【助動詞:文法】助動詞「could」の基礎や類似表現・慣用表現を確認しよう!(練習問題付き)

couldの基本について知ろう


助動詞「could」について

「could」は、助動詞「can」の過去形としてだけでなく、様々な意味やニュアンスを持つ非常に汎用性の高い助動詞です。「can」よりも丁寧さや不確実性を示すことが多く、口語でも書き言葉でも頻繁に使われます。

1. 「can」の過去形(能力・可能性)

過去における能力や一般的な可能性を表します。

  • 能力: 「〜できた」「〜することができた」
    • When I was young, I could run very fast. (私が若かった頃、とても速く走ることができました。)
    • She could speak French fluently even then. (彼女はその時すでに流暢にフランス語を話すことができました。)
    • 注意点: 特定の状況で「一度だけ成功した」という場合は was/were able to を使うことが多いです。
      • I was able to catch the last train. (私は最終電車に間に合うことができた。) ← 特定の状況での成功
      • I could run fast. (私は速く走ることができた。) ← 一般的な能力
  • 可能性: 「〜だったかもしれない」「〜ということがあり得た」
    • It could have been worse. (もっと悪くなっていた可能性があった。)
    • Accidents could happen easily in those days. (当時、事故は簡単に起こり得た。)

2. 推量・不確実な可能性

現在または未来における可能性や推量を表します。「may」や「might」と似ていますが、「could」は「〜かもしれない」という控えめな推量や「〜という可能性もある」という不確実性を伝えるニュアンスがあります。

  • It could rain later. (後で雨が降るかもしれない。)
  • That could be true. (それは本当の可能性もある。)
  • He could be at home now. (彼は今、家にいるかもしれない。)

3. 丁寧な依頼・許可

「can」よりも丁寧な依頼許可の求め方として使われます。特に相手に何かを頼むときに「Could you…?」は非常によく使われる表現です。

  • 依頼: 「〜していただけませんか?」
    • Could you please help me with this box? (この箱を運ぶのを手伝っていただけませんか?)
    • Could I ask you a question? (質問させていただけますか?)
  • 許可: 「〜してもいいですか?」(控えめな尋ね方)
    • Could I use your phone for a moment? (少しあなたの電話を使ってもいいですか?)
    • (状況的に) You could try calling him again. (彼にもう一度電話してみてもいいですよ。)

4. 提案・助言

「〜してみてはどうですか」「〜したらどうですか」という控えめな提案や助言として使われます。

  • You could try calling him. (彼に電話してみたらどうですか。)
  • We could go to the park this afternoon. (今日の午後、公園に行ってもいいかもしれないね。)

5. 仮定法(非現実的な状況)

仮定法(現在の事実とは異なる仮定や、起こりそうにないことを想像する)で使われます。「もし〜だったら、〜できるのに」といった意味合いです。

  • If I had more time, I could travel the world. (もしもっと時間があれば、世界中を旅できるのに。)
  • If I were taller, I could reach that shelf. (もし私がもっと背が高かったら、あの棚に手が届くのに。)

このように、「could」は「can」の過去形としての役割だけでなく、丁寧な表現や不確実な可能性、仮定の状況など、様々な状況で使われる非常に重要な助動詞です。文脈によって意味合いが変わるため、練習を重ねてそれぞれのニュアンスを掴むことが大切です。

couldの類似表現を知ろう

「could」は「can」の過去形としてだけでなく、丁寧な依頼や不確実な可能性など、幅広いニュアンスを持つ助動詞です。その多岐にわたる意味合いから、類似表現も文脈によって異なります。

1. 過去の能力 (Past Ability)

「〜できた」「〜することができた」という過去の能力を表す際の類似表現です。

  • was/were able to: これが「could」の過去の能力を表す際の最も一般的な代替表現です。「could」は一般的な能力や、過去の習慣的な能力を表すのに対し、「was/were able to」は特定の状況で何かを達成できたこと(一度きりの成功など)を示す場合によく使われます。
    • I could run fast when I was young. (若い頃、速く走れた。) ←一般的な能力
    • Despite the traffic, I was able to arrive on time. (渋滞にもかかわらず、時間通りに着くことができた。) ←特定の状況での成功
  • managed to do: 特に困難な状況を乗り越えて「なんとか〜できた」というニュアンスを強調したい場合に使います。
    • It was tough, but we managed to finish the project on schedule. (大変だったが、なんとか予定通りにプロジェクトを終えることができた。)

2. 推量・不確実な可能性 (Speculation / Uncertain Possibility)

「〜かもしれない」「〜という可能性もある」という、現在の控えめな推量や不確実な可能性を表す際の類似表現です。

  • may: 「could」と似ていますが、「may」の方がわずかに可能性が高い、あるいは許可のニュアンスが強い場合があります。
    • It could rain later. (後で雨が降るかもしれない。)
    • It may rain later. (後で雨が降るかもしれない。)
  • might: 「may」よりもさらに可能性が低い場合に使うことがあります。
    • That could be true. (それは本当かもしれない。)
    • That might be true. (それは本当かもしれない。)
  • be possible (that S + V): 客観的に「〜という可能性がある」と述べたい場合に使う表現です。
    • It could be a misunderstanding. (誤解かもしれない。)
    • It is possible that it’s a misunderstanding. (それが誤解である可能性がある。)

3. 丁寧な依頼 (Polite Request)

「〜していただけませんか?」という丁寧な依頼を表す際の類似表現です。

  • would: 「could」と並んで非常に丁寧な依頼の表現です。「could」が「〜する能力がありますか?」というニュアンスをわずかに含むのに対し、「would」は相手の意思を尋ねるニュアンスがより強いです。
    • Could you please help me? (手伝っていただけませんか?)
    • Would you please help me? (手伝っていただけませんか?)
  • will (you please ~): 「could」や「would」よりは直接的ですが、please を付けることで丁寧さを増します。親しい間柄や少し急ぎの状況で使われます。
    • Will you please close the door? (ドアを閉めてくれますか?)

4. 提案・助言 (Suggestion / Advice)

「〜してみてはどうですか」「〜したらどうですか」という控えめな提案や助言を表す際の類似表現です。

  • should: 「〜すべきだ」という、より強い助言や義務のニュアンスを含みます。「could」はあくまで「〜という選択肢もある」という提案です。
    • You could try calling him. (彼に電話してみたらどうですか。)
    • You should call him. (彼に電話すべきだ。)
  • might (want to) do: 「〜してもいいかもしれない」という、より柔らかい提案や助言です。
    • You could take a break. (休憩したらどうですか。)
    • You might want to take a break. (休憩した方がいいかもしれませんね。)

couldの慣用表現を確認しよう


助動詞「could」は「can」の過去形としてだけでなく、丁寧な依頼や可能性、仮定法など様々な意味を持つため、多くの慣用表現でも使われます。ここでは代表的な「could」の慣用表現をいくつかご紹介します。

1. couldn't help ~ing

  • 意味: 「〜せずにはいられなかった」「思わず〜してしまった」
  • 解説: 感情や行動を抑えられなかった過去の状況を表します。「can’t help ~ing」の過去形です。
  • 例文:
    • I couldn’t help laughing when he told that joke. (彼がそのジョークを言ったとき、笑わずにはいられなかった。)
    • She couldn’t help feeling sorry for him. (彼女は彼を気の毒に思わずにはいられなかった。)

2. could have + 過去分詞

  • 意味: 「〜できたはずなのに(実際はしなかった)」「〜した可能性があった」
  • 解説: 過去において、ある行動や状況が可能だったにもかかわらず、実際にはそうしなかったという後悔、批判、または可能性を表します。
  • 例文:
    • You could have told me earlier! (もっと早く私に言ってくれてもよかったのに!)
    • He could have won the race if he hadn’t fallen. (彼が転んでいなければ、レースに勝てたはずだ。)
    • It could have been much worse. (もっとひどいことになっていた可能性もあった。)

3. couldn't have + 過去分詞

  • 意味: 「〜だったはずがない」「〜することは不可能だった」
  • 解説: 過去において、それが起こることは不可能だったという強い否定の推量を表します。「could have + 過去分詞」の否定形です。
  • 例文:
    • He couldn’t have done it alone. (彼一人でそれをやったはずがない。)
    • I couldn’t have asked for a better birthday present. (これ以上良い誕生日プレゼントは望むべくもなかった。)

4. as ~ as one could (possibly)

  • 意味: 「できる限り〜」「可能な限り〜」
  • 解説: 「可能な限り」という最大限の努力や程度を強調する表現です。
  • 例文:
    • She ran as fast as she could. (彼女はできる限り速く走った。)
    • I explained it as clearly as I possibly could. (私はそれを可能な限り明確に説明した。)

5. I couldn't agree more.

  • 意味: 「全く同感です」「大賛成です」
  • 解説: 相手の意見に全面的に同意する際に使う強い賛成の表現です。直訳すると「これ以上同意することはできない」となります。
  • 例文:
    • “This new policy is terrible.” “I couldn’t agree more.” (「この新しい方針はひどいね。」「全く同感です。」)

6. could do with ~

  • 意味: 「〜があれば助かる」「〜が必要だ」「〜がほしい」
  • 解説: 何かが少しほしい、または必要だと感じていることを述べる、比較的インフォーマルな表現です。
  • 例文:
    • I could do with a cup of coffee right now. (今すぐコーヒーが1杯ほしいな。)
    • This room could do with a good clean. (この部屋は一度きれいに掃除した方がいいだろう。)

couldを深く知ろう

大きく分けて、「可能性」・「能力可能」・「依頼・許可」の表現方法がある。

「時制の一致」により「can」を「could」として表現することにも注意が必要である。

「can」の過去形は「could」となる。

「可能性」、「能力・可能」、「依頼・許可」の表現方法について

①可能性

・It could be rain.

(雨が降る可能性もある。)

「もしかすると…」の意味を込めており、「can」よりもやや可能性が低い。

・Why could you speak English?

(なぜ英語が話せたのだ?)

「話せるわけないのに」という「反語」が込められている

・Tom couldn’t get marry Kumi.

(トムが、クミと結婚するはずがない。)

※わざわざ「could」を使って表現することで「そうでなければ」の仮定」の話が続く。

②能力・可能

・When I was young, I could swim about 10km. [能力]

(若いころは、約10km泳ぐことができた。)

・When you got 100cm, you could get on this car. [可能]

(100cmあれば、この車にのることが可能であった。)

「could」により表現することによって、「仮定」の意図で表現される

③依頼・許可 (can よりも丁寧な表現)

Could I leave a message? [依頼]

(伝言を残してもいいかしら?)

Could you talk to you now? [許可]

(いま、話しかけてもいいでしょうか。)

※「can」と「could」は単に時制を過去にするだけではなく

「仮定」の要素が含まれており、「もし~ならば…だったのに。」と表現することができるため。その後の文には、理由や話が展開する可能性がある。

より丁寧な「依頼」や「許可」になり物腰を柔らかくして表現することができる。

<復習>

「能力」や「許可」の両方共の意味を包括することができる。

否定文では、「~あるはずがない。」、「~ということはあり得ない。」という意味を成す。

肯定文 「~こともある。」[可能性]

Even the monkies can fall down from trees.

(猿も木から落ちることもある。

否定文 「~あるはずがない」

The docotor cannot tell a lie.

(その医者が嘘をつくはずがない。

疑問文 「~ということがあり得るだろうか?(いや、ありえない。)」[反語]

Can I believe Tom?

(トムを信じれるなんてありえるだろうか。

※反語として「そんなことがあるわけがない。」と意味が追加される。

< cannot have + 過去分詞 > 「~なはずがない。」

You cannot have answered this question. Because I only know the question is wrong.

(あなたがその問いの答えを知ったはずがない。なぜなら私だけがその問いが間違えだと知っているからだ。)

助動詞「can」の用法 | てばっち教育研究所 (tebatch.com): 【助動詞:文法】助動詞「could」の基礎や類似表現・慣用表現を確認しよう!(練習問題付き)

「could」に関する練習問題

英文和訳 (Translate the following English sentences into Japanese.)

  1. When she was younger, she could play the piano beautifully.
  2. It could rain later, so you might want to take an umbrella.
  3. Could you please pass me the salt?
  4. If I had more money, I could travel around the world.
  5. I couldn’t help smiling when I saw the cute puppy.
  6. You could have called me if you needed help.
  7. He couldn’t have finished the marathon in such a short time.
  8. I couldn’t agree more with your opinion on this matter.
  9. This old car could do with a new engine.
  10. She ran as fast as she possibly could to catch the bus.

和文英訳 (Translate the following Japanese sentences into English.)

  1. 彼は以前は泳げたが、今は泳げない。
  2. それは誤解だったのかもしれない。
  3. もう少しゆっくり話していただけませんか?
  4. 今日の午後、映画を見に行ってもいいかもしれませんね。
  5. 彼を見捨てておけばよかったと、私は思わずにはいられなかった。
  6. 彼は嘘をついたはずがない。
  7. この件に関して、全く同感です。
  8. 私の体はもう少し休みが必要だ。
  9. 彼女はできる限り大きな声で叫んだ。
  10. もっと早く私に伝えてくれてもよかったのに。

解答 (Answers)

英文和訳

  1. 彼女は若い頃、ピアノを美しく弾くことができました。
  2. 後で雨が降るかもしれないので、傘を持っていくといいかもしれません。
  3. 塩を取っていただけませんか?
  4. もしもっとお金があれば、世界中を旅できるのに。
  5. その可愛い子犬を見て、私は思わず笑ってしまいました。
  6. もし助けが必要だったら、私に電話してくれてもよかったのに。
  7. 彼はそんな短時間でマラソンを完走できたはずがない。
  8. この件に関するあなたの意見には全く同感です。
  9. この古い車は新しいエンジンがあれば助かるだろう/新しいエンジンが必要だろう。
  10. 彼女はバスに間に合うように、できる限り速く走った。

和文英訳

  1. He could swim before, but he can’t now.
  2. It could have been a misunderstanding. / It might have been a misunderstanding.
  3. Could you please speak a little more slowly?
  4. We could go to the movies this afternoon.
  5. I couldn’t help thinking I should have left him.
  6. He couldn’t have lied.
  7. I couldn’t agree more on this matter.
  8. My body could do with a little more rest.
  9. She shouted as loudly as she possibly could.
  10. You could have told me sooner.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA