さない場合
・It is important to love people.
(人々を愛することが重要である。)
・His answer is to prove the trueth.
(彼の答えは、真実を証明しているのだ。)
・I would like to be a teacher. (名詞的用法)
(私は、先生になりたい。)
・I have many friends to sing a song with. (形容詞的用法)
(私は、一緒に歌を歌う友達がたくさんいる。)
・I saved money to take a trip. (副詞的用法)
(私は、旅行をするためにお金を節約している。)
不定詞の意味上の主語の表し方
・My mother adviced me to study abroad.
(書き換え)⇒My mother adviced me that I should study abroad.
(私の母は、私に留学するように助言した。)
・I think this answer is me to be wrong.
⇒I think that this answer is wrong.
(私は、この答えが間違いだと思っている。)
・It is important for students to think themselves.
(生徒が、自分自身で考えることは大切である。)
・The boy keep learning English for his family to take a trip.
(その男の子は、家族が旅行に行くために継続して英語を学んでいる。)
・In order for examinees to take the test, everyone keep silent.
(受験者がテストを受けるため、全員が黙っている。)
不定詞の表す時 練習問題

英文和訳 (English to Japanese)
指示: 以下の英文を日本語に訳しなさい。
- He seems to be worried about something.
- She appears to have forgotten my name.
- The report is believed to have been submitted yesterday.
- I’m glad to have met you at the party.
- They were lucky to find the lost key.
- The building is said to have been built in the 19th century.
- She seems to be enjoying the music right now.
- I would like to have seen the fireworks.
- He seems to have become a great leader.
- We expect them to arrive on time.
和文英訳 (Japanese to English)
指示: 以下の日本語を、不定詞の時制表現を使って英文に訳しなさい。
- 彼はその知らせを聞いて驚いたようだ。
- 私はあなたに会えて嬉しいです。
- 彼はそのプロジェクトを完成させたに違いない。
- 彼女は今、とても忙しいようだ。
- その手紙はすでに書かれたようだ。
- あなたはもっと早く出発すべきだった。
- 私はあなたに会いたかったのですが(会えなかった)。
- その問題は解決されたと考えられている。
- 彼らは誰かを待っているようだ。
- 彼は病気だったに違いない。
解答例
英文和訳の解答例
- 彼は何かを心配しているようだ。
- 彼女は私の名前を忘れてしまったようだ。
- その報告書は昨日提出されたと信じられている。
- パーティーであなたに会えて嬉しいです。
- 彼らは失くした鍵を見つけて幸運だった。
- その建物は19世紀に建てられたと言われている。
- 彼女は今、音楽を楽しんでいるようだ。
- 私は花火を見たかった(見られなかった)。
- 彼は偉大なリーダーになったようだ。
- 私たちは彼らが時間通りに到着することを期待している。
和文英訳の解答例
- He seemed to have been surprised by the news.
- I am glad to have met you.
- He must have finished the project.
- She seems to be very busy right now.
- The letter seems to have been written.
- You should have left earlier.
- I would like to have seen you.
- The problem is thought to have been solved.
- They seem to be waiting for someone.
- He must have been sick.