【不定詞:文法】< It is ~ that …>の基本を知り使えない場合やto 不定詞構文に書き換えできない場合をつかもう!(練習問題付き)

Table of Contents

< It is ~ that …>の基本を知ろう

「It is ~ that …」は、英語で非常に頻繁に使われる構文で、大きく分けて2つの主要な役割があります。

1. 強調構文(It-強調構文 / Cleft Sentence)

この構文は、文中の特定の要素(主語、目的語、修飾語など)を強調したいときに使われます。「〜なのは…だ」「…なのは〜だ」といった意味合いになります。

特徴

  • 強調したい語句が「It is / was」の直後に来る。
  • 「that」以下が残りの文になる。
  • 「that」は関係代名詞のように振る舞うが、強調構文特有の柔軟性がある。
    • 強調する語句が人の場合は whowhom、物や事の場合は which も使えますが、that が最も一般的で、どんな要素でも強調できます。
    • that は省略できません。
  • 文の構造を分析することで、元々の文に戻すことができる。

構文の形

It is / was + 強調したい語句 + that + 残りの文

例文と解説

  1. 主語を強調する
    • 元の文: John broke the window. (ジョンが窓を割った。)
    • 強調構文: It was John that broke the window.
      • 窓を割ったのはジョンだ
      • (ジョン以外ではなく、ジョンなのだ、と強調)
  2. 目的語を強調する
    • 元の文: I met Sarah at the park yesterday. (私は昨日公園でサラに会った。)
    • 強調構文: It was Sarah that I met at the park yesterday.
      • 昨日公園で私が会ったのはサラだ
      • (サラ以外ではなく、サラなのだ、と強調)
  3. 時を表す副詞句を強調する
    • 元の文: I met Sarah yesterday. (私は昨日サラに会った。)
    • 強調構文: It was yesterday that I met Sarah at the park.
      • 私が昨日公園でサラに会ったのは昨日だった
      • (今日ではなく、昨日だったのだ、と強調)
  4. 場所を表す副詞句を強調する
    • 元の文: I met Sarah at the park. (私は公園でサラに会った。)
    • 強調構文: It was at the park that I met Sarah yesterday.
      • 私が昨日サラに会ったのは公園だった
      • (駅ではなく、公園だったのだ、と強調)

2. 形式主語の It 構文(It-形式主語構文)

この構文は、「that 節」の内容が主語になる際に、主語が長すぎるため「it」で置き換える形です。「that 節」で述べられる内容について、それが「〜である」と述べる際に使われます。

特徴

  • 「that 節」全体が文の真の主語である。
  • 「It」は意味を持たない形式的な主語。
  • 「It is」の後に来るのは、その「that 節」の内容を評価する形容詞や名詞。
    • 例: true, clear, obvious, certain, important, necessary, a fact, a pity など。
  • 「that」は接続詞であり、省略できる場合がある。
    • 主に口語やカジュアルな書き言葉で省略されます。

構文の形

It is + 形容詞/名詞 + that + 主語 + 動詞 ...

例文と解説

  1. 客観的な事実や意見を述べる
    • It is true that he lied.
      • 彼が嘘をついたことは本当だ
      • that he lied という事実が true である。)
    • It is clear that she is intelligent.
      • 彼女が知的であることは明らかだ
      • that she is intelligent という事実が clear である。)
    • It is obvious that they are in love.
      • 彼らが恋に落ちていることは明らかだ
  2. 感情や評価を述べる
    • It is a pity that you couldn’t come.
      • あなたが来られなかったのは残念だ
      • that you couldn't come という事実が a pity である。)
    • It is strange that he hasn’t called yet.
      • 彼がまだ電話してこないのは奇妙だ
  3. 重要性や必要性を述べる
    • It is important that we learn from our mistakes.
      • 私たちが間違いから学ぶことは重要だ
      • that we learn from our mistakes という事実が important である。)
    • It is necessary that he attends the meeting.
      • 彼が会議に出席することは必要だ

2つの「It is ~ that …」の見分け方

見分ける簡単な方法は、「It is / was」と「that」を取り除いて、文が成立するかどうかです。

  • 強調構文の場合: 「It is / was」と「that」を取り除いても、元の文が意味的に成立する
    • It was John that broke the window.
      • It wasthat を取り除く
      • John broke the window. (成立する → 強調構文)
  • 形式主語構文の場合: 「It is」と「that」を取り除くと、文が意味的に成立しない(形容詞などが主語のように浮いてしまう)。
    • It is true that he lied.
      • It isthat を取り除く
      • True he lied. (成立しない → 形式主語構文)

この2つの構文は非常に重要であり、使いこなせるようになると英語の表現力が格段に向上します。

< It is ~ that …>が使えない場合を知ろう

「It is ~ that …」構文は非常に便利ですが、常に使えるわけではありません。主に、強調構文形式主語構文のどちらの目的で使おうとしているかによって、使えないケースがあります。


強調構文 (It is ~ that ... で特定の部分を強調する場合)

強調構文は、文中の特定の要素(主語、目的語、副詞句など)を「It is/was」と「that」で挟んで強調するものです。しかし、以下のような場合は強調できません。

  1. 動詞や動詞句を強調する場合
    • 強調構文で強調できるのは、名詞句(主語、目的語)、時を表す副詞句、場所を表す副詞句などです。動詞そのものや、動詞と結びついた句を強調することはできません
    • 間違いの例: ~~It is play tennis that I.~~
    • 正しい例(強調構文ではないが、動詞を強調する表現): I do play tennis. (本当にテニスをするんだ。)
      • 動詞を強調したい場合は、動詞の前に助動詞 do を置きます。
  2. 形容詞や副詞そのものを強調する場合
    • 形容詞や副詞は、強調構文の「that」節の前に置くことはできません。
    • 間違いの例: ~~It is beautiful that she is.~~
    • 正しい例(感嘆文): How beautiful she is! (彼女はなんて美しいんだ!)
      • 形容詞や副詞の程度を強調したい場合は、**感嘆文(How ~ !)**を使います。
  3. 前置詞なしで強調したい要素が文のどこにも入らない場合
    • 強調構文は、強調したい要素を「It is/was」と「that」の間に置き、残りの文が「that」の後に続く形です。そのため、強調したい要素が文のどこにも収まらないような場合は作れません。これは、強調構文が元の文の要素を取り出して強調している、と考えると分かりやすいです。
    • 例: It was John that broke the window. (John broke the window. から John を取り出した)

形式主語構文 (It is ~ that ... で That節を主語にする場合)

この構文は、that 節(〜ということ)が主語になり、その内容について「〜である」と述べるものです。この場合も、以下のような制約があります。

  1. It is の後に来ることができない形容詞や名詞がある
    • 形式主語構文で It is の後に来るのは、that 節の内容に対する評価、事実、状況などを表す形容詞や名詞です。
    • 例: true, clear, obvious, important, necessary, a fact, a pity, strange など。
    • 人の性格や評価を表す形容詞は、通常 It is ~ of 人 to ... の構文で使われます。
    • 間違いの例: ~~It is kind that you helped me.~~
    • 正しい例: It was kind of you to help me. (私を助けてくれたなんて、あなたは親切だ。)
      • この場合、kind は「あなた」という人の性格を評価しているので of を使います。
  2. that 節の内容が客観的な事実や意見ではない場合
    • 形式主語構文は、that 節で述べられる内容が客観的な事実、見解、状況である場合に用いられます。個人的な感情や、特定の動詞の目的語になるような場合は使いません。
    • 間違いの例: ~~It is believe that he will come.~~ (彼は来るだろうと信じられている。)
      • この場合、believe は動詞であり、It is ~ that の間に動詞は来ません。
    • 正しい例: It is believed that he will come. (彼は来るだろうと信じられている。)
      • 受動態の形で「〜だと信じられている」と表現します。

まとめ

「It is ~ that …」構文が使えないのは、主に以下の2つのケースに集約されます。

  1. 強調構文のルールに合わない場合: 動詞、形容詞、副詞そのものを強調したい場合。
  2. 形式主語構文のルールに合わない場合: It is の後に、that 節の内容を評価する適切な形容詞や名詞が来ない場合(特に人の性格を表す形容詞)。

これらのポイントを押さえることで、「It is ~ that …」構文をより正確に使いこなせるようになりますよ。

< It is ~ that …>と<to不定詞>の書き換えについて知ろう

「It is ~ that …」構文と、不定詞を使った「It is ~ to …」構文は、どちらも形式主語の It を使って、文頭に長い主語が来るのを避ける表現です。多くの場合、これらは書き換えが可能ですが、意味合いや焦点にわずかな違いが生じることがあります。


「It is ~ that …」と不定詞の書き換え

1. 「That節」の内容が「事実」や「客観的な状況」の場合

この場合、「It is ~ that …」は 形式主語の It 構文 であり、「that節(〜ということ)」が文の真の主語です。このタイプの文は、不定詞を使って書き換えることができます

元の形(It-形式主語構文)

It is + 形容詞/名詞 + that + 主語 + 動詞 ...

不定詞への書き換え

It is + 形容詞/名詞 + for + 意味上の主語 + to + 動詞の原形 ...

ポイント:

  • that 節の主語が、不定詞の意味上の主語for + 人)になります。
  • that 節の動詞が、不定詞(to + 動詞の原形)になります。
  • この書き換えが可能なのは、主に important, necessary, difficult, easy, possible, impossible, good, bad, strange, natural などの、行為そのものや事実を評価する形容詞が使われる場合です。

例文:

  1. It is important that everyone attends the meeting.
    • みんなが会議に出席することは重要だ。
    • 書き換え: It is important for everyone to attend the meeting.
      • みんなにとって会議に出席することが重要だ。
    • everyoneattend するという行為が important である)
  2. It is difficult that he understands this problem.
    • 彼がこの問題を理解するのは難しい。
    • 書き換え: It is difficult for him to understand this problem.
      • 彼にとってこの問題を理解するのは難しい。
    • heunderstand するという行為が difficult である)
  3. It is necessary that she studies harder.
    • 彼女がもっと一生懸命勉強することは必要だ。
    • 書き換え: It is necessary for her to study harder.
      • 彼女にとってさらに勉強することが必要だ。
    • shestudy するという行為が necessary である)

2. 「That節」の内容が「人の性格や評価」の場合

この場合、「It is ~ that …」は通常使われません。代わりに、It is ~ of A to ... の構文を使います。

  • 形式主語構文(It is ~ that …)ではできない例:
    • 私はあなたが親切だと考えます。
    • ~~It is kind that you help me.~~ (これは間違い)
  • 正しい不定詞構文(It is ~ of A to …):
    • It is kind of you to help me.
      • 私を助けてくれるなんて、あなたは親切だ。
    • kind は「あなた」というの性質を評価している)

ポイント:

  • kind, nice, foolish, brave など、人の性格や行動を評価する形容詞が来る場合は、that 節ではなく of + 人 + to不定詞 の形を使います。
  • この場合、It is ~ that ... への書き換えはできません

3. 「It is ~ that …」が強調構文の場合

「It is ~ that …」が強調構文である場合は、特定の語句を強調するための特別な構文であり、不定詞を使った形式主語構文に直接書き換えることはできません。意味や文の焦点が大きく変わってしまいます。

  • 強調構文の例:
    • It was John that broke the window.
      • 窓を割ったのはジョンだ。(ジョンを強調)
    • この文を「It was John for someone to break the window.」のように不定詞構文に書き換えることはできません。意味が全く通じなくなります。

まとめ

「It is ~ that …」と不定詞の書き換えが可能かどうかは、その「It is ~ that …」が形式主語構文であり、かつ動詞の行為や事実を評価する形容詞が使われている場合に限られます。

構文の種類It is ~ that … の意味書き換えの可否
形式主語「〜ということ」が…だ可能It is important that he comes. ↔ It is important for him to come.
強調構文…なのは〜だ不可It was John that came.
人の評価that では不可)不定詞(of A to…)It is kind of you to help.

< It is ~ that …>と<to不定詞>の書き換えができない場合を知ろう

客観的な事実や事柄についての真偽を表現する場合は、to不定詞構文に書き換えることができない場合がある。

例文

It is true that the children in this class tell the truth.

(このクラスの子供たちが真実を述べたことは本当である。)

It is impossible that this country uses alternative energy sources.

(この国は、代替的なエネルギー資源を利用するなんて、ありえない。)

※impossible や possible は「不可能である」や「可能である」と表現する場合は、to不定詞構文に書き換えすることができる。

impossible や possible は「不可能である」や「可能である」の書き換えについて

上述のように書き換えが可能であるため例文を記す。

例文

・It is possible that Tom hits the ball.

 → It is possible for Tom to hit the ball

(トムが、そのボールを打つことは可能である。)

・It is impossible that the nation stop the battle.

 → It is impossible for the nation to stop the battle.

(その国が戦いをやめることは不可能である。)

< It is ~ that … >の構文を利用し、to不定詞構文に書き換えができない形容詞

certain(確かな) clear(明らかな) evident(明らかな) impossible(ありそうもない、あり得ない) likely(あり得る、ありそうな) ovious(明らかな) possible(あり得る) true(本当の)

他にも形容詞があるが、基本的には真実の疑義について明らかにするものを表現する形容詞かどうかで判断するほうが良い。

< 確認 >

< It is ~ for (of) A to … >について

不定詞の意味上の主語について

< It is ~ for A to … > については、(Aが…することは~である。)で表現し

< It is ~ of A to … > については、(…することはAは~だ。)と表現する。

前置詞の「for」と「of」の使い分けには、~に該当する形容詞によって決まる。

< It is ~ for (of) A to … >について | てばっち教育研究所 (tebatch.com): 【不定詞:文法】< It is ~ that …>の基本を知り使えない場合やto 不定詞構文に書き換えできない場合をつかもう!(練習問題付き)

<It is ~ of A to … >を用いる主な形容詞

前置詞の「for」と「of」の使い分けには、~に該当する形容詞によって決まるため、一覧で紹介をする。

bad(ひどい、悪い) bold(大胆な) brave(勇敢な) clever(賢明な、賢い) crazy(ばかげた) good(親切な) foolish(愚かな) honest(正直な) kind(親切な) nice(よい、いい感じの) polite(礼儀正しい) right(正しい) rude(無礼な) selfish(利己的な、自己中心的な) stupid(ばかげた、愚かな) seet(優しい) wise(賢い、賢明な) wrong(悪い)

※実際は、「for」と「of」の両方ともとることができる場合があるため使い分けは、難しい。

※初めて使い分ける場合は、人の性格や性質をもつ形容詞の多くが「of」を用いることから、人物の評価であると想定しても大きな問題はない。

< It is ~ of A to … >を使いこなせ! | てばっち教育研究所 (tebatch.com): 【不定詞:文法】< It is ~ that …>の基本を知り使えない場合やto 不定詞構文に書き換えできない場合をつかもう!(練習問題付き)

「It is ~ that …」に関する練習問題


セクション1:英文和訳(Translate the following English sentences into Japanese.)

  1. It was John that sent me the email yesterday.
  2. It is important that you finish your homework before dinner.
  3. It was at the library that I first met her.
  4. It is clear that he is telling the truth.
  5. It was the new manager that proposed that innovative idea.
  6. It is regrettable that we couldn’t attend the concert.
  7. It was last night that the accident happened.
  8. It is undeniable that climate change is a serious issue.
  9. It was his kindness that touched my heart.
  10. It is surprising that she knows so much about this topic.

セクション2:和文英訳(Translate the following Japanese sentences into English.)

  1. 窓を割ったのは彼だった。
  2. 彼が優秀な学生であることは明らかだ。
  3. 私が昨日会ったのはメアリーだった。
  4. 彼女がその職に最適であることは間違いない。
  5. 私がそのニュースを聞いたのは、まさにその時だった。
  6. あなたがすぐに決断を下すことは重要だ。
  7. そのコンサートで私たちが会ったのはジェーンだった。
  8. 彼がそのプロジェクトを成功させたことは素晴らしい。
  9. 私がこの街に引っ越してきたのは2010年だった。
  10. 彼女がそんなに早く英語を話せるようになったのは驚きだ。

解答


セクション1:英文和訳の解答

  1. 和訳: 昨日私にメールを送ったのはジョンだった
    • (強調構文:主語を強調)
  2. 和訳: 夕食前に宿題を終えることが重要だ
    • (形式主語構文)
  3. 和訳: 私が初めて彼女に会ったのは図書館だった
    • (強調構文:場所を強調)
  4. 和訳: 彼が真実を話していることは明らかだ
    • (形式主語構文)
  5. 和訳: その革新的なアイデアを提案したのは新しいマネージャーだった
    • (強調構文:主語を強調)
  6. 和訳: 私たちがコンサートに出席できなかったのは残念だ
    • (形式主語構文)
  7. 和訳: 事故が起こったのは昨夜だった
    • (強調構文:時を強調)
  8. 和訳: 気候変動が深刻な問題であることは否定できない
    • (形式主語構文)
  9. 和訳: 私の心を打ったのは彼の親切心だった
    • (強調構文:主語を強調)
  10. 和訳: 彼女がこのトピックについてそんなに多くのことを知っているのは驚きだ
    • (形式主語構文)

セクション2:和文英訳の解答

  1. 英訳: It was he that broke the window. (または It was him that broke the window.)
  2. 英訳: It is clear that he is an excellent student.
  3. 英訳: It was Mary that I met yesterday.
  4. 英訳: It is certain that she is the best person for the job.
  5. 英訳: It was then that I heard the news.
  6. 英訳: It is important that you make a decision quickly.
  7. 英訳: It was Jane that we met at the concert.
  8. 英訳: It is great that he succeeded in the project.
  9. 英訳: It was in 2010 that I moved to this city.
  10. 英訳: It is surprising that she learned to speak English so quickly.

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